NHK土曜ドラマ:「氷壁」 第5回「戻れない二人」
三つ峠に行つた奧寺と美那子。
ネイルアートといふ虚飾を捨てた美那子。
何でネイルアートなどといふものが登場してゐたのか、ここへ來てその意味が判つた。
ネイルアートは八代との生活の象徴だつたといふわけ。
ここで二人はますます惹かれあひ、くちびるをあはせる・・・
裁判では、まづ奧寺への證人尋問。
ここで美那子と三つ峠へ出かけたことが明らかにされる。
北澤の妹のゆかりがヤシロに知らせたことが後でわかる。
奧寺の勤め先の社長・南部が奧寺の身勝手さに怒る。
確かにそれはもつともだ。
ちなみに私も激怒した!
そもそもこの裁判は奧寺が北澤の名譽を守らうとしたために始まつたものだ。
この裁判ではすでに多くの人が關はつてをり、南部にしてもヤシロの壓力で會社そのものの存續に關はつてゐる。
それなのに、その當事者が裁判相手と山登りとは・・・
(美那子はヤシロの常務、つまり經營者の一人だ)
カラビナの耐久試驗で、北澤がK2で使用したカラビナは壞れなかつた。
喜ぶ美那子の兄。
しかし、それなら何故北澤は墜落したのか?
依然として謎は深い・・・
美那子への證人尋問。
北澤はストーカーだつたと云はせやうとするヤシロ側の辯護人に對して、美那子は違ふと答へる。
「かつては私も北澤さんを愛してゐました」
そして・・・
「私は奧寺さんを愛してゐます」
たうとう云つてしまつた。
しかし、美那子は偉い。
もはやこれまで、といふ潔さを感じた。
女は開き直ると怖い。
奧寺は開き直ることが出來なかつた。
今囘、改めて感じたのは、奧寺の身勝手さ。
自分の行動がどういふ影響を與へるのか考へて行動するのが大人といふものだらう。
この裁判が奧寺の周圍の關係者を不幸にしてゐることは、八代の息子が親切に教へてくれてゐた。
それを知りながら和解に應じなかつたのだから、それだけの覺悟があつた筈。
それなのに、肝腎の自分は美那子と三つ峠でデート。
しかも、美那子を三つ峠に連れ出してキスしておいて、窮地に追込まれると「もう逢はない」とは何事か。
それなら、最初から美那子にアプローチするな!
私はこれまで、美那子の惡女振りに反感を持つてゐたが、美那子は自分に素直な女性、女性の象徴ともいへる存在だといふことに氣づいた。
そして奧寺は身勝手な男性、男性の象徴ともいへる存在だと氣づいた。
つまり、この型に嵌つたやうな圖式が脚本家の意圖だつたらしいことに氣づいた。
まさにメロドラマそのものだ。
しかし・・・
それにしても、一番かはいさうなのは、八代哲夫さんだよなあ。
平ちやん、かわいさう。
「僕が先に逝くんだから、それまでは一緒にゐて欲しい」
ああ・・・
どうやら、最終囘では奧寺が北澤の遺體と問題のカラビナを搜しにK2に登るらしい。
北澤が墜落した謎は解明されるのだらうか?
もはやどうでも良いやうな氣もする。
それより、K2が觀たい。
どろどろしたメロドラマはもう充分に堪能した。
凛々しい山の姿を觀て、清々しい氣持ちになりたいものだ。
第1囘はこちらを。
第1回「運命のザイル」
第2囘はこちらを。
第2囘「生死を賭けた挑戰」
第3囘はこちらを。
第3囘「愛と疑惑」
第4囘はこちらを。
第4囘「裁かれたプライバシー」
原案(原作)の内容についてはこちらをどうぞ。
『氷壁』 井上靖
三つ峠に行つた奧寺と美那子。
ネイルアートといふ虚飾を捨てた美那子。
何でネイルアートなどといふものが登場してゐたのか、ここへ來てその意味が判つた。
ネイルアートは八代との生活の象徴だつたといふわけ。
ここで二人はますます惹かれあひ、くちびるをあはせる・・・
裁判では、まづ奧寺への證人尋問。
ここで美那子と三つ峠へ出かけたことが明らかにされる。
北澤の妹のゆかりがヤシロに知らせたことが後でわかる。
奧寺の勤め先の社長・南部が奧寺の身勝手さに怒る。
確かにそれはもつともだ。
ちなみに私も激怒した!
そもそもこの裁判は奧寺が北澤の名譽を守らうとしたために始まつたものだ。
この裁判ではすでに多くの人が關はつてをり、南部にしてもヤシロの壓力で會社そのものの存續に關はつてゐる。
それなのに、その當事者が裁判相手と山登りとは・・・
(美那子はヤシロの常務、つまり經營者の一人だ)
カラビナの耐久試驗で、北澤がK2で使用したカラビナは壞れなかつた。
喜ぶ美那子の兄。
しかし、それなら何故北澤は墜落したのか?
