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七月披講

 
     兼題  草いきれ 山雀 
  
  天   あじさいの最後の色や稀むらさき      粒石
我ら世代は否応なく波乱万丈を経験させられた つらい事も苦しい事も しかし
思い出は鮮やかな七色の彩りの中に 人生最終章は僧衣の紫か ただ彩りは淡い(変竹) 

  天   蒸し暑し弾ける裸婦のクロッキー     雅田如
<感想>暑さと裸婦の取り合わせのエロスから発散するエネルギーに圧倒される。若しこれが寒中であったらと想像するのも一興だ(粒石)

  天   ふわふわをさがしに旅へ夏帽子   変竹
この脱力感が堪らないですね。それでいて深き意図が垣間見れるのは、詠者の力量が並でないことの証明である。人生最終章に入ってどう死ぬるかぶらりと秘湯など訪ねたいものだ(雅田如)

  天   木洩日を縫ふは忍びか黒揚羽   ありま茜
昼間でも暗い林の中で、僅かな木洩日に黒揚羽が舞っている。色が黒いので視界を出たり入ったり目まぐるしい。それを忍びと詠んだところがユニークで良いと思いました(模楽宙)

  地   娘らの山雀籤にはしゃぎをり   ありま茜
山雀は色々な芸をする事で知られている。縁日であろうか御みくじ引きをしている山雀に、娘たちが興味津々に騒いでいる。その情景が手に取る様に浮かんできます(模楽宙)

  地   虫跳んでまたとび込むや草いきれ   ありま茜
本物の草いきれを知っていなければこの句は出来ない。むっとした、じっとりとまつわりつく空気感。これこそ、堪えられないが癖になる匂いだ。捕らわれ執着こそ苦悩の根源である(雅田如)

  地   億年の闇をむさぼる御器かぶり   模楽宙   
人類誕生以前の数億年を生きぬいた先達 若輩者の「御器齧り」なる命名など笑止千万
億年の冥界 闇の世界を支配する帝王 …ながらゴキブリホイホイでの補足は御愛嬌(変竹)

  地   風化した語り部の村蛍の灯   変竹
<感想>今年も八月十五日終戦記念日が近づいてくる。吾国の殆どの都市が灰燼に帰したあの戦争の大惨事も今では人々の記憶から遠ざかってしまったようだ。僅か四分の三世紀前のことなのに。
 世の中には決して忘れてはならない事、何としても伝え継がねばならない事が多々ある。風化の二字に心が痛み空しくなる。蛍の灯が何かを象徴しているかのようだ(粒石)

  人   はにかみて虚空を見やる合歓の花      雅田如
「合歓の花」の 言葉だけで 既に濃厚に色っぽい 密教曼荼羅の絵図模様
「はにかみて」で こころ落着け 「虚空」で またまた妖しの世界の妄想に(変竹)

  人   落柿舎に山雀の来て円座見ゆ       雅田如
その昔、芭蕉も座ったであろう、落柿舎の円座の傍に山雀が飛来し、その愛嬌のある顔で円座をながめている。しかし鳥は休み無く動くのが常で、次の瞬間すぐに飛び去って行く。山雀の俊敏な動きが、スローモーション画像を見る如く伝わってきます(模楽宙)

  人   鬼百合や聖女のごとく睫毛かげ      雅田如
<感想>家内がいとおしみながら育てたカサブランカが見事に咲いた。大輪の正に聖女と讃えられるに適わしい品格を宿している。それに反して昨今、選良などと呼ばれる輩の下等、下劣さは目に余る(粒石)

  人   草いきれ三三五五の家路かな        粒石
地平線に今、沈む太陽が「気をつけて帰れよ」と声をかけている。ちりじりになってゆく黒い影。「明日また遊ぼうぜ」もう二度とないこの日(雅田如)

