社会不適合者エスティのブログ

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三低女子の婚活事情 50ページ「運命を変えた者たちの行方」

2020年03月29日 | 三低女子の婚活事情
リコラはアーサーに誘われて完備された冬のプールにまで遊びに来ていた。

そこでトラブルに巻き込まれるがリコラはアーサーへの想いが募っていった。

リコラ「私も今日は今までできなかった分遊び尽くすんだから。」

アーサー「その意気だ。」

リコラ「うん、じゃあいくよ。それそれっ。(こんなに遊んだのって何年ぶりかな。小さい時はずっとお兄ちゃんとこうやって遊んでた気がする。アーサーと一緒にいると、私が小さかった時の事を思い出させてくれる。)」

アーサー「おらおらっ。あっはは。顔にかかったな。」

リコラ「あーもう、髪乱れちゃった。」

アーサー「俺が直してやるよ。」

リコラ「できるの?」

アーサー「昔はよくルーシーの髪を乾かしたり、色んな髪型にして遊んだりしてたんだ。」

リコラ「女子の髪をいじるなんて。昔のアーサーって残酷。」

アーサー「子供は残酷なんだよ。世の理を知らないからこそ、たくさんやらかしながら学んでいくんだ。」

リコラ「また理屈ばっかり。」

アーサー「じゃああれ乗るか。」

リコラ「浮き輪に乗って滑るんだね。何人も乗れる大きさだね。」

アーサー「浮き輪借りてくるか。」

リコラとアーサーは夕方になるまで色んなプールで遊び尽くした。

帰宅ラッシュになり疲労困憊になったのか人気のない所で休んでいた。

リコラ「ふう、疲れた。でも凄く楽しかった。」

アーサー「俺もこんなに遊んだの、何年ぶりだろうな。」

リコラ「あれっ、ほとんど人がいないね。」

アーサー「もう夕方だからな。」

リコラ「私たちも帰ろうか。」

アーサー「いや、俺はもっとリコの水着姿を見ていたい。」

リコラ「いつからそんなに変態になったの?」

アーサー「俺は身内には一切遠慮しないんだ。もう人もいないから今の内に済ませよう。」

リコラ「えっ?あん、ああっ、ちょっと、何するの?」

アーサー「水着越しでもしっかり伝わってくるなー。このたまらない感触。」

リコラ「まさかとは思うけど、ここでするの?」

アーサー「どうせシャワーで全部流れるんだから問題ないだろ。」

リコラ「それはそうだけど、んっ、ちゅっ。あんっ、あんっ。」

アーサー「しー、そんなに大きな声出したらばれるぞ。」

リコラ「アーサーの意地悪。」

アーサー「んんっ、ちゅっ。」

リコラ「んっ、ああっ、気持ち良い。」

アーサー「まさかたったの1年で、リコの体を自由に触れる日が来るなんて思ってなかったよ。」

リコラ「あんっ、せめて場所を選んでほしかったけど、アーサーなら・・・・良いよ。」

アーサー「リコ・・・・愛してる。ちゅっ。」

リコラ「私も、愛してる。ちゅっ。」

アーサーは後ろからずっとリコラの豊満な胸を揉みしだいていたが、

いつの間にか水着を脱ぐとばれるかどうかのスリルを楽しんでいた。

アーサー「うっ、はあ、はあ。」

リコラ「はあ・・・・はあ・・・・もう、全部中に出しちゃってるし。」

アーサー「最初にやった時と同じだな。体位は違うけど。夕食食べに行くか。」

リコラ「もう私のお腹いっぱいなんだけど。」

アーサー「じゃあシャワー行ってこいよ。外で待ち合わせな。」

リコラ「うん・・・・はあ、まさかここでするとは思わなかった。(アーサーって結構大胆なところあるんだね。でも誰かにばれてたら本当にやばかったかも。それとも普段の私が真面目過ぎるのかな。)」

