しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

きまぐれロボット 星新一著 角川文庫

2013-09-03 | 日本SF

「ボッコちゃん」に引き続き星新一です。

夏休みに上の子(小五)に読ませようと、ブックオフで105円で売られていたものを購入。

私が小三か四のころ(1979、80年頃、もう30年以上前だ)初めて読んだ文庫本。
とても思い出深い本です。
大学のときの友達と話していたら、やはり子供に読ませようとしたらしい。
そんな親多いんでしょうねぇ、そんなこんなで文庫本デビューがこの本という子供も多いんだろうなぁ。

でっ、子どもに渡したら教室の本棚にもこの本の大きい版(角川つばさ文庫)があるようで半分くらいは読んだとのこと。
(ちなみにこの本は絶対和田誠氏のこの表紙で文庫で読む本と思っています)

感想は...「まぁ普通」とのこと。
がっくりきましたが、ある意味スゴイ感想かもしれない、「普通...」

「読んでみるよ」といいながらも上の子がなかなか読まないので改めて自分で読んでみました。

この本の奥付

昭和47年初版、平成11年でなんと101版すごい....。

内容(裏表紙記載)
お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。オールマイティのロボットだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが・・・・・・。ショート・ショートでは第一級の作者が綴る、大人と子供のための童話。表題作他35篇を収録。和田誠のイラスト20点も併載。

上の文章ショート・ショート「では」というのが非常に気になる紹介です....。
ショート・ショート以外は2級以下ということでしょうか?角川書店さんいいいんでしょうか?

改めて読んで初めて(だと思う)気づきましたが、「ボッコちゃん」にも収録されている作品が結構ありました。
「悪魔」「おみやげ」「盗んだ書類」「へんな薬」「キツツキ計画」。

それぞれ「ボッコちゃん」で読んだときにはきびしく見ましたが、和田誠氏の挿絵つき、ひらがなの多い文章でこども向けと思って読んでいると...素直に「それなりにおもしろいなぁ」と感じられました。
不思議なものですねぇ。

その他の収録作品も気を張らないで「子ども向け」と思って読むとまぁ面白く読めました。

「普通に面白い」....さすが「星新一」
ショート・ショート(では?、失礼だ...)第一人者ですね

各編紹介ですが...疲れた。
この後何冊か読んでいるのですが感想書くのがたまっています。
(次回は星氏のショート・ショート読んだらやらないかも)

読むのも疲れるでしょうから総論的感想から。

やはりできにはムラがある気がします。
自分の感じ方次第なのかもしれませんが。

あと割と同パターンの作品が多い。

ちょっと書くだけでも
 ・泥棒が博士(等)の新発明を盗んでもうまくいかない。
 ・宇宙人が人間以外を相手して起こる悲喜劇
などなど

それをマンネリとみるかどうか...・

「これはこのパターンだろうな」と思っていても、「面白い」ものと「ありがち」と感じる作品がある。
でもまぁ考えないで読めばある程度以上のレベルには収めている。
スゴイ...のだろうか。

星新一 評価に困る作家ですね。

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「新発明のマクラ」
寝ているときに勉強できるマクラは...。
なるほどねぇという感じ

「試作品」
強盗が入って監禁されてもへこたれない博士の試作品とは。
これまたなるほどですが安直かなぁ。

「薬のききめ」
記憶をよみがえらせる薬でよみがえった記憶は...。
まぁ人間ってこういうもんかなぁというのをライトに書いています。

「悪魔」
湖の上での悪魔とのお話
ボッコちゃんにも掲載、感想割愛。

「災難」
敏感なネズミがある日感じとった災難は。
まぁ軽妙ででいいのでは

「九官鳥作戦」
飼いならした九官鳥を使ってダイヤモンドを...。
安直かなぁ同じような話はあったような(キツツキ?)