依然として謎は深い・・・
美那子への證人尋問。
北澤はストーカーだつたと云はせやうとするヤシロ側の辯護人に對して、美那子は違ふと答へる。
「かつては私も北澤さんを愛してゐました」
そして・・・
「私は奧寺さんを愛してゐます」
たうとう云つてしまつた。
しかし、美那子は偉い。
もはやこれまで、といふ潔さを感じた。
女は開き直ると怖い。
奧寺は開き直ることが出來なかつた。
今囘、改めて感じたのは、奧寺の身勝手さ。
自分の行動がどういふ影響を與へるのか考へて行動するのが大人といふものだらう。
この裁判が奧寺の周圍の關係者を不幸にしてゐることは、八代の息子が親切に教へてくれてゐた。
それを知りながら和解に應じなかつたのだから、それだけの覺悟があつた筈。
それなのに、肝腎の自分は美那子と三つ峠でデート。
しかも、美那子を三つ峠に連れ出してキスしておいて、窮地に追込まれると「もう逢はない」とは何事か。
それなら、最初から美那子にアプローチするな!
私はこれまで、美那子の惡女振りに反感を持つてゐたが、美那子は自分に素直な女性、女性の象徴ともいへる存在だといふことに氣づいた。
そして奧寺は身勝手な男性、男性の象徴ともいへる存在だと氣づいた。
つまり、この型に嵌つたやうな圖式が脚本家の意圖だつたらしいことに氣づいた。
まさにメロドラマそのものだ。
しかし・・・
それにしても、一番かはいさうなのは、八代哲夫さんだよなあ。
平ちやん、かわいさう。
「僕が先に逝くんだから、それまでは一緒にゐて欲しい」
ああ・・・
どうやら、最終囘では奧寺が北澤の遺體と問題のカラビナを搜しにK2に登るらしい。
北澤が墜落した謎は解明されるのだらうか?
もはやどうでも良いやうな氣もする。
それより、K2が觀たい。
どろどろしたメロドラマはもう充分に堪能した。
凛々しい山の姿を觀て、清々しい氣持ちになりたいものだ。
第1囘はこちらを。
第1回「運命のザイル」
第2囘はこちらを。
第2囘「生死を賭けた挑戰」
第3囘はこちらを。
第3囘「愛と疑惑」
第4囘はこちらを。
第4囘「裁かれたプライバシー」
原案(原作)の内容についてはこちらをどうぞ。
『氷壁』 井上靖
井上靖の『氷壁』の中の美那子には共感を覚えなかった記憶があるのですが、このドラマの中の美那子は、仙丈さんおっしゃるように本当に自分に素直に生きていますね。同じ女性として感動する程です。
次週の最終回でどんな展開になるのか解りませんが、美那子のことが一番気になります。
幸せになれるといいけれど・・・
愛する人が不幸にならないように耐える人でもあつてほしかった。
NHKのドラマ奥寺には失望・・・
30年前に読んだ原作をまた読んでみようよと思いました。
コメントありがたうございます。
最初は純情な山男を誑かす惡女だと思つてゐました。
でも、今囘の奧寺の行動には唖然としました。
何て無責任な男なんでせうね。
假にも人妻に手を出して(まだ出してゐない?)、相手がその氣になつたら「もう逢はない」とは!
まともな大人の思考囘路は持ち合せてゐないのか・・・
美那子の證言は、なるほど、奧寺との仲を宣言することで奧寺を離すまいとする女心なんですね。
女心は奧寺と同樣にわからぬ仙丈ですので、目からウロコでした(笑)
コメントありがたうございます。
豫告篇によると、どうやら美那子は八代家から飛び出すやうですね。
このまま倖せになれるとよいですが、恐らく・・・
私としては八代哲夫氏がかはいさうでなりません。
彼は何も惡いことはしてゐない譯で、若い後妻のことを慈しんでゐると云つてもよいでせう。
それなのに・・・
諸惡の根源は奧寺ですね。
純情と世間知らずの身勝手さとは同義ではありません。
コメントありがたうございます。
私も同感です。
奧寺には忍ぶ戀を貫いて欲しかつた。
もちろん内心の葛藤はあるでせう。
でもそれを自分で押さへ附けて欲しかつたです。
それがストイックな山男のイメージに合ひます。
原作の魚津恭太を見習へ、と云ひたいですね!
八代さんもどちらかといえば自己中心的で美那子のことを十分に思いやっているとは言えないキャラクターだと思っていましたが、お水だった美那子をすくいあげ、兄の工場も救ってあげたことを考えると、法廷であんなことをされてしまい、なんとも後味の悪い感じが残ってしまいます。
私も、もうメロドラマはいいので山の美しい映像を見てこのドラマを終えたいと思っていました。ドラマとしての厚みに関してはかなりがっかりしております。
>女は開き直ると怖い。
ホントホント~
って私も一応女だけど(^^;
でも ったくなんだよ!と思いながら見てました。
>「もう逢はない」とは何事か。
そうだそうだ。
せっかく硬派できてるのに
最後まで硬派で居てほしかったぞ。
>平ちやん、かわいさう。
こうなると
ちょっと途中の感じは陰険な感じがあったけど
かわいそうですよね・・・。
やっと少しだけ美那子に共感できましたよ(^^ゞ
奥寺はハッキリ言って子供ですよね。
ただ、「男性の象徴」と言われてしまうと、
同じ男として、ウーンって感じです。
「自分に素直な女性」特有の身勝手さもありますしね。。
ラストが読めませんが、今更壊れたカラビナを
発見しても、それほどの立証能力は望めないと思います。
ともかく、美しく気高い山をもう一度見たいものです。
美那子はオミズだつたのですね~
さすがにフェロモンむんむんでした(笑)
さう、そんな美那子を後妻に迎へた八代氏は大したもんです。
その八代氏に後足で砂をかける美那子。
美那子にさうさせてしまふ奧寺。
う~ん、奧寺はやはり身勝手ですね~