しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

映画:時をかける少女 3種

2014-04-23 | 映画
原作の「時をかける少女」の感想を書いた際「映画は見ていない」と書きました。
と、書いたら改めて気になり例によってななめ見ではありますが見てみました。

見始めると凝り性なためついつい3種類みてしまいました…。

原作のところでも書きましたが「時をかける少女」は、4回劇場版映画化されています。

1回目:1983年 監督:大林宣彦 主演:原田知世


2回目:1997年 監督:角川春樹 主演:中本奈々


3回目:2006年 監督:細田守 アニメ


4回目:2010年 監督:谷口正晃 主演:仲里衣紗


上記のうち1997年の角川春樹監督版は「幻」化しているようで、TSUTAYAではレンタルできませんでした。
Amazonでも価格は高止まりしているようです...。
ituneで2,500円で入手できるのを発見したのですがそこまでお金をかける気にもならず…。

ということで今回は角川春樹監督版を除いた3作を見ました。
それぞれ感想など。
(見た順は細田版→大林版→谷口版なのですが感想は年代順に書きます。)

○大林宣彦-原田知世版
 公開は私が中学2年生のとき。
 曲も映画もヒットしていたのでもちろん存在は知ってはいて「原田知世かわいいなぁ」と考えていた普通の中学生でした。
 ただ当時の私は「角川映画を見に行こう」という気にならない生意気な中学生でもありました…。
 余談ですが「1983年の映画」調べてみたら「E.T.」「スターウォーズ ジェダイの復讐」も公開していたんですねぇこの2作は観に行きました。
 あと原田知世が特別賞を受賞したオーディションで優勝した渡辺典子出演の「伊賀忍法帳」もこの年ですが興行成績は「時をかける少女」の方が上のようです。(薬師丸ひろ子主演の「探偵物語」と併映ではありますが)
 余談ついでにこのオーディションで2位だった津田ゆかりが本作では委員長役をやっています。
 ほんの少ししか出ないのですが、すごく存在感を感じたのですが....。
その後活躍しないで消えてしまったようですね。
 
 さて映画の内容ですが設定は少し変わっていますが基本的に原作に忠実です。
 とりあえずの感想としては「良くも悪くも原田知世のための映画」
 さすがに40男かつ現代に生きる私から見るとそんなに「美女」とは思わないのですが、独特の雰因気があります。
 「弓道着」を着せるというのは「原田知世」のキャラを活かす設定ですねぇ。
 (良く似合っている気がする。

 「芳山和子」の性格も原田知世のキャラに合わせておとなしめかつ受け身のキャラになっています「私、待っている」という立場ですね。
 ただ原田知世の演技は物凄~く下手ですし、SFXもどうにも....ですがまぁご愛嬌でしょうかねぇ。
 
 記憶を操作した深町一夫に幼馴染を取られてしまう堀川五郎くん(尾身としのり)がとてもかわいそうになってしまう展開ですが...。
 最初の方で和子が五郎くんを訪ねてきたときにちゃんとと話を聞いていれば違った展開になったかもしれないのにねぇ。
 タイム・リープの話なのに五郎君は時をさかのぼれない....切ない。
 大林宣彦的切なさを味わえます。
 すでに「クラシック」化している名画ですし細かいことをとやかくいう作品ではないのでしょうが出来は大林監督のいわゆる尾道3部作(他「転校生」「さびしんぼう」)の中では一番落ちる気がします。(他二作は最近見直してないのであくまで多分です)

○細田守版
 上映している時には「アニメ化されてるなー」とうっすらと認識していましたが、細田守監督作品とは知らなかったくらいに興味がありませんでした。
 
主人公は「芳山和子」の姪という設定です。

 主人公の元気で活発な女の子という性格設定は大林版よりも原作に近いと思います。
 タイトルコピーの「待ってられない、未来がある。」は大林版への挑戦でしょうか?

 イケメン二人といつも一緒にいて「友達だよね」「三人で遊び行こうね」というちょっと「いやな女」というのも原作の雰因気を受け継いでいる気がしました。(笑)
 そのちょっと「いやな」主人公が、イケメン二人をそれぞれ好きな女性とくっつくように努力したりして、もしかしたら「いいヤツなの?」と思わせていく展開に、SFマインドあふれる小ネタをテンポよく交えたストーリーは原作を超えていると感じました。
ラストがちょっと軽い感じもしましたが非常に楽しめました。
 
 細田守作品は「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」を見ましたが、本作もみての私的評価は、
「時をかける少女」>「サマーウォーズ」>「おおかみこどもの雨と雪」
ですねぇ。
興業成績は逆なんでしょうけれども、順を追うごとに一般受けを狙うようになってレベルが落ちているような…。

とにかく本作かなり楽しめました。

○谷口正晃-仲里衣紗版
アニメ版でヒロインの声をあてていた仲里衣紗が主演。
ヒロインは芳山和子の娘という設定。
ストーリー的には前提を除きほぼ原作の設定関係なしです。
最初の方でヒロインが弓道着姿をちらっと披露するのが大林版へのオマージュですね。
最初の方では主演の仲里衣紗の滑舌の悪さとギャルぶりが気になったのと、母親 芳山和子役の安田成美が美人すぎるのに違和感を感じましたが...。
(安田成美物凄く美人ですねぇ・・・・・)

タイムスリップしてからは‘70年代の大学生「涼太」役の中尾明慶があまりにもはまり役でまったく気にならなくなりました、「涼太」くん絶品でした。

映像も背景などに気を使い昭和40年代の雰因気をうまく醸し出していました。
ただ最後の夜行バスの場面だけいかにも2010年なバスターミナルだったのだけが惜しまれますが....。
ストーリーはとてもベタな展開なのですがが、私はこういうベタな話が好きだったりします....。
バスターミナルの場面と「光の惑星」を上映するラスト辺りでは不覚にも目頭が熱くなりました。

「中尾明慶」全然知らなかったので調べてみたのですが、中尾彬の子どもというわけではないらしい(笑)
2013年にこの映画のヒロイン仲里衣紗と結婚しているんですねぇ。
なんとなく相性良さそうな雰囲気は演技ではなかったんでしょうか...?(笑)
楽しめました。


原作がシンプルでいろいろいじりやすかったのか、3作3様で作られていて楽しめました。
3作見てみて「出来」は細田版が一番上と感じましたが、私が一番好きなのは谷口-仲版ですね。
ツボにはまってしまった。

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