しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ダブル・スター ロバート・A・ハインライン著 森下弓子訳 創元推理文庫

2014-02-04 | 海外SF
14年に入ってから3冊昔読んだ本を読んだので4冊目は初読の作品にしました。
といっても古い作品ですが…..。
本書1956年発刊、巨匠ハインラインに初のヒューゴー賞をもたらした作品です。
‘12年ローカス社オールタイムベスト68位

昨年最後に読んだハインラインの「異星の客」が、私的にどうにも…だったので、「夏への扉」の前年に発刊されている本作なら「楽しめるかなぁ」という気持ちもあ手に取りました。

昨年末実家近くのの平塚駅前のブックオフで購入400円。

内容(裏表紙記載)
そもそも一杯の酒につられて素性の知れない男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。 やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命まで担うはめになろうとは。
プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍! 巨匠に初のヒューゴー賞をもたらした歴史に残る傑作。

とりあえずの感想「単純な内容かつ説教臭い…」
ストーリーは内容紹介のとおりで極めて単純です。
これといったSF的アイディアもない…。
地球人、それも白人主導の太陽系「帝」国というのがある意味「斬新」(笑)
アメリカ人はその中で独自の尊敬される地位を築いているそうです…いやはやなんとも。

失業俳優ロレンゾの成長(?)ぶりと単純かつ王道的ストーリーなので深く考えずに読めばそこそこ楽しめるお話だと思います。
ストーリーはwikipediaでも解説でも「ゼンダ城の虜」のSF版というのが定説のようです。
貴種入れ替わり譚ですね、例:「桃太郎侍」など。
(ちなみにwikipediaのハインラインンの項の記載はとても悪意的な気がします…)

ロレンゾが替え玉になりきるディテールは丁寧に書かれていますが、ストーリーそのものにはもう少しひねりがあってもかなぁ…とも感じました。
そんなに複雑なものを書こうともしいていないのでしょうが、「政治」についてはかなり説教臭いくだりもあるので、その辺気になる人には気になるでしょうね….。
(「ハインライン節」異星の客で散々読んでいたので鼻についてしまった….)

また閣僚名簿に平気で口を出す立憲君主が「すばらしい」とか、三文役者より美女を手中におさめた大物政治家の方が「幸せ」ということを疑問なく受け入れる子供っぽさ、もしくは流せる大人な感性が必要になるかとも思います。

私は中途半端にこだわる性質なのでどうも気になってしまいました。

月は無慈悲な夜の女王」の結末では主人公は権力の座につかなかったし、確か「桃太郎侍」も役割が終わったら去って行った。
結末をどう受け取るかで印象が変わってきそうな気もします。

発狂した宇宙」では編集者より出版社社長の方が幸せというラストでしたが、こっちは展開もパロディだし、ドペルより正常進化で許せる気がするし(笑)受け取り方が変わってきます。

そんなこんな残念ながら「名作」とは思いませんでしたが、暇つぶし位なつもりで読むならそれなりに楽しめる作品だとは思います。

随分けなしましたがあくまで私的感想です。
どうも私はハインラインと合わないようです….。

政治は男のロマンだ!という方も、気楽な役者稼業好きな方も。
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