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日本をはじめアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドそしてシンガポールからヨーロッパのポルトガルまで歩いた旅行記です。
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「歩き終わり、次はヨットへの挑戦の日記」
14、ヨットに乗る-650
その7
今はアテネで街の中だから特に感じるのだろうか、歩いていた時の自然の中はなぜか落ち着いたのであった。
そこには規則のようなものがあり、それは裏切らないし、それを守れば死ぬようなことがない。
もちろん厳しい自然もあった。
オーストラリアの砂漠で夕食を食べようとテントの中で食事を広げていた時であった。
黒い雲が見る見る近づいて来たのであった。「黒い雲が来たな」と思ったとたんにテントのポールは折れ、滅茶苦茶になってしまった。
広げた食事を守るために体は動けずに、そのまましばらくジーとしていたら寝入ってしまった。
そうしたら突然、胃痙攣であった。
それは腹に接触しているテントのシートが風で冷たくなったのと、昼食を食べずの空腹で胃に負担がかかったからであろう。
そのテントの中は滅茶苦茶だ。だから、砂が食べ物の中に入っていた。それでも、とにかく食べた。
また、そのオーストラリアの砂漠では暑さが46度~50度になり、カカドゥーという鳥も木から落ちてしまうと言われていた。
その暑さは実際に車のボンネットでは目玉焼きが出来るのだ。
パキスタンの砂漠ではすさまじい嵐に遭い、前に倒れるようにして歩かないと歩けなかった。
もちろん目を開けていられず、参った。
たまに風が弱くなると、前に倒れる様に力をかけていた力が余って駆け出してしまうのであった。
暑さの反対に寒さではアメリカの中央と東側のトルコは寒かった。
冬のアメリカでは中央の平原はあまりにも寒くマイナス15度~20度のときが会った。
また、パキスタンから入ったトルコの東側では海抜が1500m~2000mで冬は寒く、マイナス20度~35度であった。
それだけではなく、高度が高いので木が育たないのか砂漠化していて影がないのであった。
即ち、真っ白な世界の中を歩き目が痛かった。
さらに風が吹くと風が当たっている側はズボンがカチカチに凍るのであった。
雨の中はポンチョを持っていてもあまり使わなかった。
それは汗をかくようだと内側が濡れ、後で臭いが出るからである。雨水よりかしまつが悪い。
それで荷物だけを濡れないように防水していた。
それでも一日雨に当たっていると体は冷えるし、精神的にも惨めに感じて嫌であった。
それと、雨に濡れた服は次の日にまた着なくてはいけないが、テントの中では乾くことがないので、濡れた服を次の朝着るのが辛かった。
その様に厳しい自然でもやはりすばらしい自然美を見せてくれた。
それはニュージーランドで毎日雨が降っていて空に向かって「今日も雨かよ!」「早く雨が止めよ!」という独り言を言っていた時であった。
1週間、毎日雨が降り、その雨が終わった次の日に遠くに見えるオセアニア最高峰マウントクックが見えた時にその不平不満が消えたのであった。
それはあまりにその山の美しさに一週間の重い気持ちがすっ飛んでしまったのであった。
また、夏のスペインも暑い。
毎日、10時間~12時間歩いていると夕方寝る所を探すのが一つの大きな仕事であった。
スペインはあまり毒蛇も毒の虫もいないと思っていたので、シートだけを引いて寝ていた日が多かった。
それでも、寝る時にシートに穴が開くといけないので、小さなサボテンを避けて場所を探している時であった。
この時も独り言で「ここも良い所ではない。」「ここも駄目か!」と言いながら探していた。
それで長い時間探した後、いい場所を探し当てた。そして、シートを敷いて腰をかけた目の前にすばらしい夕日が沈んで行くのであった。
独り言の相手がこの景色を見せようと「ここまで来い。」と言っていた様に思うのであった。
その夕日が綺麗で、またそのここまで来いと言った気持ちが「お前は分かったのか!」と思ったら、涙が止まらず30分は涙が出ていたのであった。
この様なことから自然の中では落ち着くのであろう。
これで日本に帰ったのであった。
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