Snowmint

Ca m'est reste dans l'esprit.

銀座「左京ひがしやま」

2005-03-22 | 和食・鮨
おくどさんで炊いたご飯の美味しい店である。¥2500のお昼のコースを頂く。

席に着くとまず、京都東山で汲み上げられた水が出てくる。
この水で育った野菜を使い、ご飯を炊いている、この店の基本となる水です、とのこと。

先附けは芽芋と生海苔の和え物と針魚の黄身酢掛け
椀物は白味噌仕立ての甘い汁に浮かんだ蓬の生麩に溶き辛子
大根に辛子の乗った物と若布と若筍の炊き合わせ
炭火で焼いたシャラン産鴨の塩焼き
シメは目刺の炭火焼と香の物、自慢の白飯
デザートは苺と、バニラアイスの黒蜜掛け
最後に一口菓子と煎り番茶

京風料理と言ってもしっかりした味付けだ。
一番安いランチだというのに、一つ一つが丁寧に作られていて、手を抜いていない。
だしは鰹よりも昆布だしの方が強め。だが単調ではない。
コースの流れも良く、久しぶりにストーリーのあるお食事を頂いた。

お刺身が付かないのは寂しいけれど、このお値段では仕方がないよね。
四千円のコースになると、これにお造りと和え物、炭火で焼いた肴が付くのだそう。

先附けを頂いた時から、これは旨い!と思ったが、その後に続く料理も全て合格点だった。
カウンターに座り、調理の様子を垣間見ていたのだが、とにかく丁寧。
鴨は一度炭火で焼いたら暫くホイルに包み少し置き、仕上げにもう一度強火で皮をぱりっと焼く。
鴨は苦手で、食べられるかしらと心配したが、それも杞憂に終わった。
ほんのりとピンク色に染まった鴨には、たっぷりの大根おろしと九条葱が乗せられ、ポン酢が掛かっていた。葱とおろしの効果か、鴨は特有の臭みや油は殆ど感じられず、さっぱりと美味しく食べられた。
ここのウリであるご飯、これがとても美味しい。御代わりも出来る。
一膳目は目刺で食べて、二膳目は香の物で頂いた。
このご飯は、絶対に御代わりをする事をお勧めする。
なぜかと言うと、二膳目には必ずおこげをよそってくれるから。
夜のコースは五千円から。このレベルの高さ、銀座のお値段としては格安でお得だと思う。

ランチの忙しい時間を避けて、一人でカウンターに座っていると、大抵は店の人が話し相手になってくれる。これが楽しい。
今日も二番手の板前さんが私の話し相手になってくれた。

最後に出された番茶の味に覚えがあり、聞くと、やはり「啐啄」で出されている物と同じ番茶であった。
最近人気が出てしまい品薄状態、もうすぐ東京では手に入らなくなるのだそうだ。
啐啄のご主人も頭を悩ませているらしい。
薬膳茶の様な独特の風味があるが、それでいてさっぱりとしている。
食事の後のお茶としては優れていると思うのだが、もうすぐ飲めなくなるとは、寂しい限りである。



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2 Comments

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もしかしてその番茶は… (inoue)
2005-03-23 13:15:20
京都・一保堂の「いり番茶」ではないでしょうか?

あれは食事後の番茶にぴったりです。

その上、お値段も安い。

でも、良質の茶葉が入手できず、製造が間に合わないため、一部では販売を見合わせているという情報を得ております。
そうです! (mari)
2005-03-23 22:30:50
東京では松屋さんや三越さんで売っていたそうですが、そこでももう売れなくなるそうです。

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