マドレーヌ「あっ、リコ、久しぶり。こんな所で会うなんて偶然だねー。」

リコラ「マドレーヌにモンブラン。何でここに?」

モンブラン「私たちも遊びに来ていたの。店の方は全然客が来なかったからねー。」

リコラ「という事は今日はオフだったの?」

モンブラン「うん、すっごく楽しかったよー。」

マドレーヌ「リコも来てたんなら一緒に遊びたかったなー。」

モンブラン「もしかしてアーサーと一緒に来てたの?」

リコラ「うん、ずっと一緒に遊んでたの。けどもう体力の限界。」

マドレーヌ「こんなに羽を伸ばすの久しぶりだからねー。じゃああたしたちもう帰るから、じゃあねー。」

リコラ「うん、じゃあね。私も早く出ないと。」

アーサー「おっ、リコ。先に出てたんだな。」

リコラ「うん、今着替えたとこ。」

アーサー「さっきオフで遊びに来ていたアルホたちにばったり会ってな。つい話し込んじまった。」

リコラ「私もさっきマドレーヌたちに会ったの。」

アーサー「えっ、マドレーヌたちって店番だったはずじゃないのか?」

リコラ「店に全然人が来ないから暇潰しに来たんだって。」

アーサー「俺たちみんな友人に会ったのか。世間は狭いな。」

リコラ「多分これのせいじゃないかな?」

アーサー「あー、なるほどなー。そういえばここ、今は冬だからっていう事もあって今日から半額セールになってたんだよ。俺もそれでリコを誘ったんだ。」

リコラ「最初からここでやるつもりだったくせに。」

アーサー「そう言うなよ。リコだって気持ち良さそうにしてただろ。」

リコラ「一生の不覚だよ。」

アーサー「分かった。じゃあ今日は俺が奢るよ。」

リコラ「それならこの前のドライブデートの時に見つけた店に行こうよ。フルコースでも注文しようかな。」

アーサー「容赦ないな。」

リコラ「あんな恥ずかしい思いさせたんだから、これくらいは当然でしょ。」

アーサー「分かったよ。」

リコラとアーサーは夕食を済ませるとギルドカフェへと帰っていった。

ベルガたちも旅行を終えて帰ってきたがそこには意外なゲストもいた。

リコラ「お兄ちゃん、帰ってたんだね。」

ベルガ「うん、プールに行って夕食を済ませてきたみたいだから夕食を作る手間が省けたよ。」

リコラ「そうだね。今日はアーサーも泊まるから。」

ヘレントルテ「私も今日はここで泊まるの。」

ベルガ「ずっと他の女子の相手をしてたから、なかなか一緒に寝られなかったんだよね。」

ヘレントルテ「そういう事よ。」

リコラ「で?このお兄ちゃんにそっくりな人は誰なの?」

ベルガ「ロムル・オーガスト・ブルートゥルス。」

リコラ「えっ、メルヘンランド王国初代国王の?」

アーサー「嘘だろ。まさか本当に。」

ロムル「君たちには初めましてだね。」

リコラ「リコラ・オーガスト・ロートリンゲンです。リコと呼んでください。」

アーサー「アーサー・モンターニャ・ファヴァレット。リコとつき合ってるんだ。」

リコラ「不老不死になって世界中を冒険しているって噂になってましたけど、本当だったんですね。」

ロムル「ああ、元々は対外進出を企んでいた息子の計画を阻止するために、息子よりも長生きする目的で不老不死の魔法を開発して使ったんだが、強大な軍事力を前に諦めざるを得なかった。いくら不老不死でも体力が尽きればしばらくは魔法が使えなくなるからね。」

ベルガ「魔法兵器はその気になれば世界を滅ぼす事もできる。それを危惧していたんだろう?」

ロムル「そうだ。だが息子は魔法兵器が持つ力に溺れ、世界を魔法兵器で支配できると思うようになった。だが息子は気づいていなかった。国は力で支配できても、人の心は力では支配できないんだ。たとえ世界征服を実現したとしても、後に続く王に統治者としての才がなければ、いずれ分裂して元に戻ると警告したが、息子は聞く耳を持たなかった。」

リコラ「それが理由だったんですね。」

ロムル「僕は息子の愚かな計画の末路を見届けるために生き続けた。結局は僕が思った通りになってしまったがな。」

アーサー「一応補足しておくと、2代目国王のレムスが求めていたのは、かつてあんたが望んでいた平和な世の中だ。レムスはあんたがメルヘンランド島を統一するまでの過程を見ていたから、力でしか平和を実現できないって思うようになったんだ。」

