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八月披講

         兼題 「花火」手花火、遠花火、昼花火         
            「星月夜」ほしづくよ、星明

  天   赤とんぼに纏わりつかれ死を意識    雅田如
赤蜻蛉 山から里への お知らせ係り 山の奥には 地底に冥府
私に 何か伝言通知 聞かぬふりする それでもやはり纏いつく(変竹)

  天    蝉しぐれ死へと向って 生きてます    変竹
一週間しかない命。必死に必死に生きている様が切なくも力強く詠まれています(里楽乃)

  天   木版の刷るほどに浮く大花火    摸楽宙
上手い! 映像がアニメーションのように段々迫力を増してゆく。花火の余韻ドーンが聞こえてくる。裸の大将 山下清の「長岡の花火」を思い出した(雅田如)

  天   シャンソンの洩れる小窓や星月夜    摸楽宙
シャンソンと星月夜の取り合わせが何とも見事。悲哀と情熱が織りなす調べ、煌く億万の星、正に幻想の世界だ(粒石)

  天    青クラゲ悩みをひとつわけようか    里楽乃
クラゲの優美な姿を見ていると、煩悩などないんじゃないかと思わせるほどだ。自分もあやかりたいものです(模楽宙)

  地   一場の夢幻か遠花火    粒石
人生 七十有余年 過ぎ越し方は一場の夢か はたまた まぼろしか 遠い花火が
読み方として 五四五も わるくない まさに夢幻の趣 世界一 短い詩 poem(変竹) 

  地    よもすがら思ひ出紡ぐ星月夜    粒石
星座を見ていると、神話の世界が次々と頭をよぎってくるが、思い出も星々の中に紡ぐ事が出来れば、なんともロマンチックで素晴らしい(模楽宙)

  地   空蝉やこの世短き恨みごと    雅田如
暗黒の地中で生きること七年、地表に這い出して僅か七日間とも言える短い蝉の一生、その鳴き声には悲傷の思いが込められているに違いない(粒石)

  地   蝉しぐれ死へと向かって 生きてます    変竹
短い生涯だけどポヂティブな生きざまにさわやかな余韻が残る。誇り高き生きざまだ(雅田如)

  地    木版の刷るほどに浮く大花火    摸楽宙
一色一色色を重ねて行くことで大花火が浮き上がる。紙一杯に咲く趣ある花火の美しさを詠んだのが良いと思いました(里楽乃)

  人   青クラゲ悩みをひとつわけようか    里楽乃 
ん? 青くらげ ! 何だかよく判んなくって ネット検索してみた? まさか 
とは思ったが あった! ニコニコ動画の少女主人公 でも やっぱ分かんねぇ
悩みが また一つ ふえた(変竹)

  人   青くらげなやみをひとつわけようか    里楽乃
世の中を上手に渡り歩く処世術に長けた「くらげ」。怒りも恨みもそして悩みものらりくらりと受け流す度量。そんなくらげになりたい(雅田如)

  人    我を問ひ三年越しの花火に火    里楽乃
しばらく途絶えていた花火大会も、やっと開くことが出来た。久しぶりに見る花火はいつもとは違う感慨が湧いてくる(模楽宙)

  人   我を問ひ三年越しの花火の火    里楽乃
秘めたる思いを花火に託して伝えるのか、青春は余りにも純粋で毀れ易すい。それ故に胸の奥深くで生き続けるのではなかろうか(粒石)

  人   よもすがら思ひ出紡ぐ星月夜    粒石
あまりにきれいな星月夜に、思い出があふれ一晩中思いふけってしまう(里楽乃)

  佳作  幾山河越へきて今日の蝉しぐれ    粒石
ご存じ 若山牧水「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむくにぞ今日も旅ゆく」
人生 山あり谷あり河もある(ツキナミ)でも平凡がいい   旅の果ての蝉時雨(変竹)

  佳作  蜩の又鳴き始むしじまかな    粒石
蜩の鳴くことで静寂が戻る。いいですね 風流人の粋な一句だ(雅田如)
 
  佳作  シャンソンの洩れる小窓や星月夜    摸楽宙
いやぁ 昔 日本にも こんな時代が あったよね
ちょっと小洒落た 懐かしい 遠い良き時代だよね(変竹)

  佳作   星月夜塵掃くごとく梢揺る    摸楽宙
木々が一斉に揺れる様子を空を掃くほうきに見たて無数の星を掃いている。風のゆらぎも表され良いなあと思いました(里楽乃)

