故郷・人情・キタンショー

広島市安佐南区中筋 こはだ歯科医院副院長の、日常よもやま話オン&オフ

そしてこれから・・・“石の上にも3年”とはなるへそ

2010-07-10 23:52:29 | プロフィール(オン)
平和公園となり、国際会議場の脇に、大学病院勤務時代、私の所属講座が補綴の国際学会を主幹したときの記念植樹と石碑があります。

“1991年”・・・あれからもう30年ですか。

 

当時の教授で大会長を務められた津留宏道広島大学名誉教授は、私自身の媒酌人、博士号の主任指導教授でもあります。
第2の父親と言っていいくらい、尊敬できる先生でした。
残念ながらご退官からさほどたたない内に他界されました。

国際学会の準備は本当に大変で、正直当時は、「こんなお祭りイベントみたいなことに割く労力って無駄なんじゃないの??」と生意気にも思ったりしたものです。

でもその後いろんな学会を体験して、やっとその意義も分かってきたような気がします。
ま、自分自身を評すると、“相当な奥手”と思いますね、何事においても。

この後、将来の進路を考えはじめて、結局この国際学会の1年半後、津留教授の定年退官と時期を同じくして大学を退職し、今の職に就きました。


それからのおおまかな“武装”の流れは今週お話ししたようなことで。

大学で補綴メインだったところから、一般歯科の修行、インプラントの導入、そして発育期の口腔管理に取り組むに至ったところです。

で、次に何に取り組んでいくかは、自分の中では決まってます。
早速今月25日に、新しい分野の研修を受けるため県外へ出張です。

自分の現場に新しく取り入れていく技術については、概ね3年熟成して、ある程度いけそうと思ってから出すべきというのが、これまでの経験も踏まえて、何となく思っているところです。

これから取り組むテーマが、3年後新しいオプションとして日の目を見るか、どこかでポシャッてお蔵入りするか・・・いずれにしても、何かないとすぐにさぼっちゃうので、自分で目の前に“博打”ぶら下げ、ドキドキしながら、楽しんでやっていきたいと思いますね。








実はこの前の日曜、4日の日に、早朝から平和大通り付近へ所用があり、朝メシも食わずでかけました。
上の写真は、その時に撮ったモノです。

昼過ぎに出先で出して下さったのが、アンデルセンプロデュースのスペシャルブランチ。
腹ぺこだったので、ホンマに美味かった。

帰りにそごうの地下で、同じプリンを家人へのおみやげに買って帰りました。



それにしてもこの手のプリン、他にもよく見かけますが、底のカラメル、ど~せ~っていうコンセプトなんでしょうね。

どうやっても、最後にカラメルだけ食べることになりませんか?

私としてはやはり“プッチン”と皿にあけて、カラメルと“黄身”を両方スプーンにのせながら食べるのが「プリン」てなモンですね。








・・・ってワケで、長らく続いたプロフィール紹介代わりの“歯科の専門分野”話は、ひとまずこれで打ち切りとします。

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先日の「ためしてガッテン」でさらに意を強く。

2010-07-09 23:53:23 | プロフィール(オン)
さて、歯を失った方の不自由さを手助けするにはどうしたらいいかという「補綴(ほてつ)」から、「幼少期からの健全な口腔育成」に関心が移ってきた経緯は昨日までの通り。

「健全な口腔育成」のポイントは
1.ムシ歯予防
2.歯肉炎(歯ぐきの炎症)予防
3.歯並び、あご関節の不調和の予防
となります。幼稚園や小中高での歯科健診も、このグループ分けで基準からはずれてないかを診ていくわけです。
さらに、これら3点を横断する形で、最近流行の“食育”を含めた生活習慣指導が絡まってきます。


この中で、ムシ歯は減少傾向にあります。
少子化と相俟って、家庭でも社会でもムシ歯予防への関心が高まったためと一般的には解釈されてます。
他にもいろいろ原因は考えられますが、とにかく小学校健診でも現実的に10年程度前に比べて小児のムシ歯は激減していると思います。


これに対し歯肉炎は、私の担当校でも増加傾向にありますので、注意は必要です。
ただ、ある程度注意を払っていけば、成人の歯周病と違って、“治癒”できる程度のモノがほとんどですので、大騒ぎは必要ないかと思っています。


逆に気になるのは、歯列不正がどんどん増えていることです。

この現象、私は先にアップしましたこの説明が正しいのではないかと思い、診療室、学校等の啓蒙活動でも、しきりにお話しています。



すなわち、調べたところ、歯の大きさもあごの骨の大きさもさほど古来変化していない、にもかかわらず歯列不正、特に乱ぐいといって、スペース不足に起因するガタガタの歯並びが増えているのは、軟かいものばかり食べるようになって、歯がちゃんと直立せず内側に傾斜してきているという説です。

