哲学的(育児)日記

テツガクテキって……? まぁ、深くは追求しないで。

パソコンデスク

2006-09-30 08:29:51 | 家のことエトセトラ
夕方からハウスメーカーとの打ち合せ。
カーテンや照明、作り付け家具などのプレゼンをしてくれるのだが
こちらは今の手持ちを最大限利用するつもりなので
たとえば既存のカーテンとの柄を合わせるなど、意外に難しいことも多い。

色柄を口頭で説明するのは困難なので、今使っている小窓用のカーテンを外して持参した。
それを電話帳3冊分くらいの厚みのあるカタログ2、3冊と照らし合わせ
あれでもない、これでもないと頭をひねる。
しかもカーテンのサンプルは通常ほとんどが5cm四方程度の小さな布切れで、
そんなものでは実際のカーテンをイメージするのに、ほとんど役に立たない。


「こちらでも、もう少し探してみますね」
自分でも納得いかない様子の担当のKさん、こちらが持参したカーテンを参考のためデジカメに収めた。
「あと、書斎のデスクですが、この様なものを考えてみました」
差し出された薄いファイルを見ながら、仕様の説明を受ける。

書斎などと偉そうなものではないが、ウチにはパソコンが現在3台あり、
これが今、大きなダイニングテーブルを完全に塞いでしまっている。
引っ越したら、テーブルを本来の目的(食事)に使いたいので、パソコンたちは
専用のコーナーにまとめてしまおうということになっていた。
しかもこのコーナーがL字型なのがまた面倒だった。

「2つの机の境になるところは、こちら向きの棚にしました。隙間を埋めるために板を1枚入れて……」
丁寧に説明を進めるKさん。それは使いやすく、スッキリとした作りのデスクだった。
作り付けなので、市販の家具を無理矢理収めた時に出来るであろう、無駄な隙間もない。
これはいいなぁ。

だが、ふと最後の見積書を見ると約で30万円と書いてある。

さんじゅうまんえん?!

ハウスメーカー特注のデスクは、たしかに素晴らしいものだが、デスク2つにこの金額は、
実際庶民には有り得ない金額だ。
カーテンだって、布団屋に頼めば定価の50%引きくらいで作れるかもしれない。


これまで時間を費やして来たKさんには、大変申し訳ないが
今まで相談したうちの、一体どれだけが実際に採用となるのやら。

営業とは、本当に大変な仕事なのだなぁ。

懇談会

2006-09-29 14:01:42 | Schule
朝、娘を送り出し、ほっと息をついてトイレに入ったところ
玄関ドアのガチャリという音、そして「今日、懇談会だよ」という娘の声がした。
「ええっ?」
問い質す暇もなく、ドアの閉まる音。
すっかり忘れていた、そういえば今日は娘のクラスの懇談会がある日だった。


懇談会と言っても、担任によるクラスの様子の報告と、今後の予定の確認程度の事。
ただ午後3時という開始時間は、おチビの昼寝時間と微妙に重なるので
その事を考えると、急に行くのが面倒になる。

案の定、おチビはいつもの通り、昼食後に昼寝に入った。
これは、やはり懇談会は休みかな。そう思っていたら、なんと2時50分過ぎにおチビが目を覚した。
う~ん、どうしよう。まだ寝ぼけ顔のおチビを見ながら考える。その時ふと、

「今日、懇談会だよ」

という朝の娘の声が聞こえた。
家を出た後、わざわざ戻って来てまでそう言うからには、娘は自分が来る事を期待しているに違いない。
だが、授業参観でなく、あくまで懇談会。子供は無関係のはずなのだが……。


ええい、ごちゃごちゃ考えるのは面倒だ。行ってしまえ!
自転車で行けばまだ間に合う。
何かが自分の背中を押している気がした。
急いでスリッパ2足を袋に放り込むと、おチビを自転車に乗せて、小学校へ坂を上る。


教室へ入ると、まだ始まっていない。どうやら間に合ったらしい。
「お、お母さん来たじゃない」
担任の声がした。見ると、何故か娘だけが教室に残っている。
何を言うでもないが、親用の名前札を差し出すと、おチビを連れて教室から出て行った。