  佳作  木洩日を縫ふは忍びか黒揚羽   ありま茜    
緑陰の午睡 ふと目覚めたとき 死角をよぎった黒い影 あれはくノ一忍びなるや
いやいやただのアゲハ蝶 それにしてもクロアゲハ 彩り鮮やか 華麗な妖しの黒(変竹)

  佳作  旧友のぴたりと決まりしサングラス      粒石
白い細見のズボンにアロハシャツ ストローハットにサングラス 我が青春のグラフティ
いま思い返せば少なからず滑稽 ではありますが…老境の今なら却ってカッコイイ(変竹) 

  佳作  石仏に吾が心尋ぬ草いきれ   模楽宙     
思い惑い 彷徨い 草深き地に迷い込む 我がこころも また 迷い 戸惑う
草深き里で石仏に出会い 仏に迷い心の出口を尋ぬるも ただ 草の 風に鳴る音(変竹)

  佳作  草いきれ遠い昔が今ここに     粒石
少年の頃 遠い昔の 記憶に 焼きついている草の匂い あの頃の山と川と野と
夏の空と白い雲 ランニングシャツと 麦わら帽子 今いちどきに よみがえる(変竹) 

  佳作  娘らの山雀籤にはしやぎをり   ありま茜   
かって娘たちは 小鳥の告げる神意にもはしゃぐ 無邪気さ 可愛いさがあった
いまどきの娘 そんな華やぎはもはや無い もっとも今や縁日の山雀籤も無くなった(変竹) 
          
  佳作  木漏れ日を縫ふは忍びか黒揚羽   ありま茜
<感想>まこと絶妙な表現だ。夏の午後のしじまに不意に訪れた凄艶な美人だと思い度い。これぞ正に”真夏の昼の夢”?(粒石)

  佳作  石仏に吾が心尋ぬ草いきれ   模楽宙
<感想>混沌とした世の中だ、誰しもが時には口には出せない不安や悩みに身の細る思いをする時がある。そんな時巡り合った石仏に一助をも求める心境は至極自然だ。草いきれが発するエネルギーがきっと心を癒してくれるだろう(粒石)

  佳作  蒸し暑し弾ける裸婦のクロッキー      雅田如
暑い中を、裸婦を描いているが、ポーズを色々変えても中々決まらない。とにかく早く完成させて、モデルも画家も一休みしたい。冷房もままならない節電の世の中に、苦労している様が見えてきます(模楽宙)

  佳作  漂いて思慮などすてし海月かな   変竹
昔、海月が無数にいる海を見たが、まさに白い雲が漂っているようだ。体の中が全て透き通っている様は、自分の考えなど何も無い様な、いかにも軽い感じがする(模楽宙)

  佳作  入院の日まわり道して鬼灯市   変竹
入院する日がちょうど鬼灯市と重なり、これ幸いとばかり、
ほおずきを買いに行く。殺風景な病室を飾り、華やかにする。気持ちに余裕が感じられ、病気もすぐに治るに違い有りません(模楽宙)


今月の秀・佳作(仮題) (ありま茜)

 不肖ありま茜、甚だ勝手ながらこれまでの「天地人」の評価に少しく抵抗を感じてきました。そこで今回より気に入った句をすべて「佳作」とし、特に気に入ったものを「秀作」とさせて頂くことにしました。
 更に、磨けばもっと光る句には、「参考句」を試みることにしました。僭越ですが、これは小生の勉強と愉しみのためでもありますので、ご寛容のほど願いあげます。(なお参考句は本句会だけのもので、このまま他に使うことはありません。あくまで参考ですが、皆さんの意に添わないなら即刻取りやめます。)

佳作  縁日にヤマガラの消ゆ昭和消ゆ   変竹
縁日の山雀くじが消えたのを惜しむ気分に、昭和の心が薄らいでいく寂しさを重ねているのに共感する。文語体で通すなら「ヤマガラ」とカタカナでなく、「山雀」か「やまがら」でいい。

佳作  山雀の籠をひねもす足の音   模楽宙
「足の音」は山雀か。止まり木を渡る小さな音に神経を行き渡らせているのに感心した。ならば「籠を」ではなく、「籠に」ではないか。

