補強工事中に見える部分


 現在耐震補強工事を行っている家は壁が土塗り壁でできています。なかなかめずらしいのですが、耐震診断をやっているとたまに遭遇します。造られた年代も古いものが多く、立派な材料が使われていたり、最近ではあまり見ない構造材の組み方をしているものがあります。調査の時も天井裏で暗闇の中で観察しているのですが、工事の際には天井を撤去し明るいところでその様子を観察し、計画している補強が正しく施工できるか再確認をします。

 今回は高い屋根まで伸びる土塗り壁がきれいに見えました。今ではなかなかできない手仕事の素材感が光の加減もあわせていい感じです。こういったその家らしい部分はそのままにしておきたいと思うのですが、安心できる強度を得るための選択のなかで姿を変えざるをえない場合があります。この下の部分にあたる廊下は土塗り壁に漆喰塗り仕上げでしたが、補強のために土塗り壁は保存したまま、面材を張ることになっています。そして、この部分は天井を張ってまた隠れてしまうので、この家の記録として写真を撮っておきます。
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ANS建築展2012「箱の中の建築」


 9/15(土)から9/17(月)の三日間、静岡市のギャラリー濱村にてANS建築展「箱の中の建築」を開催しました。ANSのメンバーがそれぞれ30cm×30cm×30cmのダンボールの箱の中に空間を表現した作品をつくり展示しました。形状の条件はあるものの中身に関してはまったく自由でどんな「空間」を箱の中につくるのかなかなか難しいテーマでした。

 会場に並べられたメンバーの作品はそれぞれまったく異なりました。自然光を取り入れるもの、照明を仕込んであるもの。一つの穴から覗くもの、いくつかの方向から覗けるもの。具体的な形のあるもの、光や匂いによるもの。方向性もそれぞれでしたが、メンバーの人柄を知っているとどれもその人らしい部分が出ていて面白く感じました。

 来場者の皆さんも、建築展といいつつ箱が並んでいる状況に興味をもたれたようで、何が入っているか分からない箱を覗き、思わず「おぉ!」とか「なるほど」と声を出してご覧になってくださいました。今回は子供たちにも人気があったのが嬉しかったです。

 建築士のグループが建築ではないものを展示した今回の建築展ですが、僕たちが図面を描いたり、構造計算をしたり、役所に提出する書類をつくっているだけではなく、どこかで美しいものや楽しいものをつくろうと、面白いことも考えていることを知ってもらえればなによりです。暑い中足を運んでくださった皆さま、ありがとうございました。
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箱の中の建築



今週土曜日から3日間ArchiNestShizuoka建築展が開催されます。今回のテーマは「箱の中の建築」メンバーそれぞれが30cm×30cm×30cmの箱の中の空間を使って建築的な何かを表現します。どんなものができてくるのか僕も楽しみです。15日土曜日18:00からはそれぞれがつくったものについてコメントします。それぞれ違ったスタンスで建築の仕事に携わっている建築士の発想が楽しめると思います。お気軽にお立ち寄りください。

ANS建築展2012「箱の中の建築」
2012.9.15(土)~17(月)
10:00-18:00
ギャラリー濱村
(静岡市葵区両替町2丁目3-1)
[入場無料]
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東京で



 昨日は既存住宅の調査診断、改修、維持管理に関する技術を開発し人材を育てる「住宅医ネットワーク」が開催している「住宅医スクール」の講座のひとつとして静岡県で行われている耐震診断の仕事の話をするために東京へ行ってきました。講座の後の懇親会では首都圏で改修の仕事に高い意識で取り組んでいる皆さんと話ができて、いろいろなことを知ることができました、勉強になりました。

 また、今回は会場が神田だったので東京駅で外に出て保存・復原工事が間もなく完了する東京駅の姿を見てきました。戦災で失われた部分を創建時の姿に戻し、機能を拡大する工事がされています。外観的には復興の時に失われていたドーム屋根や3階部分を復原ということで周りの高層ビルとは違った立派な姿となっています。これも、ものすごい高度な改修の仕事ですね。短い時間でしたが周辺も散策して静岡にはない規模の建築空間をいろいろと体感してきまた。
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