自分の後、1、2人のお母さんがやって来て席に着いた。
教室を見渡すと、埋まっている椅子は3分の2ほどで、必ずしも全員が出席している訳というではなさそうだった。
一体何故、娘は自分が来る事を望んだのだろう?
相変わらず、その辺りがさっぱり分からない娘だ。

契約締結

2006-09-28 08:06:30 | 家のことエトセトラ
本日、現居の売買契約の締結。

などと言うと何事かと思うが、とうとう現居が売れることになった。
9月初旬にいくつか入った内見のうち、我が家と同い年くらいの夫婦が買う気になったらしく
「24日に、購入依頼の書類を持って伺います」
と不動産屋のY氏から電話があったのが先週の日曜日。

24日って、運動会の日じゃないか。
1日のうちに2つも3つも予定が入るのには、もうはや慣れっこだが、
じいちゃん・ばあちゃんもやって来るその日にとは、なんとも気忙しいことだ。
だが折しも都心の地価が上がり始めた一方、都内のマンションがダブついて価格が下落傾向などという
記事が新聞にも出たばかり。
購入希望者の気が変わらぬうちに、さっさと契約を結んでしまおうというのがY氏の真意らしい。

24日には内装や設備の不具合箇所が確認された後、Y氏主導で、契約日をその週の木曜日に設定。
(ちょっと焦り過ぎではないか?<Yさん)
それが今日。平日なので夫は午前半休を取り、契約に望んだ。

おチビは、不動産屋の雰囲気が馴染めないのか、しかも最近になってますます動きが活発になった事もあり
話が始まると直にぐずり始め、こちらは暴れ騒ぐおチビを連れて早々に部屋を出なければならなかった。
すべき事は、契約書の読み合わせと、契約締結、決済日の決定などなど事務的なことだけだが
それでもすべてが済むまでに1時間半近くかかった。


印を捺すその場に居合わせなかったためか、或はおチビの愚図りに付き合わされてガックリ来たためか
現居が売れた事にそれほどの感慨を覚える暇もなかったが、
気が付けば、引っ越しを考え始めてから1年と半年が経っていた。
人生の大きな局面に立ってもまた、スロースターターの我が家だった。

袖擦り合うも

2006-09-27 15:50:03 | Philosophisch
読書会は休みだったが、後期最初のS教授の演習が3時からある。

いつもと違う時間に電車に乗った。
午後一番の電車はとても空いている。これ幸いと腰掛けると、目的駅まで3駅あるその間、テキストを開いた。


それにしても、テキストに気を取られていると、電車がどの辺りを走っているのか分からなくなり、
いきなり降車駅に到着して慌ててしまうという事がよく起こる。
まるで寝込んでいた人が、急に目覚めあたふたと電車を降りるような、軽い茫然自失ぶりが
我ながら恥ずかしいので、少しだけ車窓に気を配っておこう、と思う。



電車は長いトンネルを抜けた気配、もうそろそろ目的駅に着く頃に違いない。
テキストを閉じて鞄にしまい目を上げると、
なんと哲学科のH先生が、対面の横長の座席に腰を下ろし、こちらを見ているではないか。


驚いた。
いや、何となく似た人がいる感じはしたのだが、その印象が意識にまで上って来ていなかった。
「こんにちは……」
通路越し、H先生に挨拶はしたものの、自分の無自覚具合と驚きとが相俟って可笑しさがこみ上げて来る。
しかも目的駅に到着したと思っていたら、実は勘違いで、まだ一つ手前の駅だった。いやはや。



同じ沿線を利用するH先生は、3時からの授業に合わせ、いつもこの時間に電車に乗るということだった。
こちらは平素は読書会があるので、この時間、この電車を利用したのは今日が初めてだ。
長い車両、いくつもあるドアの中から、意図せず全く真正面の席に座るという、この偶然。