  佳作  木版を刷るほどに浮く大花火    摸楽宙
一刷りごとに完成へ近づく版画、最後の一刷りに託す大輪の花火、一瞬にかけるロマンに魅了される(粒石)

  佳作   めんどくせぇー 生きるもあきた大昼寝    変竹   
潔くて気持ちの良い句です(里楽乃)

  佳作   海の底ひとりで座る星月夜    変竹
深読みの結果、これは浦島太郎の物語で、龍宮城で座禅を組んでいるところなんです。星月夜が幻想的(模楽宙)

  佳作   蟬しぐれ死へと向って生きてます    変竹
色即是空?仏教用語は難しい。ゴールは皆同じ、ごく当たり前のことだが、特急列車に乗るか、はたまた鈍行に乗るのかの違い、そこから見える風景は蟬しぐれの様に色々なドラマが(模楽宙)

  佳作  みんなもう月に行ったか 夏終わる    変竹
月面着陸して月面を走ること50メートルがゴール。 今、全世界でこのレースが始まろうとしている。優勝賞金は20億。勿論日本チームも参加とのこと。
何時かこんな俳句のような会話が現実になるのだろう(雅田如)

  佳作  佳き人の先逝くこの世星月夜    雅田如
満天に煌く億万の星を眺めていると、思い出の中に生きる人の面影が次から次へと浮かび上がってくる。現世に生きる人たちの哀感が漂う(粒石)

  佳作   佳き人の先逝くこの世星月夜    雅田如
母がよく言っていた事を思い出した。知っている俳優がどんどんいなくなってしまう、と、 今自分がその歳になってくると、母が言っていたことが良く分かる。いつの世でも繰返される。順番だから仕方がない(模楽宙)

  佳作  空蝉やこの世短かき恨みごと    雅田如
殻を抜け出し 七日間の生を謳歌した ご本体 それはそれなりなのかも
八日めの殻は 風に吹かれただカサコソ鳴るばかり それは寂しき恨み節(変竹)

  佳作  昼花火一番ホームの痴話げんか    雅田如
旺盛なエネルギーを所構わずに放出、耳目を集める状景を展開とは。老骨には羨ましくもあり、おぞましくもある午後の出来ごとだ(粒石)

  佳作  我を問ひ三年越しの花火に火    里楽乃
難解な句だ。恋路のことに違いない。花火は「恋」三年間悶々と自問自答の自分に飽きて遂に告白した。さあーその結果は・・・・。花火は一瞬に燃え盛る恋の炎(雅田如)


       次回兼題 「爽やか」(爽涼 爽気 さやけし さやか さわやぐ)
              「小鳥」   (小鳥来る 小鳥渡る)    

******白銀句会分科会*******

  <川柳>

  ☆張りぼてのミサイルは今ICBM    徹
かって 張りぼてと揶揄されたのは 中国? 北朝鮮 ?
いま 強引堂々 でも プロパガンダ語は 張りぼて ?(変竹林)

  「張りぼてのミサイルは今ICBM」   徹
愚将は敵を軽視し、知将は敵に学ぶ、さてさて我が国の武将は愚なるか知なるか   屯児選

  ☆尺貫法でまだまだ生きると爺と婆    屯児
尺貫法は堅牢 職人魂の基本です 生活 暮しに根づいてます
爺と婆 生活のなかで生きてます 地を踏みしめて生きてます(変竹林)

  尺貫法でまだまだ生きると爺と婆    屯児
昔 銭湯の体重計は貫表示だったがいつの間にやらKgに慣らされた。
日本の伝統文化が無くなって良いはずはない。そういえば最近のテレビ界は関西圏の発音がやたらに耳につく。東京下町育ちの自分にとって 下町の名前の発音がやたらと耳につく。そうじゃない、ちがうだろ~(模楽宙)

  ☆人間はAIに学び強くなれ    徹
近ごろ人間さまはひ弱です 読まない 考えない 鍛えない <私奴も〉
比べてAI 日々研鑽 学習してます 世界を見ています よね(変竹林)
    、        
  「七〇年平和の空危うし」   麻太郎
この七〇年の平和は僥倖そのものだ。然し、世界の様相は一変した。「天は自ら助すくる者を助すく」、を改めて真剣に考え、行動せねばなるまい   屯児選


  <短歌>

  「緑り草鬱蒼しげる真夏日に青春の恥蘇る鮮烈に」   変竹林
凄い告白に圧倒されましたが誰もが青臭き若き時代には
経験の事。恥に非ず真っ当な人間性かと思います  (麻太郎)


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