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小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

慎ましく凛として『蝉しぐれ』by藤沢周平

2017年06月27日 | 小説レビュー
〜清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。
普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。
淡い恋、友情、そして非運と忍苦。
苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす待望久しい長篇傑作!「BOOK」データベースより)


藤沢周平ファンならもちろん、時代小説好きなら必読!といわれている『蝉しぐれ』を読みました。

映画やドラマ化されている傑作であり、素晴らしい前評判でした。

しかし、率直に感想を言わせてもらうと「それほどでも・・・(^^;」という感じです。

興津との試合や、欅屋敷での死闘〜逃避に至るところでは、かなりの緊張感がありました。
また、少年の淡き心の内に秘めたときめき、若き侍達のそれぞれの立身出世物語など、胸を打つシーンもありました。

が、「それほどでも・・・」という感じです。

とは言っても、やはり藤沢周平氏の描く登場人物達は、一様に凛としていて気高く美しく、また慎ましく、それでいて矜持を持って清廉に生きています。

また、解説にも書いてある通り、自然、景色、空気感の描写力が抜群で、色や匂いが感じられます。

『海鳴り』も良かったですが、こちらも、とても読みやすく、爽やかに清々しいエンディングを迎えます。

トータル的にみて、読み手を選ばないバランスの良い作品だと思います。

★★★3つです。
コメント
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