こんなことが起こると、H先生に何か話さなければならなかった事でもあったっけ? と変に気になってしまう。
よくよく考えたてみたが、今のところ思い当たる節はなし。

パトロール

2006-09-26 09:24:37 | Schule
小学校のパトロールの日。

通学班単位の当番制で、月に2回まわって来る。
だが、どうしてかなぁ。パトロールの日に限って雨が降るのは。
昨日まではあんなに天気が良かったのに。

2人ひと組で、一緒に見回りをする同じマンションに住むAさんは6ヶ月の妊婦で、
しかももうすぐ2歳になる子供がいる。
いつもは「運動のために、歩けって夫に言われているから」と明るくパトロールに参加しているが
雨の日、傘をさしながら、しかも身重の体に小さな子供を抱っこしてどうやって歩くのか。
雨だから、バギーも使えない。前回は、小学4年生のお兄ちゃんが短縮授業だったので
その子に幼い妹の面倒を見させたと言っていたが。


心配していたら、Aさんから電話があった。
「今日、なんだか体調が悪くて……」
パトロールを休む旨の電話だった。


「お大事に」と電話を切って、ホッとした。
「雨の日は、私が抱っこするわ」とは言っていたものの、人見知りするその子に泣かれたらどうしようとか、
正直気にはなっていたのだ。



「人の目があるだけでも、犯罪は防げる」というのが、パトロールをする事のひとつの意義なのだろうが
では、その程度の事を欠いただけで、起こり得たかも知れない犯罪とはなんだ?
身重に幼い子供を連れてのパトロール。こんなか弱い、ささやかな視線一つで、防ぐ事が出来る何かとは。

運動会(裏)

2006-09-25 00:39:17 | Schule
前日の運動会では、日に焼けて顔も腕も真っ赤になったビデオ撮影担当の夫。
片や、こちらはこちらで、家と小学校を自転車で往ったり来たりの半日だった。


ジジーズ&ババーズを小学校へ送り届けると、家に取って返し、さあ、掃除開始!
娘が出場する競技が始まるのは約30分後。
玄関を掃き、弁当を作ったそのままの台所を片付けると、時計を見ながらレンジとシンクを磨きにかかる。
(昨夜断念した、レンジの掃除だ)
予定時間の5分前、仕事を中断すると慌てて自転車に股がり、小学校までの上り坂を「えっちらおっちら」登る。


小学校の近くまで来ると、「次は、徒競走2年生女子です~」の放送。
夫らに弁当を送り届けた後、人混みの間を抜け娘のスタート地点に辿り着く。あと3人ほどで娘の番だった。
順番で次々と走り出す子供たち。娘も同様にスタートを切った。
立ち上がり、躓き気味に前のめりになりつつも、2位の滑り出しはまずまずだ。
だがゴール地点は見えない。結果は良く分からないまま、再び会場を後にする。


残りの台所仕事を片付け、庭側の三和土(たたき)を掃き、掃除機をかけ始めるが、再びタイムアップ。
自転車で駆けつけると、ダンス「モンキーマジック」にはまだ早かった。
しかもその前の演目、1年生の「ムシキング・サンバ」の音楽の調子が悪く、競技がずれ込んでいると言う。
これでは「モンキーマジック」がいつ始まるか分からない。
「間に合わなかったら、ビデオで見るわ」と夫に託すと、諦めて家に戻ることにする。


掃除機をかけていると、携帯が鳴った。
「今、‘ムシキング・サンバ’、やってるよ~」
夫からだった。まだ帰って来てから10分も経っていない。
ビデオで見ると言ったものの、間に合うのならやはりこの目で見なければと思い直し
上り坂、自転車を走らせる。だんだん息が切れて来た。


駆けつけた時には、イントロが始まっていた。
同じ孫悟空の姿格好をした子供の中から、娘の姿を探す。
いたいた、手作りの如意棒を振りながら踊る娘が。なかなか動きはきれいだぞ。
途中、フォーメーションの変わり目で、立ち位置を間違えた隣りの男の子を
娘がどついていたのには苦笑させられたが、それでも皆楽しそうに演技している様子は見ていて気持ちが良い。
退場し走り戻って来る子供たちの中、娘を見つけると手を振って迎えた。