佳作  石仏に吾が心尋ぬ草いきれ   模楽宙    
(参考句=茜)「草いきれ石仏に吾が心問ふ」

佳作  風化した語り部の村蛍の灯   変竹
「語り部の村」が判りにくい。戦争か昔話か色々ある。さらに「風化した」村というのでよけい想像しにくい。この判りにくさは口語表現でよけい増幅されている。いっそのこと(参考句=茜)「戦争の語り部の村蛍の灯」とはっきり言い、蛍の灯に風化を暗示させるか、「風化せし語り部の村蛍の夜」と文語調で曖昧さに味をもたせて「蛍の夜」を強調するか。まさか津波で消えた村じゃないでしょうね。詠みたい意図は理解できるので、あと一工夫。

秀作  落柿舎に山雀の来て円座見ゆ    雅田如
中では本句をもっとも評価する。但し「見ゆ」はいわずもがな。(参考句=茜)「落柿舎に山雀の来て円座かな」山雀と落柿舎の円座の取り合わせに俳句の妙味(滑稽)が浮き彫りになる。

秀作  入院の日まわり道して鬼灯市   変竹    
次に評価するのは本句。入院するのにわざわざ鬼灯市へ回り道して行くというのは、病む人の心根をよく表出している。句意は落柿舎の句を上回るが、推敲の不十分さがマイナス点。(参考句=茜)「入院日鬼灯市へ回り道」なら茜も羨む句になった。

(後日「スガ目鑑賞」を再開します。)

           次回兼題   新涼  阿波踊  
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七月投句

      兼題  草いきれ  山雀   

山雀に吉の知らせを賜はりぬ       模楽宙   
鬼百合や聖女のごとく睫毛かげ
木洩日を縫ふは忍びか黒揚羽      ありま茜    
草いきれ三三五五の家路かな
縁日にヤマガラの消ゆ昭和消ゆ     変竹 
山雀の籠をひねもす足の音        模楽宙   
草いきれあの日の夜も遠き過去     変竹    
打水や弧の字弧の字の鱗跡
緑陰のをみなら核の話など       ありま茜   
石仏に吾が心尋ぬ草いきれ       模楽宙         
草いきれ遠い昔が今ここに
旧友のぴたりと決まりしサングラス
漂いて思慮などすてし海月かな     変竹    
果てあるき地球は丸い草いきれ
向日葵の陽を追ふてふは俗なりき    ありま茜  
霊場の宿の出入りや草いきれ      模楽宙   
ふわふわをさがしに旅へ夏帽子     変竹
虫跳んでまたとび込むや草いきれ    ありま茜
恭しく床を装ふ胡蝶蘭           模楽宙            
はにかみて虚空を見やる合歓の花
娘らの山雀籤にはしやぎをり      ありま茜   
草いきれ想いが巡ぐる匂かな
風化した語り部の村蛍の灯       変竹 
蒸し暑し弾ける裸婦のクロッキー
億年の闇をむさぼる御器かぶり     模楽宙       
あじさいの最後の色や稀むらさき
落柿舎に山雀の来て円座見ゆ
入院の日まわり道して鬼灯市      変竹
雨後の山濛気は虹のスクリーン     ありま茜

                      
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六月披講

        兼題  扇

  天   てのひらに乗ってしまった雨蛙      雅田如
鎮守の社で雨宿り しとしとしとしと 静かに降り続く雨また雨 うっかりうとうと 
目を開けたら 小さな小さな愛嬌者が掌に! そっとつつんで運び 小さな池に放す(変竹) 

  天   しみじみと扇子の風を味へり      粒石
梅雨時の暑さは身体が馴れていないだけよけいこたえる。たまらず扇子を出してひと扇ぎする。その時の冷気の心地よさ。小さな扇子が送る風はたかが知れてるが、熱気に抗う健気な風に味があることは、冒頭の「しみじみと」に表われている。肩の力が抜けた好句(ありま茜)

