リオ・グランデの砦
1950年/アメリカ
ジョン・フォード騎兵隊3部作の最終章
shinakamさん
男性
総合
75点
ストーリー
75点
キャスト
80点
演出
80点
ビジュアル
75点
音楽
75点
「アパッチ砦」「黄色いリボン」に続くジョン・フォード監督ジョン・ウェイン主演の騎兵隊3部作。
なかでも主人公が「アパッチ砦」と同じカービー・ヨークであることからその後日談の設定となっている。ヨークは大尉から中佐に昇格しながら妻子とは15年も会わずじまい。南北戦争時代、北軍に加わったヨークが、妻・キャサリンの生まれ故郷シェナンドー峡谷を焼き払ったことにより一人息子とともに別居状態が続いていた。その息子ジェフが父が管轄する国境警備隊へ新兵として入隊してくる。どうやら下士官養成学校を中退してきたらしい。おまけに息子を引きもどそうと妻までが追ってきて15年振りの再会となる。
勇敢で部下思いの理想的軍人であるカービーが家庭人として妻と息子にどのように対処するかが見どころだ。
フォード一家の常連に囲まれカービーを演じたJ・ウェインの男の魅力がたっぷりと描かれる。
妻のモーリン・オハラはウェインの相手役には欠かせない女優。ここでも若くして清楚で気品のある母親役を演じている。息子を演じたクロード・ジャーマン・ジュニアは「仔鹿物語」での名子役。成長して背丈が伸びたが新米騎兵らしいあどけなさが残っていて適役だ。
フォード一家常連の演技比べがもう一つの見どころ。なかでもベン・ジョンソンがハリー・ケーリー・ジュニアと騎馬のローマ式立ち乗りをスタントなしでやってのけたのはお見事。渋い役柄で定評のあるJ・キャロル・ナイシュ演じるシェリダン将軍、キャサリンから放火魔といわれ意味が解らず医師役のチル・ウィルスに訊くヴィクター・マクラグレンの軍曹がユーモアたっぷりで味のある演技も楽しい。
アパッチ族との馬車による疾走シーンは「駅馬車」のバート・グレノンの撮影が健在だし、連隊歌唱隊の美しい歌声は郷愁を誘う。
製作費削減で苦労したJ・フォードだが、このヒットのお陰で名作「静かなる男」に繋がったという曰くつきの作品でもあった。
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