次は、いくつかの競技の後に、全学年参加の「大玉送り」があるんだっけ。
でも、これ以上の往ったり来たりは、さすがにキツい。
こちらまで運動会に参加している気分だ。

運動会

2006-09-24 15:10:52 | Schule
娘の通う小学校の運動会があった。
台風の接近で、数日前までは危ぶまれていた天気だったが、
幸い秋の晴れ空が広がり、日向では暑いほどだ。

朝、リクエストのメニューを詰めた2段弁当を持たせて娘を送り出し、
夫とおチビを起こしてシャワーに急かすと、間もなく
2組のおじいちゃん、おばあちゃんが相次いで到着(何しろ老人は朝が早い)。
まだ身支度の済んでいない夫を家に残し、4枚のレジャーシートを抱えての大所帯で小学校へ向かう。

娘の行事では、誕生会でも七五三でも、いつもこの大人数なので慣れっこになってしまったが、
傍目に見れば、1人の孫に大人6人とは、なんとも滑稽な行列だ。
小学校に着くと、既に開会式は始まっており、準備体操をする子供たちを尻目に
人で賑わう人気の会場正面は避け、向こう正面、応援席の後ろ側の日陰に陣取った。


娘のクラスは、白組。縦割りで赤、青、黄、白組の4チームが競う。
昨年も白組だった娘は大敗を喫し、今年は雪辱を誓っていた。
その気合い通り、参加競技の「大玉転がし」では快調に飛ばしたが、運動会は何分チーム戦。
途中、白組は2位と好位置に付けていたのだが、最後の高学年の選抜対抗リレーが済み
蓋を開ければ総合最下位という結果だった。あらら、残念。


閉会式では悔し涙を流していた娘。
「残念だったね」
と声をかけると、
「学校を爆破したいくらい、くやしい」


まったく、負けず嫌いな娘だ。

溺死

2006-09-23 14:15:11 | くいしんぼう
午前中ハウスメーカーで打ち合せした後、午後は同じメーカーの他の展示場を見に行った。
帰りがけ、明日の運動会のお弁当の買い物を済ませると、すでに夕餉の時間。
バタバタと餃子を包み、あとは有り合わせの夕食。


食べたら今日一日の疲れがどっと出たのか、動く気力が無くなってしまった。
台所の掃除だけは、今日のうちに済ませようと思っていたのに。
明日の夕方、今月初旬に内見に訪れた人のうちの一組が、購入依頼の書類を持ってやって来る事になっている。
なのに明日は、朝から娘の運動会。どうするよ。


餃子と一緒にビールを飲んだのがマズかったか。
いや、でも餃子と来たらビールは外せない。
パリッと焼けた皮を噛み締めると、しみ出す肉汁。
口内に脂の滴ったところへぐーっと、ほろ苦く清涼感溢れるアルコール。
憎いほどの好相性。


ええい、儘よ、もう何もかも忘れ、この快感に浸っていよう。

もっち

2006-09-22 08:27:42 | おもしろことば
言葉が少しずつ「こちら側」に近付いて来たおチビ。
有潤語もそろそろ卒業、少し寂しい気もする。
だが移行期間である今は、言い間違えや幼児語との混合がなかなか面白い。

これまで魚の事を「ゆ」と言っていたおチビは、最近これを「かさな」と言うようになった。
おにぎりの具で、唯一シャケが好きなおチビは、中身を確認する際
「かさな? かさな?」
と尋ねる。そういう時は
「うん、さかなだよ」
と答える。「‘かさな’じゃなくて、‘さかな’よ」などと、野暮な訂正はしない。

かと言って「うん、かさなだよ」と、試しにこちらが答えると、おチビは怪訝そうな顔をした。
慣れ親しんだ響きとの違和感を、なんとなく感じたらしい。
その一度しか、そうした受け答えはしていないが、
やがておチビの発する言葉が、自身ではっきりと意識されるようになった時
こうした言い間違いは自ずと解消するだろう。


またおチビは、卵のことを「も」(もしくは「もも」)と言う。
これは言葉らしきものを喋り始めた時からの事で、目玉焼きもゆで卵も、皆「も(もも)」だ。
果物の「桃」と紛らわしい事になるが、
恐らくは卵の丸い形が「も」という音を連想させるのかも知れないと、こちらは勝手に想像している。