  天   遠滝の一筋白き主張かな   ありま茜
俗論に阿ねることなく己の一分を守り通す求道者の孤高の姿が彷彿とする(粒石)(感想)

  天   羞ふと見せ風鈴のさはがしき   ありま茜
風鈴と言えばまず江戸風鈴が思い浮かぶ、子供の頃、東京下町ではリヤカーでにぎやかな音を立てながら風鈴売りが来たものです。軒下に自己の存在を示す如く、かすかに音を立てる。風が強く吹くと途端にうるさくなる。微妙な変化を詠んだ句です(模楽宙)

  天   猫の目に路地の向かふの祭かな    模楽宙
寅さんの「男はつらいよ」のプロローグを見ているような場景だ。祭ばやしの笛や太鼓にまじっていつもの寅さんの口上が遠くに聞こえてくる。しかしこの人間の織りなす営みを冷静な上五で捉えたとことがいい。繰り返される人間模様に「もういいかげんにせい!」と当方には聞こえた(雅田如)

  地   猫の目に路地の向かふの祭りかな    模楽宙 
月島か浅草か 下町の路地には猫が多い 遠い本道には神輿の賑わい 時間の外の風景
日本海のある村で「蟹の目に二つの冬の海がある」の句碑を見た ま逆の風景ながら双璧(変竹)

  地   節電に世の喧噪や青すだれ    模楽宙
節電まことに結構。度の過ぎた利便や快楽は人間を益々劣化させるだけだ。最近までエアコンなどは無く、人それぞれに知恵を出し合って穏やかに暮らしていたものだ。何も今更そんなに騒ぐのか、理解に苦しむのは小生だけか(粒石)(感想)

  地   てのひらに乗ってしまった雨蛙      雅田如
目の前に小さな雨蛙がいた。手を出したらヒョイと乗ってきた。さて乗ってはみたが、なにやらなま暖かいし、どうも勝手が違う雨蛙。さてどうしたものかと戸惑っている姿が愛らしい。梅雨時の小景を詠んで好もしい(ありま茜)

  地   扇にて時よびもどせ人は老ゆ    変竹
平清盛の『日招き』の扇伝説か、人間は身分貧富の差がなく、皆、歳を取って行く。誰しもいつまでも若く有りたいと願う。沈みかかった日輪を扇で呼び戻すように、若さも取り戻す事が出来れば.......(模楽宙)

  地   羞ふと見せ風鈴のさはがしき   ありま茜
上五の表現に参りました。うまい!(雅田如)

  人   羞ふと見せ風鈴のさはがしき   ありま茜
AKB48 小娘たちは どうやら色気を売ってるつもりらしい でもそれは ただ騒がしいだけ
もっともいまどきの小娘 頭のなかにも姿態の装いにも「恥じらい」などは存在しない(変竹)

  人   名人の此処一番と扇取る    模楽宙
将棋の名人戦か、息づまる長考のあと、やおら名人が扇を披く。緊張がとぎれた次の瞬間、名人の手が盤上の駒をつまむ。さて放たれるのは妙手か悪手かいかに(ありま茜)

  人   走り梅雨無聊をかこつか独言     粒石
憂鬱な気分の時は、つい愚痴の一つや二つこぼしたくなるもの。
梅雨入り前のうっとうしい空模様に、晴れない気持ちを表している(模楽宙)

  人   めぐりくるあの日の匂ひ初扇     ありま茜
何時までも心に留めておき度い想い出と想像するするにやぶさかでない。佳き想い出はその人にとっては替え難き貴重な財産だ(粒石)(感想)

  人   扇にて時よびもどせ人は老ゆ    変竹
中国の逸話に出てきそうな句だ。一煽ぎ千年もタイムスリップしたら楽しいだろうなあ。発想が面白い(雅田如)

