35歳からのアメリカ行政学・公共経営PhD挑戦

ノンキャリ国家公務員を辞め、アメリカ行政学・公共経営のPhDに挑戦するオッサンのブログ(毎週1回更新...たぶん)

Comp:PhD適正試験

2014-05-15 03:35:36 | PhD生活
 今週月曜にアメリカ政治史の筆記試験を終え、成績はまだ出ていませんが、ラトガース大学行政大学院博士課程が要求する授業単位を全て終えました(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ
 ただ、アメリカ博士課程単位満了は、規定単位数を満たしただけでは認定されません。Comprehensive Exam(通称Comp-コンプ-, Qualifying Exam, Preliminary Examなど学部・大学により呼び方は様々)と呼ばれるこれまでの授業を総括したような厳しい試験に合格しなければ、次のステップである博士論文に進めません。この試験の問題出題者は指導教授になるため、同試験を受ける前に博士論文の大まかなトピックを決め、試験問題の作成及び博士論文の指導を教授1人に承諾してもらう必要があります(過去記事参照)。
 試験の難易度は、それぞれの大学院及び指導教授ごとに大きく異なりますが、全米20位以内にランクされている社会科学系PhDでは、このPhD取得者としての総合基礎力を判定する試験を受けずに退学したり、あるいは、同試験を不合格となって退学する学生が3割以上いると言われています。試験は通常2回まで受験可能で、2回試験に失敗すると退学しなければならないという規定はどの研究大学でも同じです。ラトガース大学行政大学院では、試験は持ち帰り方式で、問題受け取り後48時間以内で回答を提出することとなっています。
 自分の場合は非常に幸運なことに、博士課程1年目必修科目担当のF教授が自分の期末ペーパーに興味を持ち、昨年既に自分の指導教授を引き受けてくれていました。また、F教授は以前ニューヨーク州立大学公共政策大学院院長として、全米約300の大学院で構成される行政・公共政策大学院協会(NASPAA)の会長まで務めた学会で誰もが知る重鎮です。
 そんな忙しくて偉い方に自分の総括試験の問題作成をお願いするということで、事前にアポイントを取り、先日非常に緊張しながら試験について相談しに行きました...

F教授「えっ、もう授業全部終わったの?早いねー グッドだねー すごくグッドだねー」
※「グッド」は同教授の口癖で、やや長嶋茂雄・巨人終身栄誉監督を思わせる...

自分「ありがとうございます、教授!恐縮です(・・。)ゞそれで今日は、Comprehensive Examの日程及び試験内容を調整させて頂きたく伺ったのですが...6月中旬のご予定はいかがでしょうか?」

F教授「6月中旬!? (手帳を確認)うん、グッドだね~ あと、試験の問題か~ 君すでに論文を学術誌に提出しているし、他の教授とも研究プロジェクト進めているよね~ 俺との含めて今いくつ研究プロジェクト持ってるの?」

自分「3つです。」

F教授「えー そんなに持っているんだ~ 忙しいよね~ 試験勉強しすぎると研究の時間なくなるよね~ よしっ、試験の問題はサプライズなしで行こう!」

自分「それは...どういう意味でしょうか?」

F教授「今から言う問題は、試験の参考問題として教えるが...もしかしたら本番の問題なのかもしれない(*^ー゜) さて参考問題を言うぞ!えへん(ドラマのようなワザとらしい咳払い)..."公共サービスのパフォーマンスとアカウンタビリティーのジレンマについて述べよ"みたいな感じ。」

自分「ええっ!?あっ、はい!ええっ(゜Д゜;)」

F教授「あと、試験の回答10ページぐらいでいいから!」
※先輩方の話では我が大学院の同試験回答ページ要求数の最少記録は20(最長50ページ!)...大幅に記録更新(ノ゜O゜)ノ

 PhD取得に向け、最初で最大の難関などと言われるCompですが...例外もあるということを知って頂けたら幸いです(^ ^; 勿論、教授は自分が日頃十分に努力していると判断し、現在進行中の研究プロジェクトの妨げにならないよう、例外的な措置を講じて頂いたものと理解しています。しっかり準備し、短いページの中でも博士課程単位満了を認定するのに十分な基礎力があることを証明したいと思います!


 




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