今日は、おチビが何かを手にこちらに近付いて来ると「もっち」と言う。
「もっち」とはなんだ?
手にしたものを見てみると、蕎麦屋に行った時にもらった、プラスティック製のちゃちな子供のおもちゃだ。
「ああ、おもちゃだね?」
「ももっち!」
得意げに叫ぶおチビ。よく見ると、そのおもちゃは「たまごっち」の形によく似ていた。ナルホド。

ゴダイゴ

2006-09-21 00:33:50 | 娯楽
今度の日曜日、24日は、娘の小学校の運動会がある。
折しも台風接近中。天気に些か不安の残るところだが、今週に入ってからは
小学校から、運動会の練習か、午後になると風に乗ってソーラン節などが聞こえて来る。
夏休みが明けて、運動会までひと月もない。練習は、さぞやハードな事だろう。

娘が持ち帰ったプログラムを見ると、2年生の娘が参加するのは、
「徒競走(50m)」「大玉送り」「大玉転がし」「モンキーマジック」の4競技。
はて、「モンキーマジック」とは?
聞けば新聞紙を棒状に巻いて作った「如意棒」を手に、ダンスを踊るということらしい。
(そういえば週末、夫がその棒を作る手伝いをしていたようだ)
合わせる曲は、やはりゴダイゴの「モンキーマジック」。
1978年から1980年にかけて放映されたTVドラマ『西遊記』のオープニングテーマだ。


いや、ゴダイゴとは懐かしい。
だが「モンキーマジック」も良いが、自分はどちらかと言うとエンディングテーマの「ガンダーラ」が好きだった。
まだ小学生やそこらの子供に、西国の果てのユートピアを夢見る心情が理解できるはずもなかったが
何処か物悲しいあのメロディーが、ひどく印象的だったのを憶えている。


久しぶりに聴きたいなと思っていたら
「ウチに、ゴダイゴのCDあったんだけど、どこにあるかなぁ」
と夫。「誰かに貸したまま、どこかにいっちゃったかも……」とブツブツ言っている。

中古CD屋でも探しに行ってみるか。

踏み切り

2006-09-20 17:06:53 | ひとりごと
今日は晴れなので、午前中、自転車でおチビと出かけた。
いつものように自宅から所沢駅まで、片道30分ほどかけてのんびり走る散歩道。

途中、乗り物好きのおチビのために、回り道して3度踏切を渡ることにしている。
所沢駅周辺は、西武池袋線と西武新宿線の2路線が乗り入れているので、踏切ならいくらでもあるのだが、
散歩で走る時間帯は、ダイヤが込み合っていないためか、なかなか電車が通過してくれない。
「電車、来なかったね。残念」
そう言うと、おチビも
「じゃんねん」
と真似て笑う。


それにしても、踏切が開いている事を残念に思うなど、子供が生まれるまでは有り得なかったことだ。
元来短気であるから、踏切の「開かずの時間」などは、半ば諦めつつも、それでも
焦燥感を押し殺して鈍化した頭は、ただひたすら「早く電車が通過してくれればいい」としか考えなかった。


 「早く踏切の先へ渡る事しか考えない生き方」。
 それは自分の在り方そのものだったと、今になって思う。


3つ目の踏切で、ようやく遮断機が降り、念願の電車が通過した。
ただ電車を見る事が、そんなに嬉しいのかと驚くほど、おチビの視線は行き過ぎる列車に釘付けになっている。
「あぁ、あれは西武新宿行き、快速電車でしたー」
何とはなく、おチビに語りかけ、一緒に電車を見送った。


 今でも、通り過ぎる電車の向こう、車両の隙間から踏切の先は見えている。
 そこへ早く渡りたい、渡らなければ、そんな気になる。


遮断機が上がり踏切を渡ると、「キーン」という空を裂く音とともに自衛隊機が低く飛びすぎて行く。
それをおチビが「あっ!」と指差して追う。飛行機も好きなおチビ。
「電車もいいけど、今度は飛行機も見に行こうか」
やはり乗り物が好きな娘が幼い頃には、羽田空港などへ、たまに飛行機を見に連れて行った。
ちょうど今のおチビくらいの年頃のことだ。
「ひこうき?」
あの当時の娘に比べると、おチビの言葉はまだまだ拙い。
言われた事がよく飲み込めないのだろうか? おチビは少し思案顔をすると、言った。
「……うれしい」


