しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ヒゲのウヰスキー誕生す 川又一英著 新潮文庫

2015-04-11 | ノンフィクション
「マッサン」終わってしまいましたが…。
(本書を読んだのは放映中の2月中旬)
朝の連ドラ好きなので「マッサン」も見ていたので買ってしまいました。
「マッサン」のモデル、ニッカの創業者・竹鶴政孝の伝記です。

ブックオフで買いましたが「マッサン」に合わせて再刊されたようです。(2014年7月発行)

内容紹介(裏表紙記載)
いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造る――。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。異国の地で、ウイスキー造りを学ぶ彼は、やがて生涯の伴侶となる女性リタと出会う。周囲の反対を押し切って結婚した二人。竹鶴は度重なる苦難にも負けず夢を追い、リタは夫を支え続けた。“日本のウイスキーの父”の情熱と夫婦の絆を描く。増補新装版。


前に読んだサントリー創業者の鳥居信次郎氏をモデルにした「美酒一代」を「文学的でない」的にけなしましたが、本作の方がさらに文学的でなく「ライターが書きました」的な内容です。

本書の著者もいろいろ人物伝書いている方のようですが、やはり杉森久英氏の方が作家として上な気がします。

杉森久英氏が書いた「竹鶴政孝」も読んでみたかったです。
波瀾万丈度では竹鶴氏の鳥井氏より上だった気がします。
(「美酒一代」では役割が矮小化され紹介されていますが….。)

いろいろ見方はあるんでしょうが造り酒屋を継ぐことを期待されながらも、摂津酒造に入社し英国に単身ウィスキー造りのために渡ってしまう。
(この辺は杉森氏の他作である「天皇の料理番」に通じるところかありますね)

「社長の婿に」という期待も裏切りスコットランド人の奥さんを連れて帰ってきて、摂津酒造でウィスキーを造らないとみるや鳥居商店に転職、気に入らないと自分で会社起こしてウィスキーを造ってしまう。

相当なバイタリティ...というか結構ひどい人のような気もします。
でも事業を起こそうとすれば出資者がつくわけですから魅力のある人ではあったんでしょうねぇ。

内容的にはスコットランドで竹鶴が学ぶ辺りのところが一番面白かったです。
スコッチウィスキーの歴史は意外と浅いんですね。
特にグレンウィスキーとのブレンドは20世紀に近くなってからのようで、竹鶴氏が学びに行ったときにはある意味最新知識だったのでしょう。

戦後もかなりウィスキーの質にこだわる竹鶴氏ですが、と氏とリタの食通ぶりも「美味しんぼ」的でなかなか興味深かったです。
そういえば昔「美味しんぼ」で竹鶴氏が紹介され山岡士郎がニッカウィスキー飲んでいましたね。

今「マッサン」効果でニッカウィスキー売れているようですがウィスキーが飲みたくなる1冊ではありました。
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