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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「上海迷宮」 内田康夫

2007-01-04 18:07:53 | 讀書録(ミステリ)
「上海迷宮」 内田康夫
お薦め度:☆☆☆ /
2007年1月1日読了


2007年の「讀み初め」はこの本。
じつは古代史ものの本を昨年末から讀んでゐたのだが、なかなか讀み進めることが出來なかつた。
それで、氣輕に讀めさうな本といふことで、この本に手を出した次第。

淺見光彦が上海に行く。
飛行機嫌ひな彼のことゆゑ、フェリーを利用。
上海までのフェリーがあるといふことをこの本のお蔭で知つた。
それはともかく・・・

讀んでゐて、なんとも都合よく話がすすむものだと半ば呆れてしまつた。
作者も氣がひけたのだらう、作中で「出來の惡いミステリーのやう」といふ趣旨のことを書いてゐる。
だが、最後まで讀むと、このいはば「ご都合主義」のやうな状況は、周到に仕組まれたものだといふことがわかることになつてゐる。

私としては、最後の最後に作者がなんとか「オチ」をつけたといふ氣がしてしかたない。
讀んでゐて面白いことは面白いのだが、複雜な事情を説明してゐるだけの小説になつてしまつてゐるやうに思ふ。
それも、いままでに讀者に明らかにされてゐないことが終盤になつて判明してゐるので、推理小説としての面白さは殆ど感じられない。

さうしたことに目をつぶつて、淺見光彦の活動そのものを樂しむ分には、面白いといへるだらう。
しかしながら、以前のやうな、推理を働かせる樂しみをもつた作品を、もう少し書いて欲しいものだ。



上海迷宮

徳間書店

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