ドキッとした。
まだまだ自分は分かっていない。
これが分からないまま「あちら側」へ渡ってはいけない、何かが自分にそう言った。

プリンターを修理に出す

2006-09-19 16:32:15 | Weblog
プリンターが壊れた。
EPSON製のPX-700。A4サイズの用紙の印刷が出来る、ごくフツーのプリンターだが、
年賀ハガキを作ったり、自治会の回覧板用の名簿を作ったりと
我が家なりに大活躍しているので、これが使えないのは大変困る。

機械は反応するが、印字が出来ない。試しにテスト印刷をしたら案の定インクが出ず、
ヘッドクリーニングを繰り返したら、インクを交換したばかりだというのに、インク残量ゼロの表示。
指示に従っただけなのに、このザマはなんだ、EPSONよ。

「困った、困った」と言っていたら、今日たまたま休みを取っていた夫が
修理センターまで車を出してくれた。
修理センターは、東京都日野市、EPSONの工場内にある。ウチからは車で1時間ちょっとの距離。
広々として芝生の美しい、そして昼前のためか閑散とした工場の敷地の「お客様用駐車場」に車を停めると
修理受付にプリンター機を持ち込んだ。

受付の男性が、てきぱきとこちらの症状説明を書き留める。
「部品交換が必要になると、一律で8400円かかっちゃいますが、見積もり後、連絡致しましょうか」
この手のプリンターなら20000円もせずに買える時代、8400円も払って修理する人が果たして何人いるだろうか、
と、たぶんこの男性も思っているに違いない。
だが、インク全色交換で既に5000円ほど投資している以上、このプリンター機をこのまま廃棄するわけにはいかない。
2時間ほどで修理できると言うので、昼を食べに出る事にした。



「この辺りまで、いつもおばあちゃんにおんぶされて電車を見に来たんだ」
高台から中央線を見晴らせる道を車で走りながら、夫が言う。
「へー、そうなんだ」
日野市は夫の生まれた地でもあり、夫の祖母の住む思い出の町でもあった。
所々に雑木林が残る気持ちのよい場所だ。こんなところに住むのも良いだろうな、と思う。



プリンターを受け取りに行くと、持って来た時よりも幾分ピカピカし、きちんとラップされていた。
プリンターヘッドの部品交換で、修理完了となったらしい。
修理代はと聞くと、今回はタダだと言う。(もしかして、実はリコール対象だったのでは? EPSON?)
タダで再び使えるようになったのなら、往復2時間の手間ではあったが、まぁいいか。

家に帰って、ラップを解くと、付属品の他に「給紙部に異物が混入しておりました」の紙と一緒に
押しピンが一つ、ビニール袋に入っていた。
「これでヘッドが傷ついたんじゃないのか?」
技術系には俄然優しい夫が言った。


いや、違う。絶対違う。
給紙部とプリンタヘッドがあるのは別の場所だ。
それにそもそも、押しピンが原因だったらタダで修理する訳がないじゃないか。

敬老の日

2006-09-18 14:47:50 | 我家的行事
午後3時頃、義母からの電話。
「今日は出かけなかったの? 良かったら来ない?」
夕方から、ディーラーへ点検の済んだ車を取りに行くことになっていたが
都合の良いことに、ディーラーは義父母の家の方向にある。
これ幸い、お誘いにのることにした。

娘たちもたっぷり遊び、夕食もすっかりご馳走になって
のんびりお茶を飲みながら、世間話をしていると、義母がふと話のあやで
「今日は‘敬老の日’だから、おばあちゃんの家に行こうかとも思ったんだけどね……」
姑とは、あまりソリが合わない義母の愚痴話ではあったが、それにしても


今日は、敬老の日だったっ!!!


