「ハックルベリー・フィンの冒険」に続き、トウェイン-村岡花子をもう1冊ということで、本書を秋葉原のブックオフで見かけて購入108円。
小学生の時家にえらい古い子供向けの本があって読んだような記憶もあるのですが定かではありません。
(完訳でなかったかもしれない)
基本ストーリーはほぼ誰でも知っている作品かと思いますが、入れ替わりものの古典ですね、1881年発刊。
「ダブル・スター」の元ネタともされる同じく入れ替わりものの古典「ゼンダ城の虜」が1894年ですから相当古い。
内容(表紙記載)
うりふたつの顔だちをした王子と乞食トムが、ふとしたことで入れ替わり、ボロ服で街へ放り出された王子は苛酷な国法に悩む庶民生活の貧しさを身をもって体験する。 エリザベス一世時代のイギリスを舞台に、人間は外見さえ同じなら中身が変わっても立派に通用するという痛烈な風刺とユーモアに満ちたマーク・トウェーン(1835-1910)の傑作。
子供向けに書かれた小説ということであり、訳者の村岡花子も意識して「児童小説」として訳文を作っていますが、中盤から後半にかけて入れ替わった王子が見ることになる状況はかなりシビアで「子供に読ませていいのかなぁ」と思うようなところもありました。
牢屋で親切にしてくれた女性は翌日火あぶりになってるし…。
トムの父親はまったく救いがなくひどい。
根底には「ハックルベリー・フィン」の冒険でもあった、「社会の規範=常識」といったものがいかに「いい加減」かという発想が流れているような気がします。
王子と乞食は服を着ただけで入れ替わってしますし、「乞食」でも「王子(途中から王様)」は務まるが、「王子」には「乞食」は務まらない。
ラストはいかにも児童小説的にめでたしめでたしになっていますが、途中の世の中に対する見方はなかなかダークな部分があります。
本作、ダークな面を強調した訳があれば読んでみたいとは思いました。
あと「入れ替わり」というかなり突飛な状況をなんとか合理的に仕立てようというトウェインの作家的良心と力量も感心しました。
(所々「なぜこうなって、誰も不思議に思わないか」の説明的描写を入れている。)
ちょっとパンチの効いた「児童小説」として、トウェインが好きな人にはお薦めではあります。
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小学生の時家にえらい古い子供向けの本があって読んだような記憶もあるのですが定かではありません。
(完訳でなかったかもしれない)
基本ストーリーはほぼ誰でも知っている作品かと思いますが、入れ替わりものの古典ですね、1881年発刊。
「ダブル・スター」の元ネタともされる同じく入れ替わりものの古典「ゼンダ城の虜」が1894年ですから相当古い。
内容(表紙記載)
うりふたつの顔だちをした王子と乞食トムが、ふとしたことで入れ替わり、ボロ服で街へ放り出された王子は苛酷な国法に悩む庶民生活の貧しさを身をもって体験する。 エリザベス一世時代のイギリスを舞台に、人間は外見さえ同じなら中身が変わっても立派に通用するという痛烈な風刺とユーモアに満ちたマーク・トウェーン(1835-1910)の傑作。
子供向けに書かれた小説ということであり、訳者の村岡花子も意識して「児童小説」として訳文を作っていますが、中盤から後半にかけて入れ替わった王子が見ることになる状況はかなりシビアで「子供に読ませていいのかなぁ」と思うようなところもありました。
牢屋で親切にしてくれた女性は翌日火あぶりになってるし…。
トムの父親はまったく救いがなくひどい。
根底には「ハックルベリー・フィン」の冒険でもあった、「社会の規範=常識」といったものがいかに「いい加減」かという発想が流れているような気がします。
王子と乞食は服を着ただけで入れ替わってしますし、「乞食」でも「王子(途中から王様)」は務まるが、「王子」には「乞食」は務まらない。
ラストはいかにも児童小説的にめでたしめでたしになっていますが、途中の世の中に対する見方はなかなかダークな部分があります。
本作、ダークな面を強調した訳があれば読んでみたいとは思いました。
あと「入れ替わり」というかなり突飛な状況をなんとか合理的に仕立てようというトウェインの作家的良心と力量も感心しました。
(所々「なぜこうなって、誰も不思議に思わないか」の説明的描写を入れている。)
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