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九月投句(平成二九年度)

  <俳句>
ワイングラスあげて乾杯秋はじめ        変竹
新涼や万年筆の香の走る 雅田如
人生100遊行を生きる 秋夕陽        変竹
わが歩む辻にも咲くや曼珠沙華        粒石
だったらどうまだ生きてるよ 秋風鈴     変竹
盃震う見合いの席の土瓶蒸し         雅田如
夢追ってまだ夢追って 十六夜        変竹
爽やかに遊行の日々を 仕舞旅        変竹
狭庭に来る鳥達の美声かな          粒石
風にきく ことりことりと小鳥来る      変竹
枝豆や火星の大地凸と凹           雅田如
枝わたる音符のやうな小鳥かな        摸楽宙        
小鳥来る刻に合せて茶請かな         変竹
爽やかや十字を切りて捕らわれし       雅田如
カテーテル赤く広ごる良夜かな        摸楽宙
小鳥きて老いに勇気を灯しけり        摸楽宙
看護師の脈を取る手のさはやかに       摸楽宙
山門に鳥達遊ぶ古刹かな           粒石
秋の空エーゲに久し猫の島          摸楽宙
点滴のスタンドまろぶ爽やかに        摸楽宙
はぐれたか細き声して小鳥来る        里楽乃
秋の雨腕に痛みを残しけり          里楽乃
葬の家人追うごとく小鳥来る         雅田如
どこからか高層階に虫の声          里楽乃
車窓ひらけ初コスモスや眼で連写       里楽乃
坪庭のつがひの鳥のむつまじく        粒石
流星は一瞬の油断見のがさず         里楽乃
高原の朝と紛いし風爽やか          里楽乃
爽涼や白雲湧きて又消へて          粒石
竜淵に潜み星からの迎え待つ         雅田如


*****白銀句会575分科会*********


浮浪雲ゆらりゆらゆら爽やかに           変竹林        
雲散霧消し さわやかに空あおあおと        変竹林
山おりてなに告げに来た 小鳥来る         変竹林
小鳥くる空あくまで青 浮浪雲           変竹林 
出そびれた 蝉この一年をどう暮らす        変竹林
後悔はしたくないよね 十三夜           変竹林
十五夜や飛んでよかったファンタジー        変竹林
語り継ぐ何があるのか曼珠沙華           変竹林
モンゴルの一人横綱神風に             徹
お風呂場で洗う順序は決めてある          徹
玄関で靴を履いたら思い出し            徹
政治家の矜持の二字を打付けたい          屯児
国産のフェイクニュースも慣れっこに        屯児
子育てを他人に委せて子育て論           屯児
良妻賢母にいちゃもん付ける有識者(?)      屯児
大入りの横綱大関休場場所             麻太郎
貧乏くじ引いた横綱悲哀場所            麻太郎
カド番の大関ここぞ杯狙う             麻太郎


   
  <短歌>

 遊行 吉野の山の花の地に
         われあこがれて旅おわりたし    変竹林       
夢のあと遣欧使節四少年 
         帰ってみれば切支丹禁止      変竹林
初秋や空どこまでもどこまでも
         夢という風船たかく掲ぐ      変竹林 
己をわすれ他をおもいつつ笑いあう游そのままに
                  星になっちゃった 変竹林

コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
天地人 (変竹)
2017-09-27 14:36:09
  天   わが歩む辻にも咲くや曼珠沙華
人生100年 とは言うものの おもい 惑いつ 行きつ戻りつ生きてる
「辻」とは 人生の交差点? 角から 左を見ると曼珠沙華 冥界か?

