わたしの大好きな古典文学のひとつに『伊勢物語』があります。
好きな和歌や説話がいくつもありますが、なかでも一番好きなのが
「芥川」の段です。
昔むかし・・・
ある男が、さる高貴な姫君に恋をします。想いを抑えきれずに
姫君を連れ出し、夜道を逃げます。芥川という川を渡った時に、
背負われた姫君は男に問います。
「あれはなぁに?」草の上に輝く夜露でした。
屋敷の中で大切に育てられた姫君だった為、恐らく初めて見た
光景だったのでしょう。
その後、心配して追って来た兄達によって姫君は連れ戻されてしまいます。
実らぬ恋を悲しんだ男が詠んだ歌が
「しらたまか なにぞとひとの問ひしとき 露と答へて消なましものを」
(「あれはなぁに?真珠?」とあなたが聞いた時「露です」と答えて
わたしも一緒に露となり、はかなく消えてしまえば良かった)
夜露を知らずに「あれはなぁに?」と訊ねた姫君の無垢な愛らしさは、そのまま
“しらたま”=真珠のようです。
真珠は古代から“月のしずく”“人魚の涙”と呼ばれ、世界各地で珍重されてきました。
わたしは“しらたま”との呼び名が、純粋な愛らしい姫君のようで真珠には一番ふさわしい
呼び名のように思います。
古典文学を詠んでいると、いろいろな古い言葉に出会います。まさに“和のこころ”です。
現代小説も古典文学も、どちらも楽しめるのは現代に生きるわたしたちの特権とも言える
のではないでしょうか。
古典文学の中で、色々な“和のこころ”探してみませんか?
☆R・Y☆
好きな和歌や説話がいくつもありますが、なかでも一番好きなのが
「芥川」の段です。
昔むかし・・・
ある男が、さる高貴な姫君に恋をします。想いを抑えきれずに
姫君を連れ出し、夜道を逃げます。芥川という川を渡った時に、
背負われた姫君は男に問います。
「あれはなぁに?」草の上に輝く夜露でした。
屋敷の中で大切に育てられた姫君だった為、恐らく初めて見た
光景だったのでしょう。
その後、心配して追って来た兄達によって姫君は連れ戻されてしまいます。
実らぬ恋を悲しんだ男が詠んだ歌が
「しらたまか なにぞとひとの問ひしとき 露と答へて消なましものを」
(「あれはなぁに?真珠?」とあなたが聞いた時「露です」と答えて
わたしも一緒に露となり、はかなく消えてしまえば良かった)
夜露を知らずに「あれはなぁに?」と訊ねた姫君の無垢な愛らしさは、そのまま
“しらたま”=真珠のようです。
真珠は古代から“月のしずく”“人魚の涙”と呼ばれ、世界各地で珍重されてきました。
わたしは“しらたま”との呼び名が、純粋な愛らしい姫君のようで真珠には一番ふさわしい
呼び名のように思います。
古典文学を詠んでいると、いろいろな古い言葉に出会います。まさに“和のこころ”です。
現代小説も古典文学も、どちらも楽しめるのは現代に生きるわたしたちの特権とも言える
のではないでしょうか。
古典文学の中で、色々な“和のこころ”探してみませんか?
☆R・Y☆