宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

昨日飲んだ酒

2010年11月10日 10時43分13秒 | 酒のこと

けふのBGM。
昨日久しぶりに観て、感動したので。
本当にいい映画だ。


となりのトトロ  オルゴールver.







昨日は定休日。

思いっきりゴロゴロした。

ついでに昼間から酒を飲んだ。



物は、14年経過したやや甘口のリースリングQBA。

コルクが微妙に盛り上がっている。
これはヤバイ症状ではある。

まあ、試しに開けてみよう。


その危惧は当たっていた。


コルクが朽ちて、途中で千切れる。


この段階でほぼ諦めたのだが、「いやいや飲んでみにゃあわからん」と、グラスへ。


枯れた黄金色。
微妙に澱が混じって、そこにコルクの欠片も漂う。


ヤワな飲み手ならここで断念するところだろうが、そこはそれ、筋金入りの酒飲みを自認する私のバヤイ、臆せずヤルのである。



なんと!
いけるではないか。

そりゃあ元がQBAクラスなんだから、複雑な奥行きなんぞは期待しちゃあならんが、深みは出ているのである。

フレッシュなフルーティーさと引き換えに奥深い香りと甘さを囲む滋味が広がる。


こういうのに出会うのが、酒飲みのもう一つの愉しみでもある。



「今日はついとる・・・」








夜になって、ある店に出掛けた。


そこは金沢で料理人として修行を積んできた人がオーナーシェフの店。



おまかせコースを注文。

どの料理も洒落てて、繊細だ。


今シーズン初めてのずわいがに、石川県から取り寄せたものなら、さしずめ越前蟹か。
渡り蟹、サザエのお造り、にしがい(だと思う)を煮付けたもの・・・


久しぶりに美味い魚貝をいただいた。



それよりも、今日書きたいのは、酒のこと。



熱燗のところに括弧書きで八海山とある。

でもって、一合が400円だ。
こりゃあ安い。

例に寄ってチェイサー代わりの生ビールと交互にいただく。


う~ん、美味い!

恐らくは本醸造だろうが、スッキリとした飲み口の後にじんわりともろみの香りが広がる。

私が一等好きな燗酒、大七純米生もととはまた別の趣がある。



簡単に言えば、大七がウェットなら八海山はドライ。

共通点は、食中酒として、食を引き立てつつしっかり美味いマリアージュの日本酒ということだ。


「うん、今日はついとる!」



次に、石鎚の純米吟醸。
これがグラスで450円て・・・
安いがな。




なんだか、そんなところに「うちは料理の店、酒で儲けようとは思ってない」といった店主の気概が垣間見えるようで嬉しい。




石鎚は最近メキメキと頭角を現しているお蔵元。


香り過ぎず、やはりもろみの香りが口中の鼻の奥に漂う美酒だった。





締めにもう一度八海山の燗を。



良い酒との出会いを愛でる満足の一日はこうして過ぎていった・・・






コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 99年の愛 | トップ | 秘録 第二次世界大戦 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

酒のこと」カテゴリの最新記事