しまった、すっかり失念していた。
だいたい、国民の祝日やら休日やらが、その年によって日が変わるなど
ややこしい事になったのがいけないのだ。

もっとも、まだ60代前半の義父母に「敬老」とは却って失礼ではあるが、
一応、娘らにとっては「おじいちゃん、おばあちゃん」なんだし、
一言くらい、何か言っても良かったはずだ。 が、時すでに遅し。



その後、用事がてら実家の母に電話をした際に、‘敬老の日’に何の沙汰もしなかった事と詫びると
「あら、自治会で‘敬老の日’、祝って来たわよ~」と母。
地元の自治会で、今年、当番の班長職が回って来た母は、自治会の‘敬老の日’のイベントで
近所のお年寄りの接待をしたということだった。
「次に班長をする時には、たぶん祝ってもらう側になるわね」
とは、今年70歳になる母の弁。


んんん~……。皆様、まだまだ現役で、とりあえず良かったのかな……。

コンプリート

2006-09-17 13:49:51 | 健康第一
夫の風邪が、今頃になってやって来たのか、目覚めると、ひどい喉の痛みと頭痛がする。
が、そのまま寝ていられないのが主婦の辛いところ。
(もっとも、目覚めたのは昼近くだったが)
今日は、車の12ヶ月点検、そしてハウスメーカーとの打ち合せがある。
「子供を連れて、夫だけで行ってくれないかなぁ」
喉元まで出かかった言葉を、粉末のビタミンCサプリメント2袋とエビオス錠と一緒に飲下した。


サプリメントフリーク、という訳ではないが、体調が良くないときは積極的に摂るようにしている。
頭痛薬のように即効性はないが、もともと体が必要としている栄養成分の不足を補っているだけなので
常用しても効かなくなるという心配がない。
(注:ビタミンAなどの油溶性のビタミンやミネラルなど、摂取規定量を超すと中毒性を持つものもある)
ただし、食事同様、体から吸収するものだから、できるだけ天然成分を原材料としているものを選ぶようにしてはいる。
市販のサプリメントの中には、薬と同じく化学的に合成して作られているものも多くあるからだ。


風邪のひき始め、体の免疫機能が急激にフル回転し始めているところへ、救援物資を届ける様を想像する。
ミッション:「サプリメント物量作戦」。

潤沢な物資を得て、活気付く免疫。一斉に侵入者への猛攻を開始。
こちらは必要な栄養素が途絶えないように、1時間おき位の間隔でビタミンCの粉末を摂取、支援を送り続ける。
侵入者を倒すと自らも死に絶える白血球の壮絶な戦いは、ほぼ半日に及んだが
身体は活動しながらの悪条件にも関わらず、夜には見事、喉の痛みが解消。敵をせん滅した模様。


ミッション、コンプリート(完了)。

乗り物乗り放題

2006-09-16 23:56:51 | おでかけ
連休初日、遠出をする予定がないので、またしても「西武園ゆうえんち」へ行った。


3連休の初日だからか、近場の遊園地は、ほぼ貸し切り状態。
いつものお決まりで、観覧車から乗り始め、ウェーブスインガー、おチビも乗れる「ハローキティ メルヘンタウン」
メリーゴーランドからジャイロタワー……。

いつもなら、その辺りでお開きとなるが
今日は娘が乗る気満々、平素怖がって決して乗ろうとしない「バイキング」「スペースシャトル」「空飛ぶ絨毯」など
いわゆる「絶叫系」にチャレンジ、繰り返して乗るという快挙(?)を成し遂げる。

「もう一回乗る!」
すっかり意気の上がった娘は、最チャレンジを宣言。
だがこの娘、調子づくと後先分からなくなるところがあるから、こちらが加減を見て止めさせてやらなければならない。
「もうお終いにしよう。そろそろ帰ろうか」
少し未練がありそうな娘も、大人しく従う。帰りの車ではあっという間に眠ってしまった。
もうお腹いっぱいといった感。やはり疲れていたようだ。
「贅沢な乗り方だな」
眠りこける娘を横目に見つつ、夫が言った。


何度も書いたことだが、夫の勤める会社の福利厚生サービスの一環で、
法人会員利用1人あたま250円にて入場と乗り物乗り放題。
だが、このサービスも恐らくは、事業所の移転とともに、今年度末までで終了する。
残念至極だ。