嫌韓流2が出た。さっそく読んでみて、なるほどパート1よりは洗練されたかな、というのが感想だ。パート1は少しばかり乱暴すぎた。もちろん、骨子は間違ってはいないと思う。日本の冷静さに対する韓国のオーバーなナショナリズム批判、さらに韓国のねつ造ぶりや火病紹介など、漫画ならではの表現に「うまい」と思ったものである。しかし、あまりに底が浅い批判だなあと思った。「在日は…」という表現、「韓国は…」という表現は、新たなステレオタイプをつくろうとしているかのようだった。韓国人にもいいヤツはいるし悪いヤツはいる。在日も同様、日本人だって実にいやなヤツがいるかと思えば、感動するほどいいヤツもいる。同じなのだ。もちろん、そのベースとなっている公教育など批判すべきこともあろう、だが、みそもくそも一緒くたにする表現には「ちょっとそこが浅いな」と思った。
2でも、実はあまり変わっていない。しかし努力している部分もある。そこは評価するが、韓国のことをなにも知らない日本人にいきなり読ませては、悪影響うけないかな、とやはり心配してしまった。結局、この本は、本自体が否定している「韓国のひどい教育」と同じスタンスで韓国を批判しているのだ。韓国の公教育よりは「事実」は多い。しかし、「事実」のみを一方的に指摘し、多重な、さまざまな角度からの批判をしていない。一方的すぎるのだ。まあ、漫画だからしゃーないのだが、現実というのは、もっともっと複雑なのだ。だから、多くの書物を読み、インターネットで笑韓までのレベルの人なら楽しめるが、韓国知識がまっさらの人にはちょっと、と思ってしまう。ただでさえ、韓国については無知な人が多いのだから。
私は産経新聞を愛読しているが、ガチガチ保守の産経の、しかも韓国特派員の久保山さんがこの本に、高い評価をしていないことが印象的だった。この本は確かに評価されていい部分が多くある、読まずに批判するサヨクや韓国メディアには「アホ」と言うだけだが、著者に対しては「もっと勉強した方がいい」と言いたい。韓国の勉強ではない、漫画の勉強だ。