歯列不正となれば、かみ合わせの不調につながり、ひいてはいろいろ全身にも影響が出ることはかねてから懸念されていますが、それに大きな上乗せ情報となったのが先日のためしてガッテン


・睡眠時無呼吸症
そしてこれに関連して
・糖尿病
・高血圧
などを、狭い歯列が引き起こす恐れがあると。


そして、ウチにすでにお見えになられている中年以降の患者さんを診ると、確かに狭い歯列で、舌の位置が適正よりもやや下にある方が多いのです。本当に。

となれば、これらの説が正しければ、睡眠時無呼吸症の予備群を、ただ「様子をみましょう」で放置しているのは問題ありと、それまでにも増して意を強くしているところなのです。


歯列がV字型に狭窄して、舌も窮屈そうな歯列を



生活習慣の改善やいろいろな手段を用いることで、早期にふっくらとしたU字型の歯列に整えていくことは



「健全な口腔育成」において重要な事柄の一つと考えています(写真は上が初診時、下がいろいろと指導や手段を施して歯列がふっくらとしてきたところ)。


なおこのような考えは、紐解けば古くからありますが、実際日本の社会で情報が流れだしたのはここ4,5年ではないかと思います。

歯列の不正をいつから治していけばいいかという点については、実は歯科医師間でコンセンサスが得られていないのが実状です。

また、ある程度の指針はあっても、現実にはお子さん個々の“個人差”がありますので、一概に何歳くらいから注意した方がいいといいきれないテーマでもあります。

実際にもし関心をお持ちの場合には、はじめは複数のドクターのセカンドオピニオンを聴かれることも視野に入れて、十分納得できる歯科医院に決めていくというスタンスしか、今のところないように思います。






本日、安佐歯科医師会ソフトボール部の合同自主トレに初参加。

帰りはブログ仲間でもある山さんとファミレスで深夜の晩メシ。
久々に汗流した後のメシは美味かったです。



来週から本格練習開始。
今年は、今のメンバーになってまだ一度も成し遂げたことのない“連覇”がかかっています。
来週は天気がちょっと心配ですが。


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そして興味は“健全な口腔育成”へと・・・

2010-07-08 23:53:51 | プロフィール(オン)
開業医になって、大学病院勤務時代よりも何倍もの患者さんを診始めると、当然様々なお口に出会う機会が増えました。

また、診療所のある「中筋」というところは、元来の“地”の方と転勤族とが混在する地で、診療室には老若男女、これまた様々な方がお越しになる上、“小児”が多いのです。

そうなると例えば



このような歯列の方のどこか1本歯がなくなったとして、ブリッジするか、入れ歯にするか、はたまたインプラントかということになりましても、どれでやってもあんまりうまくありません。

ちゃんとやっても、後々ものがはさまりやすいとか、磨きにくい等の不快感を伴うことが多く、そうなればまた二次災害も起こりやすくなります

元来の歯列不正がありますので、局所だけ単純に補綴(ほてつ)を考えても限界があるわけです。


となれば、まず全体の矯正ということになるわけですが、それなりに期間と費用のかかる矯正、どなたもができるというワケではありません。


上の写真は、ある中学生のモノ(写真は全て許可を得ての掲載です)。

この子の下はこんな風。



そんなに悪くありませんでしょ?

この程度なら、小学校時代に早めにいろいろ注意しておくことで、上あごの歯列不正はもしかしたら防げんかったんかい・・・と忸怩たる思いが日々診療室で鬱積することになってきたのです。


そんな風に“ただ思っていた”のを、“もっとちゃんと指導できるようにならなきゃ”と思わせてくれるに至ったのが、平成15年(2003年)の古市学園歯科校医拝命でした。

保健指導に熱心と聞き、正直最初は「おんなじ校医をするんなら、もうちょい楽なところがよかったな~、アンラッキー」と思ったモノですが、今にして思えばこんなにラッキーな“事件”はなかったでしょう。





あんまりいいかげんなコトは言えない“校医”としての保健指導を強いられた状況で、「健全なお口を育んでいくにはどうすればええんか」という、それまで“補綴専門医”としては関心度の低かったテーマが、一気に自分の中でクローズアップされてきました。

ブリッジも入れ歯もインプラントもしなくていいような、また最悪しなければならなくなっても最小限で済むような健全なお口を育んでいくには、幼少期からどんなことに注意しておくといいのか・・・というのが、最大の関心事になり、今に至っておるのです。

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インプラント治療の導入・・・新しい補綴の選択肢

2010-07-07 23:54:35 | プロフィール(オン)
大学を退職して開業医になってからしばらくは、それまでの「補綴(ほてつ)」中心から「なんでも屋」にシフトすべく、他の分野の研修に明け暮れました。

