しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち 三上 延著 メディアワークス文庫

2012-09-25 | 日本ミステリ
職場近くの本屋にちらりと寄ったら、このシリースが平積みにされており(現在3まで出ているようです)とりあえず1からということで本書を購入。

著者も作品もそれまで全く知りませんでしたが、表紙からして古本、読書家のお姉さんミステリーと割と本好きな人にはたまらない「記号」がならんでいてついつい買ってしまいます。
あざといといえばあざといなぁ....。

割と保守的な方なので馴染まない本はどうも読む気にならず、買ってから2ケ月くらい経ってやっと読み出しました。
(ブログを書き出したのも影響してます)

読み出したらとても読みやすく、通勤行き帰り2回(3時間弱かなぁ)で読み終わりました。

なんだか「ライトノベル風だなぁ」と思って読んでいたのですが、このメディアワークス文庫はライトノベルの文庫なんですね。
最近の出版事情に疎いので知りませんでした。

ライトノベルにしてはよくできていると思いますが、「小説」「ミステリー」として素直に評価すると安直感は否めないように感じました。
そういう風に書いているのかもしれませんが...。


冒頭でも書きましたが、「古本屋」「本好きなおとなしい女性」「名探偵とワトソン役」「ほのかな恋愛」「事件」とちょっとしたミステリ・小説好きを喜ばせる要素をこれでもかと並べています。
それらの要素を安心感のある、裏を返せば意外感のない手法で処理して「おもしろいでしょ、ねぇ」という感じで提示されているような気がしました。

日常の謎に古書をからめる辺りは北村薫氏の「円紫師匠と私」シリーズ辺りを下敷きにしていそうですが、本家の方が練られており人物描写もはるかに上です。

ミステリとしても伏線の張り方が単純なのでミステリをある程度読みなれている人であれば途中で落ちは大体想像できるとは思います。

と、難点ばかり書いてしまいましたがそんなに「ものすごい作品」ということを期待しなければ楽しめる作品です。
予定調和的展開なので安心して読めますし、やっぱり私のような平凡な本好きは定番的要素に弱いです....。
だから売れているんでしょうねぇ(初版2011年3月で2012年6月ですでに23版)

本書に出てくる絶版本(少し高いことになっている)の中に「講談社学芸文庫 百魔 杉山 茂丸著」などが出てきたり(持っているのでちょっとうれしい、88年に出ていてたようですね、高校か大学の頃買ったんだろうなぁ)その他サンリオSF文庫などという私くらいには(42歳)懐かしいものが出てきてその辺も楽しめました。

安直といえば安直ですが気楽に読むにはいいですね、そのうち2、3も購入して読んでみたいです。
この作品残念ながら時代の荒波は乗り越えられないような気がするので10年後には絶版で入手できなくなりそうな気がする...。
そういう本ほど手に入れておきたい性分なので。

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