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偽りなき者 /THE HUNT/JAGTEN

2013-03-18 10:40:18 | 劇場&試写★6以上

 

 

 

「セレブレーション」「DEAR WENDY ディアウェンディ」のトマス・ヴィンターベア監督作で、

主演のマッツ・ミケルセンが、カンヌ映画祭で主演男優賞受賞でも話題のデンマーク映画

 

マッツさんといえば、「007 カジノロワイヤル」での悪役から国際スターの仲間入り。

 この顔、インパクトありました

 この、どこか哀しみを秘めた憂いのある目がいいのよね

 

 

少女の仕返しからはじまった小さいけれど重い、嘘。

 小さな村で幼稚園の教師として働くルーカスは離婚を乗り越え、息子と過ごすクリスマスを心待ちにしながら、

仲間たちと狩猟を楽しむ穏やかな日々を送っていた。

ある日、ルーカスにプレゼントを受け取ってもらえなかった園児クララが、

軽い仕返しのつもりで発した嘘が彼の人生を狂わせる

 

 

「ーそれでもボクはやってない」

 

“ルーカスにいたずらされた”というクララの証言を町の大人たちは鵜呑みにし、

潔白を訴える彼の言葉に耳を貸すものは誰もいなくなる。

性的犯罪を犯した男として、村中から疎外視され、様々な嫌がらせや暴力にさらされる。

 

この子役、アニカ・ヴィタコプが巧い!!

最近、新人とは思えない子役多い。

あどけなく、無垢な感じながらも、その表情や仕草がかなり憎たらしく

観る側の感情をかなり苛つかせる。新人賞勝手にあげたいくらい。

 

たった一人の信じてくれる友人以外に、父親を信じる息子の存在が救い。

この子、スカちゃん(スカーレット・ヨハンソン)そっくり 笑

 

 

デンマーク語での原題は「JAGTEN」 英題「The Hunt」 ということで「狩猟」を意味する。

 

邦題ではぜんぜん違う意味になってしまっているのが残念。

主人公、ルーカスの趣味である狩猟、食べる目的でシカを撃つ。

そして、皮肉なことに自分が 身に覚えもないことで犯罪者という烙印を押され

村中の人間から非難され、憎しみの標的にされる。

 

 

 8/10(85点)

 

 

これはそこらのホラーよりもずっと怖い。

子どもは頭に取り込んだ絵や写真、知識から勝手に自由な発想をし

想像力豊かに嘘もつく。罪など感じずにやってしまうところが怖い。

子どもが発したなにげない嘘で、「子どもは純粋で嘘をつかない」と信じ込んでいる大人たちは

それを一方的に信じて翻弄、騒動になっていく。

 

園長に対しては、もっと自分のところで働く人間の、意見もちゃんと聞いたら?

そしてルーカスはもっと「やっていない!」と主張すれば、、、、と言いたくなるけど

小さな村の住人皆から非難されてとことん孤独に、そして無実の罪に苛まれていく。

 

その発言が、親友の娘だったからまた酷い。

長年の親友の言葉よりも、娘の言葉を信じた父親。

息子と、その名付け親でもあるもう一人の親友が信じてくれる存在でほんとうに良かった。

この二人がいなければ本当に観ていてもつらい。

マッツ・ミケルセンの孤独な哀しみを秘めた目が最高に効いてて、

セクシーでもあり、普段頼りない可哀想な男には惹かれないわたしでも

こういう場合は別なのか、マッツの魅力なのか、助けてあげたい。という母性本能?のようなものが

ふつふつと、、、

スーパーの店員までが「来るな!オマエに売るものなんかない!」と

暴力で追い返した時にはもう、こんなスーパー訴えてやれ!と思わずにいられない。

 

 

そしてルーカスは

クリスマスの夜に正装して、村の皆が集う教会に向かう。

 

ちょこっとネタバレ

ラストについて。

クララの父親である親友テオが、教会でルーカスから一言言われたあとに

娘の部屋でルーカスは何もしていなかったと確信を得、

食べ物を家に持って行き 和解したあと

息子の成人で狩りをできるようになったお祝いパーティで

何事もなかったかのように仲間たちや村の連中と元に戻って騒ぎ

その後、息子や仲間と狩猟をしていると

何者かによって自分に向けた銃が。危うい所で的ははずれ そして犯人は走り去る。

一瞬、何が起きたのかと予想もしていなかった結末にびっくり。

 

一度向けられた疑惑の念、簡単には人の信頼は取り戻せないという怖さ。

徹底して、子どもの小さな嘘からの波紋、疑いはけっしてすぐに晴れるものではないのか。

 

そして子どもは責められないと言うけど、間違った事を簡単に言葉で発してしまうことは

仕方ないにしても、この場合は注意もせずに済む問題ではない気もしたけど

ルーカスは近づくクララに寛容に、いつものように抱きかかえてあげた。

 

