睡蓮の葉に散り落ちた桜の花びらが模様を作り、時折錦鯉が目先を変えてくれます。この池は、過ぎし日に、パリのオランジェリー美術館の円い部屋の壁面360度のモネの大作「睡蓮」を飽かず眺めたことを思い出すキーになってくれます。
池の底からの湧き水なので、透明度は抜群で、泳いでいる錦鯉が空中に浮かんでいるように見えました。かっては、紅いハートの形の模様をつけた錦鯉が一匹いてそれを見つけると良いことがあると評判になったりしました。
神社の裏山から湧き出た水を溜めた灌漑用の池が、いつしか“名もなき池;モネの池″と呼ばれ、観光客が訪れるようになりました。豪雨災害による泥水流入以前、確かに水は透明で、睡蓮の花が咲き、錦鯉がたくさん泳いでいました。
板取川に沿い西に向かっていた県道81号から洞戸地区で国道256号に入り、直角に曲がって北上します。洞戸から10Kmほどの所の根道神社の参道横に小さな池があります。地元の人の間では特に名前はなく、単に”池”と呼んでいました。