  佳作  うつ伏せて地球抱えし蟻の列       雅田如
働き者のアリさんは よっこらしょ 地球を抱え持ち上げて どこに運ぶつもり?
移動の先が 災害の無い 温暖化も無い 静謐浄土なら 蟻さん アリが10(変竹)
 
  佳作  定斎屋の揃へる音や青すだれ    模楽宙
うーん 定斎屋ときたか 「江戸情緒」とは思うのだが 何の商いかは判らない 辞書を引く
夏の諸病に効能のある煎薬を売る とある うーん 青簾を抜ける風の趣き 江戸風景画(変竹)

  佳作  托卵の山やはらかし時鳥    ありま茜
ホトトギスといえば 昔は大自然 哀切の詩情表現だった しかし現代では 神をも恐れぬ
ギャングの所業と それでも山はやさしく悪党をもつつむ 山は偉大 包容力の権化です(変竹)
  
  佳作  今も手に父が形見の黄の扇子      粒石
我らの世代 おしなべて親父への想いは薄かった あるいは反抗的ですらあった
父の年齢を超え父の存在が深まる 黄扇は夏扇の定番か しかしやはり今や存在は薄い(変竹)

  佳作  しみじみと扇子の風を味へり        粒石
エアコンの普及 いろいろ便利な家電製品に囲まれた生活 停電 節電 で生活一転
窓を開け自然の風を取り入れ 扇子を使う 忘れていたこんな生活 わるくないネ(変竹) 

  佳作  猫の目に路地の向かふの祭りかな   模楽宙
気持ちよく居眠っていた路地の猫。ふと騒音を感じて目を開けると、なにやら人間共が妙な物を担いで騒いでいる。なんだ神輿か、あんなもの何が面白いのか、人間なんて他愛ないもんだ。猫の目に映るという見立てはありふれているが、ユーモラスな雰囲気を買った。言葉遣いだが「向かふ」は向かい合う、対座するという意味だが、それでいいのかどうか。ここは「路地のあなたの」でどうか(ありま茜)

  佳作  ひょっとして時間の死かな夏銀河    変竹
時間の死とは時間が停止する事か、そもそも時間はこの現し世だけのものなのか、黄泉の国とか影の世界とかいわれるが素人にはさっぱりわからない。此の宇宙は膨張し続けている様だが、止まって収縮に向かえば時間の逆行 ? そんな世界に興味は有っても生きたいとは思わない。それにしてもこの地球から見える天の川銀河のきらめきは美しい(模楽宙)

  佳作  心経を唱えてえたり古扇子      
古い扇子には般若心経の文字が綴ってあるのか、日課にしている経を唱える事により、いつしか暗記してしまうほどになった。扇子であおぐ所作にもゆとりが感じ取れます(模楽宙)

  佳作  滴りの遅速は山の戯れごころ    ありま茜
大河も元はといえば山の遊び心のごとく、一滴のしずくから始まる。滴りを戯れごころと詠んだところが面白いと思いました(模楽宙)

  佳作  梅雨寒や五十年親し友の通夜    変竹
心を許した友を見送る悲傷の思いがジーンと伝わってくる。どんなに離れていても、言葉を交わさなくても心は自然と通じ合う「以心伝心」の境地になる。長い歳月をかけて培ってきた友情の然らしめるところだ(粒石)(感想)

  佳作  機を見たり縁台将棋の古団扇    模楽宙
戦前、町でよく見かけられた夏の夕べの風物詩だ。蚊遺りを焚きながら外野陣が勝手に口を入れて騒ぎ立てるのも又一興だった(粒石)(感想)

  佳作  かの人が扇子に遺せし香かな      粒石
香りつきの扇子が多いが、当方はその香りでかの人を思い出すと言う方に解釈した。その頃の自分に返るのが不思議である(雅田如)
 
  佳作  滴りの遅速は山の戯れごころ    ありま茜
句の着想が妙だ。下五だったんですね。面白い!(雅田如)

     次回兼題  草いきれ  山雀
  
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