白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

色なき風

2017-08-17 | 画廊の様子
影絵のようにまわる、まわる盆踊りの輪が小さくなって消え、空から帰ってきた
大切な懐かしい人たちを再び見送りました。
お盆の三日間、思い出の中で一緒に過ごし空と地の二つの世界が重なりました。
愛する人たちが今ここに居ない淋しさが、心にこみ上げてきます。

そぞろ歩いていると野の花たち、桔梗や萩、女郎花、山百合やほおずきが
涼やかな風の中にひっそりと微笑んでいます。
やがて実りの秋を迎えるころには野山を一面に華やかに彩ってくれるでしょう。

かすかに秋の気配は五感に感じられても昼間の空気は蒸し暑く体は汗ばみます。
夕涼みの前の湯あみは暑さに疲れた体をやさしく癒してくれます。
浴衣を纏って名残惜しい夏の夜をゆっくりと過ごし、暫し暑さを忘れるのは
日本人のしなやかな感性の賜物なのでしょう。

今では若い人たちが色鮮やかな浴衣を可愛らしいアクセサリーなどで飾って
楽しんでいる姿を見かけますが、もとは藍衣と言ってお江戸の庶民の浴衣は
主に藍で染められていました。
秋草や波、水、金魚、朝顔など涼しさを呼ぶ模様で描かれた白と藍のコントラストに
彩をそえる帯をきりっと結んだ着こなしは今でも日本の夏の美しい風物詩です。

今日の一枚の絵  「浴後の美人」  富岡永洗  明治38年 明治美人画の系譜より
                                 複製版画
   
   満月の光の中で飛び交うこうもりを配した浴衣の美人です。当時はこの模様が
   流行ったそう。  
   
    夕顔の花の月夜となれるはや  高須 茂   ~歳時記
        
        う~~~ん 美しすぎる!!!   
        
        確かに秋の響を持つ風を色なき風といいます。 s・y

p・s
   おまけのおまけ。お盆の真ん中の日にいつもの散歩道、通りがかった農園の睡蓮沼で
   若い鴨のお母さんに生まれたての赤ちゃん9羽を紹介してもらいました。