「きまぐれロボット」
優秀なロボットはきまぐれ...。
軽い気持ちで読むと面白い作品です。

「博士とロボット」
博士はロボットといっしょにある星の住民にいろいろ教育しますが...。
結末は読めた、今一かなぁ。

「便利な草花」
虫を取る便利な草花ですが...。
これまたなるほどという感じ、いいのでは。

「夜の事件」
若い女のロボットが夜に宇宙人と遭遇して....。
これと同様のネタ、後でも出てきます。
単体ではまぁまぁですが。

「地球のみなさん」
宇宙から来たと演説する青年を...。
「普通」でしょうか。

「ラッパの音」
猛獣もよせつけないラッパの音はいろいろと使えて...。
「にやり」させる皮肉な仕上がり。

「おみやげ」
太古に地球に残した宇宙人のお土産のお話
ボッコちゃん掲載。

「夢のお告げ」
武将が隠した箱の場所を夢で見ますが...。
まぁ結末は読めますが、軽い感じがいい。

「失敗」
音を遮る装置を発明、使用してみますが...。
「なるほど」と感じました。

「目薬」
悪いことを考えている人を見分ける目薬を発明...。
これまた「なるほど」

「リオン」
リスちライオンのミックス動物を見て刺激された植物学者は...。
軽くまとめていてしゃれた仕上がり。

「ボウシ」
奇術師のボウシを見た宇宙人は...。
老奇術師というのが味わい深い、オチは読めますがいい感じの作品に仕上がっています。

「金色の海草」
金色の海藻が発明され、高値で権利を売ったのちの研究は...。
まぁ「普通」

「盗んだ書類」
エフ博士が発明した薬の書類を盗み出した泥棒は
ボッコちゃん収載

「薬と夢」
動物の夢を見る薬が開発され...。
軽~い気持ちで読むとそこそそこ。

「なぞのロボット」
エヌ博士のそばにいつもいるロボットの役割は...。
なんだかおかしい、いい作品だと思います。

「へんな薬」

カゼになる薬のお話。
ボッコちゃん収載、ボッコちゃんで読んだ時にはどうかなぁとも思いましたが、今回読むとまぁいいような気がする。

「サーカスの秘密」
とても珍しい芸をする動物たちのいるサーカスの秘密を聞いた男は...。
このパターンも多いような...。

「鳥の歌」
珍しい鳴き方をするカナリヤを手に入れたが。
これもありがちですが、なんだか微妙なおかしみがある。

「火の用心」
火事を見つけると「火の用心」と鳴くロボット鳥は..。
「どうなるのかな?」と思わせて、そこそこなオチ。
全体的には??。

「スピード時代」
とても早く育つ植物の種は...。
これもパターンはありがちですが、なんだか面白みがあった。

「キツツキ計画」
犯罪目的で鍛えたキツツキが最初に...。
ボッコちゃん収載、あるがちなパターン。

「ユキコちゃんのしかえし」
博士の新発明の薬をこっそり飲んで仕返ししようとしたが...。
こども向けらしいふんわか感がなかなか。

「ふしぎな放送」
地球から遠い宇宙の基地たちへ送られてきた重要放送はまったく理解できない内容。
大した話ではいないんですが、ツボにははまりました。

「ネコ」
ネコと住んでいるエス氏のところへ宇宙人が...。
前述、夜の事件と同パターン

「花とひみつ」
花の好きなハナコちゃんのもぐらのアイディアは...。
和田誠氏の絵本のために書いたお話ですね。
まぁ普通というところ。

「とりひき」
悪魔が取り引きした相手は欲がなく...。
これも「夜の事件」と同パターン

「へんな怪獣」
宇宙から来た怪獣に地球人はいろいろと...。
これもありがちではある。

「鏡の中の犬」
鏡の中から出てきた犬はりこうで亡くしもの探しが得意だか...。
不思議な感じで名品だと感じました。

「あーん。あーん」
泣き止まない赤ちゃんにおもちゃを与えると泣き止んだが、その後...
ありがちではあります。
「お~いでてこい」的か。


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