特に現在も治療の中心である「歯周病治療」と「根の治療」については念入りに。

やむなくムシ歯になってしまった歯を長持ちさせるためには、きちんと冠をかぶせたり義歯を入れることも大切ですが、その前段として、歯ぐきや根の病気を整備する「基礎工事」が重要であるケースが現実には圧倒的に多いですので。



そんなこんなで何となく歯科一般を扱えるかなと思え出すまでに5年くらいはあっという間に過ぎ、そしてまた話は「補綴」に戻ってしまうわけですが、10年ちょっと前から「インプラント治療」を導入するに至りました。


歯がなくなったところを補綴(ほてつ)する・・・すなわち人工物で補う方法として


“ブリッジ”(隣接する歯を削って橋わたしする:固定性)




あるいは

“(部分)入れ歯”(残った歯に金具をかけて義歯を維持する:着脱式)



という方法が従来あるわけですが、どちらにも共通の大きな欠点として、残った自分の歯に新たな負担を強いるということがあるわけです。



この大欠点から解放される手段が「インプラント」またの名を「人工歯根」。

人工の根を手術であごの骨に埋め込み、その上に冠や義歯を作製するという治療法です。





当院が導入した約10年前と現在を比較すると、やはり10年一昔、時代は変わりつつあります。

・品質のよいモノは確かに出てきました。
・よくないモノも流通しているようです。
・世間の認知度は格段に上がりました。
・大学での履修内容にも取り入れられはじめ、歯科医師なら“できて当たり前”の時代が来ようとしています。
・玉石混合のメーカー+さまざまな履修度のドクターが提供するという現状から、通常なら防げるトラブルが増えてきているのも事実だと思います。


インプラントは、残った自分の歯に負担をかけないという極めて大きなメリットを持っていますが、体内に異物を入れるという特殊な治療であることもまた確かです。


このような現状を踏まえ、患者さんにより安心してインプラント治療を受けていただくため、また自分自身への正のプレッシャーをかけるため、数年前から準備を重ね、このたび
インプラント学会認証医を取得するに至りました。


当院のインプラントシステムについては、いずれ機会を別にしてご紹介したいと思いますが、学会レベルでの指導を遵守し、治療計画から実際の手術、アフターケアに至るまで、慎重を期していますので、どうぞお気軽にご相談下さい。



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補綴(ほてつ)学は当時も今もおもしろい

2010-07-06 23:55:01 | プロフィール(オン)
卒後の進路として、元々すぐに開業医に勤めるという観念はなく、手につけた職にもっと特技を持たせて・・・とは考えていたワケです。

補綴(ほてつ)学というのは、昨夜最後に触れましたとおり、「歯がなくなったところを人工物でどのように補うか」って学問なわけです。


具体的には取り外し式の入れ歯とか・・・。

 


“ブリッジ”と言って、歯がない部分の隣の歯を削って、歯がないところと一体型の人工物をセメント付けする・・・といった手段について、研鑽するというわけです。



「え?そんなこと?」と単純に思えるかもしれませんが、人工物の材料(人体内で長期安定する為害性の少ない材料)についてや、具体的な設計などだけでも理論的背景はかなり広く。

さらに、最も歯科らしい(と私自身は思っている)「かみ合わせ」をメインの守備範囲とする分野なので、顎関節やあごを動かす筋肉との関わりなど、決して単純ではないわけです。

単純ではない話を、極めて単純にどこがおもしろいかというと、生体におけるバランスの中で、3次元的な空間の中の、どこにどのように歯を再現してあげるといいのかを考えるのが、歯科の中でのこの「補綴学」。
そこが、誤解を恐れずこう表現させていただくと、最もアーティスティックに思えて魅力的なわけです。
(本来、医学=サイエンスですので、アートとは別次元で語らないといけないとは思いますが)。


広島大学の補綴学教室で、大学院を含めて6年間研鑽した後、1993年に大学を退職、その2年前の91年に実兄が開業していた現在の診療室の副院長となりました。

退職後も数年間は大学でやりかけていた仕事のフォローのため大学に出入りする中、1997年に、歯科では最も大きい学会である日本歯科補綴学会専門医を取得しました。

その後、学会の定める規定を何とかクリアしながら、2回更新を行ってます。
“歯科医師免許”自体は、わり~ことでもしない限り終生ライセンスですので、自分で強制的に課題をぶら下げないと、なかなか継続的に自己研鑽しませんのでね、私みたいな凡人は。



ですので、構造を工夫した“しっかり咬める入れ歯”とか“金具の見えない入れ歯”とか・・・

 


審美的な冠

 

などは、私のストライクゾーンのど真ん中ですので、関心がおありでしたら、ご遠慮なくご相談下さい。



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