  地   流星は一瞬の油断見のがさず
願いを込めようと 流れ星の現れを 待っている 現れない 一向に
待ち疲れ 一瞬 気を抜いた時に 顕れて 消えた 流星はイジワル

  人   枝豆や火星の大地凸と凹
荒涼 クレータ その凸凹が 火星の象徴ではありますが そこに
枝豆を配する と ふんわりやわらか緑 お伽の国になっちゃった 

  佳作  秋の空エーゲに久し猫の島
エーゲ海の島には なぜか猫が多い ひとびとは 当たり前のように
猫に優しく みんなで育てている 青い海 青い空 秋の エーゲ海

  佳作  竜淵に潜み星からの迎え待つ
龍は「春分に天に昇り 秋分に淵に潜む」と言われ ここから
「龍淵に潜む」が秋の季語とか いやはや 星の迎えを待つか

  佳作  枝わたる音符のやうな小鳥か
電線に 小鳥の音符の メロディーは デンセンマン でしたね
森の木のこずえ 小鳥のメロディーは 童謡歌う メルヘンか
  
  佳作  小鳥きて老いに勇気を灯しけり
老いの身には 小さなもの 優しいものに 妙に愛着が生じ 気にかかる
なんだか妙だけど 小さなものを見てると 遊んでると なんだか元気が

  佳作  車窓ひらけ初コスモスや眼で連写
♪ 高原列車は行く 秋はじめ 清里あたりか 窓で区切られた 
秋の高原風景がつぎつぎに飛びさる まるでスマホ撮影の 連写

 

*****白銀句会575分科会*********

  <川柳>

 ☆ 玄関で靴を履いたら思い出し
あるある よくある しょっちゅう 
奴も いよいよ方々の お仲間に
 
 
 
天地人 (模楽宙)
2017-09-30 16:08:01
天 新涼や万年筆の香の走る
今は、ボールペン真っ盛り。昔は万年筆と云えば高級品 の想いがあった。独特な香りは季語のイメージに
重なる。

地 小鳥来る刻に合せて茶請かな
おやつの時間は、幾つになっても楽しみの一つ。小鳥は
その時間を知っている様だ。

人 風にきく ことりことりと小鳥来る
林の中の枝を、次々と移ってゆく小鳥たち 。
オノマトペ ?と小鳥を掛け合わせ、小鳥が自分の方へ向かって
来る様子を上手くとらえている。

佳作 葬の家人追うごとく小鳥来る
葬儀の参会者に合わせるように、小鳥も来る。故人に
特別な想いが有ったのか。小鳥は平和のシンボルと
言われる。心温まる句です。

佳作 車窓ひらけ初コスモスや眼で連写
車窓からの眺めが一変し、コスモスが一面に咲き誇る場面に
なる。高ぶる感情がダイレクトに伝わって来る。
眼で連写が良いです。





 
 
 
白銀句会575分科会 (補足(徹))
2017-10-02 13:26:20
< 川柳>
大入りの横綱大関休場場所
横綱大関陣の大量休場は99年ぶりとか、それでも相撲人気はウナギのぼり。来場所、横綱大関が全員揃ったらすごい事になりそうな。
大いに期待したいところです。
 
 
 
天地人 (粒石)
2017-10-02 16:42:22
天 竜淵に潜み星からの迎え待つ
齢を重ねて静かに人生最後の時を迎える心境を詠んだものならん。正に泰然自若、人は斯くありたいものだ。

地 はぐれたか細い声して小鳥来る
自立自存は野性動物の宿命だ。逞しく育った小鳥たちでも時には孤独の寂しさに打ちしがれる時もあろう。中七の細い声に悲傷の感が漂う。

人 新涼や万年筆の香の走る
万年筆を走らせる時、ペン先より漂う得も言われぬインクの香、今は知る人ぞ知るのみか。

佳作 ワイングラスあげて乾杯秋はじめ
十七文字の中に何となく心ときめく雰囲気が漂う。上五を焼酎か泡盛に代えたら、どんな秋はじめになるだろうか。

佳作  人生100遊行に生きる赤夕陽
己の人生でありながら思うようにいかないのが人の世の常。それ故に人々は寸暇を惜しんで己の思いの丈を吐き出して生きる悦びを求めるのだ。

佳作 夢追ってまた夢追って十六夜
夢は活力の源泉。夢があるからこそ人は辛いことにも、哀しいことにも、耐えられるのだ。老若男女を問わず夢を持たねばなるまい。 









 
 