身近で起きてもおかしくないとも思えるこの話、

さすがに銃で狙う、、、、というのは日本では

観た後もじわじわといろいろ考えて、心に突き刺さる 見応えあるドラマ。

オススメ。

 

親友の娘クララの作り話が原因で、変質者のレッテルを貼られてしまったルーカス。クララの証言以外に無実を証明できる手段がない彼は、身の潔白を説明しようとするが誰にも話を聞いてもらえず、仕事も信用も失うことになる。周 囲から向けられる憎悪と敵意が日ごとに増していく中、ルーカスは自らの無実を訴え続けるが……。

 

  公式サイト 

JAGTEN         2012年    デンマーク   115min

 3月16日より、公開中~ 

 

カンヌ映画祭にて。

 

 

「ディアウェンディ」の時にも書いたけど、俳優?ってくらいなかなかのイケメン監督と。

 

 

 

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20 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
これこれ! (ノルウェーまだ~む)
2013-03-18 17:06:22
migちゃん☆
これ今劇場でやっているんだね?
全くノーマークだったわ(汗)
イギリスですごく評価高かったし、気になっていたやつだわ~
マッツさん、本当に目が魅力的よね。
惹かれる~♪
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戦慄 (かのん)
2013-03-19 11:06:16
ホントそこらのホラーよりもリアルな怖さに圧倒される素晴らしい作品でした。

クララがその小さな心を痛める姿がいじらしかったですし、ルーカスの包容力にも胸打たれるだけに、狂気に満ちていく大人たちの姿に戦慄がはしりました。
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面白そう! (yue)
2013-03-19 17:19:52
デンマーク映画なんだ~
ほんと邦題聞いて見たいという気にならないなぁ、
こういう「~な者」ってタイトル多いし。

でも怖さがディープでて面白そう!
子供が演技するスリラー/サスペンス(←古い?)好きだし!!
女の子の憎たらしさが伝わってきたよ^^
ネタバレは読まないでおいたよー今度みるわ~★
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かなり良かったー♪ (kira)
2013-03-20 19:20:18
自らが起こした状況であってもルーカスに近づくのを止められないクララに、
この、集団ヒステリー状態の中にあっても、態度を変えることなく接するルーカスは、
教育者の鑑というか、大人の男の理想像というか、
それでも決して譲らないとことか、漢でしたね~

>「ーそれでもボクはやってない」
ここ、笑っちゃったけど、私も
やってない事の立証の難しさで、思い出したよ
で、助けてあげたかったよね
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まだーむ (mig)
2013-03-21 00:14:39
お☆この人、惹かれるでしょう?
シャネル&トランヴィスキーにも出てたよ。
ぜひぜひみてみて!!
今日レディースはなにかみたかな?
ハネケは??
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かのんさん☆ (mig)
2013-03-21 00:16:47
こんばんは☆
私は子どもには厳しいので 笑
まったく子どもには感情移入せず
ただ憎たらしいと思って苛つきながらみてました
息子くんが家で「うそつき!」と罵る所、すかっとしちゃった。
素晴らしい映画でしたね。
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yue☆ (mig)
2013-03-21 00:18:58
うん、yueも観てーー!
気にとめてくれて嬉しいよ、北欧映画だしね。
このおちびが憎たらしい、、、
ほんとにコドモってなにするか、言うかわかんないから怖いわ
あ、でもスリラーではないよ。
そう、邦題だめだわ~
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kiraさん☆ (mig)
2013-03-21 00:21:50
観ましたね☆
もっと頑としてやってないと強調すればいいのに
園長に聞かれた時点で、謹慎2日と言われてそのまましちゃったらやってもないの認めたことになっちゃうのにねぇとか、やるせなかったです
息子くんと、ヒゲの名付け親の友人の存在に救われました
親友、テオ役の役者も良かったですね。前回もディアウェンディに出てた
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こんばんは (ノラネコ)
2013-03-23 17:19:26
これは大人の男にとっては特に恐ろしい映画。
私の知っている人も痴漢冤罪をかけられた事があるので、ケースは違えどどこでも起こりうる話だと思います。
思い込みで暴走するのが善意の市民社会というのが更にコワイですね。
まあちょっといくらなんでも街の人聞く耳持たなすぎ・・・という気もしましたけど。
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ノラネコさん☆ (mig)
2013-03-24 01:49:31
こんばんは☆
うんうん、わかりますね。
そう私もそれは思いました、園長もあまりに
自分の職員の話最初から聞かな過ぎだし
2日休めといわれてはい、とそうしてたら認めたようなもんじゃんって思いますね。
そこはちょっとねー。
明日コメ伺いますね。
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