ロムル「随分と詳しいね。かなりランクの高い大学を出ているようだね。確かに君の言う通りだ。僕は息子たちに悪いロールモデルを見せてしまったようだ。」

アーサー「でも悪い事ばかりじゃない。最盛期には餓死者が1人も出なかったくらいどこもかしこも栄えてた。正真正銘の世界平和が実現された世の中だった。今でも全世界の言語には古代メルヘンランドの名残が残ってる。レムスはあんたが実現した国内の平和を外の人にも教えたかったんじゃないかな。」

ロムル「僕や子孫たちのした事が正しかったかは分からない。だが僕はどうしても平和な世の中を作りたかった。本国以外の国が全て独立して、王国が共和制に変わったのを知ってからは、偽名を使いながら世界中を回って事件という事件を解決に導いてきた。かつて子孫たちがしてきた事への罪滅ぼしになると思ってね。」

ヘレントルテ「もう統治者にはならないのですか?」

ロムル「僕の力ではせいぜい一国の面倒を見るのが限界だ。かつての子孫たちがそうだったように。それにもう統治者は飽きた。今は世界中で起きている事件の解決が僕の仕事だと思ってる。」

メルヘンランド女王「ロムルよ、久しぶりだな。」

ロムル「いつもと変わらないようだな、エイリス。」

リコラ「エイリス?」

アーサー「女王陛下の本名はアリス36世だ。一度退位したけど後に許されて元老院から象徴国王の称号を授けられたんだ。大学の歴史学の授業でやってたんだ。」

リコラ「そうだったんだ。でも何でエイリスなの?」

ロムル「アリスは現代語だ。古代メルヘンランド語ではエイリスと読むんだ。」

メルヘンランド女王「妾も皆の者から本名で呼んでほしいのだが、なかなか呼んでくれないのだ。」

リコラ「仮にも女王陛下ですから、仕方ありませんよ。」

ベルガ「それじゃあ、ロムルの謎が全て解けたところで、有終の美を飾るために乾杯しよう。」

リコラ「そうだね。早速飲み物を入れるね。」

ロムル「この国も随分と賑やかになったものだ。そうは思わないか?」

メルヘンランド女王「そうだな。かつてのように平和な国になってほしいものだ。」

ベルガ「人数は昼よりも減っちゃったけど、婚活法の終焉にかんぱーい。」

みんな「かんぱーい。」

それから3年の時が過ぎるが、リコラとアーサーは順調に交際を続け、

ついに新居を構えてベルガから独立し、2人で一緒に暮らす事になった。

アーサー「婚活法から解放されてもう3年か。」

リコラ「色んな事があったけど、こうしてアーサーと会えたのは収穫だったかな。」

アーサー「俺は婚活法がなくったって、リコとはどっかで会ってたと思うけどな。そういえば、ベルはどうしたんだ?」

リコラ「お兄ちゃんは独裁官として防衛戦争に参加してるよ。当分は戻って来れないって言ってた。」

アーサー「あいつもついに独裁官か。いつかなるとは思ってたけど、忙しくなるだろうな。」

リコラ「あのまま権力を独占しちゃったりしてね。」

アーサー「マドレーヌたちはどうしたんだ?」

リコラ「マドレーヌとモンブランは民族衣装の事業がうまくいって、今じゃウィトゲンシュタイン家が宣伝してくれた事もあって、注文が殺到してるんだって。」

アーサー「2人共結婚したんだよな。」

リコラ「うん、シュトレンたちもうまくいってるんだって。」

アーサー「リコはチョコレート専門店とショコラティエ教室を始めて、ここから全国大会の優勝者が出てから一気に有名店になったもんな。」

リコラ「アーサーだって、今じゃ余った食材で作った食品が多くのスーパーやコンビニで売れるようになったでしょ。」

アーサー「お互い出世したもんだな。」

リコラ「そうだね。実はね、嬉しい報告があるの。」

アーサー「どうしたんだ?」

リコラ「お腹に赤ちゃんがいるの。」

アーサー「リコ・・・・そうか。きっと良い子になるよ。」

彼女の名前はリコラ・オーガスト・ロートリンゲン。

後に、著名な洋菓子職人たちを育て上げ、メルヘンランド王国の料理評論家となった女である。

しかしそんな彼女も、若い頃は悩み苦しみながら、

婚活をさせられていた、引っ込み思案な三低女子だったのである。

自分がどんな道を歩んでいくのかを、この女はまだ知らない。

彼女の戦いは、まだ、始まったばかりなのだから。

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