 
天地人 (里楽乃)
2017-10-04 21:45:56
天 枝わたる音符のやうな小鳥かな
まるで歌を奏でながら枝々を渡って鳴いているような軽やかさがとても心地よい句です。

地 小鳥来る刻に合せて茶請かな
お茶の相手に鳥を待ってお茶菓子を分けあい一緒にお茶をしている。ほのぼのとした様子が句からにじみ出ています。

人 秋の空エーゲに久し猫の島
猫が永きにわたってのびのびと過ごしている島の日射しも感じられるような句です。

佳作 枝豆や火星の大地凸と凹
火星の凸凹は南半球に多いとか。枝豆のゆるやかな線が火星の凸凹とあいまって独特の感性を感じます。

佳作 竜淵に潜み星からの迎え待つ
竜淵は虹とも言われるそうで。虹に潜んで星からの迎えを待つなんてメルヘンの世界ですね。

佳作 風にきく ことりことりと小鳥来る
風に揺れる枝の音なのか小鳥の気配か韻を踏む所がさすがです。秋風の寂しさも含んでいます。
 
 
 
天地人 (雅田如)
2017-10-05 14:27:46
天 枝わたる音符のような小鳥かな
山から降りてきた小鳥たちがはしゃいでいるようなうきうきする感じがすばらしい。枝が五線譜に見えてくるのが面白い。

地 流星は一瞬の油断見のがさず
流星の側からの視点が斬新だ。人間の願い、祈りが、見透かされているようで面白い。

人 カテーテル赤く広ごる良夜かな
人間の命を繫ぐ血液がカテーテルを通して心臓に送り込まれる。明日の生命への賛歌だ。何気ない人間の営みとして良夜と言い切ることが凄い。

佳作 人生100遊行を生きる秋夕陽
人生100と秋夕陽の対比に込めた はかなさ、寂しさがわびさびの世界だ。秋の夕陽は釣瓶落とし、あっという間の人生ぞ。いざ、楽しまん!

佳作 小鳥来る刻に合わせて茶請かな
庭先に座す、好々爺が目に浮かんでくる。ほのぼのとした時の流れが良き人生を彷彿させる。

佳作 秋の空エーゲに久し猫の島
テレビで見たような風景だ。 エーゲ海のエメラルド緑青色、その海をのんびりと見る青い目をした猫たち、そして透き通るような空。いいなあ 行ったことがないけど・・・・。

佳作 秋の雨腕に痛みを残しけり
長い雨、秋霖、昨日も雨、今日もあめ、毎日傘をさして駅へお迎えに行くたび、もう腕が痛くなる。日常のありふれた情景だけど幸せな時間を感ずる。
 
 
 
白銀句会575分科会 選 (雅田如)
2017-10-05 14:44:04
川柳の部

山おりてなに告げに来た小鳥来る
今年の山に何が起こっているのか、自己保身の政権争いか、はたまた、食糧不足か、種族の争いか、地球という山にはいつも問題山積、しっかり民の声を聞かねばならない。

出そびれた蝉この1年をどう暮らす
やっと青い空を見れると思ったが、だめだだめだ 空気が汚染だらけだ、貴重な1週間の命を無駄にしたくない。もう1年「闇」の暮らしもいいもんだ。漆黒の闇は何も見えないからそれがよい。

 
 
 
十月の兼題 (模楽宙)
2017-10-11 11:16:54
遅くなりました。

十月の兼題は「冬隣」(冬近し、冬を待つ、等です)

よろしく。
 
 
 
十月兼題 (雅田如)
2017-10-12 22:56:12
寒暖の差が激しくて参っています。
体調を崩されませんようご注意ください。

10月兼題「落花生」南京豆もOK。

千葉県の特産品 八街の落花生は有名です。昔、土埃を上げて車を飛ばしていると、道路沿いに落花生を売るお店があったけど・・・・・・。今はどうなっているのか。なつかしいなあ~~~。
 
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