漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

お風呂にいるわけではありません。

2010-03-30 22:35:59 | ◆準1級:書き(誤字訂正)
 
 ・死屍累累たる戦場の酸鼻を極めた凄惨な光景に肌の泡立つ思いがした。






ソク、ゾク、シュク
あわ、もみ、しゅく




【解字】会意文字。甲骨文は、実の垂れ下がった穀物の象形。


  1. 穀類の総称。
  2. もみ。稲・麦・きびなどの実の外皮のついたままのもの。
  3. あわ。イネ科の一年草。穀物の一種。実は小粒で黄色。
  4. つぶ。穀物の粒に似たもの「粟粒」
  5. 扶持米(フチマイ)。俸禄(ホウロク)
    <新漢語林より>




あれっ、間違いがないと思ってしまいました。笑

「泡立つ」は気泡、あぶくだけのようですね。

正直な話、「あわだつ」は、お風呂か洗濯かシャボン玉の時しか使ったことがないと思います。


上の問題では「肌のあわだつ思い」という表現を使っていますが、

私なら絶対に「鳥肌の立つ思い」と書いているはず。

だって、「肌のあわだつ思い」って使ったことはもちろん、聞いたこともありませんもん。笑



 【粟立つ】

   寒さや恐ろしさのために体の毛穴がふくれて、皮膚に粟粒のようなぶつぶつができる。鳥肌が立つ。



「粟立つ」という言葉もなくなってしまう運命にあるのでしょうか。

漢検の勉強をするということは、漢字を覚えることはもちろん日本語を勉強することだとつくづく感じます。


あっちの水は苦いぞ?

2010-03-27 21:51:17 | ◆準1級:書き(対義語・類義語)
 
 ・彼岸  ⇔  シガン ( 此岸



 
もう春のお彼岸も過ぎてしまい旬ではありませんが、、

 
 彼岸 ⇒ 祖先を供養する行事

行事に対義語があるなんて思いもしませんでした。

選択肢がなかったら、「冬至」とか「夏至」と答えを書きそうでしたもの。笑


【彼岸(ひがん)】
  煩悩を脱した悟りの境地のこと。仏の世界。向う側の岸

【此岸(しがん)】
  煩悩や迷いに満ちたこの世。人間の世界。こちら側の岸




図で表わすとこんな感じでしょうか。(2chみたい。笑)


  此 |∫∫ | 彼
  岸 |  ∫| 岸
    │∫三 |
  現 │ 途∫| 涅
  世 │∫の | 槃
    │ 川∫|
  煩 │∫  | 悟
  悩 │ ∫∫| り
    │∫  |












お彼岸といえば、ぼたもちですが、 ”ぼたもち” と ”おはぎ” の違いをご存知でしたか。

供物
日本で彼岸に供え物として作られる「ぼたもち」と「おはぎ」は同じもので、炊いた米を軽くついてまとめ、分厚く餡で包んだ10cm弱の菓子として作られるのが一般的である。これらの名は、彼岸の頃に咲く牡丹(春)と萩(秋)に由来すると言われる。(by Wiki)


なるほど。綺麗にまとめています。

春は『牡丹餅』

秋は『お萩』なんですね。


わたしはどちらも大好物です。  (←おなじものだって!)


織り方の違いなんてわかりません。:羅

2010-03-25 22:29:21 | ◆準1級:読み(表外読み)
 
 ・羅( うすぎぬ ) の着物を新調した。 ★漢字検定準1級[頻出度順]問題集 高橋書店





あみ、うすぎぬ、つら(なる)




【解字】会意文字。网+維。网は、あみの象形。維は、鳥をつなぐの意味。あみ・つらなるの意味を表す。


  1. あみ。鳥を捕らえる網。鳥あみ。
  2. あみする。
  3. つらねる。並べる。また、連なる「羅列」
  4. うすい絹。あやぎぬ。「綺羅(キラ)」
  5. かかる。こうむる。出会う。
    <新漢語林より>



うすぎぬ 【薄絹】地の薄い絹織物。紗(しや)・絽(ろ)など

 薄絹は、主に、夏用に使われる絹織物を指して言います。
 つまり、経糸、緯糸とも、極細の糸を使って織り上げた織物で、地合いが軽薄で柔らかく、また綾目も粗く通気性に富んでいます。
 絽、紗、羅など、透けてみえる生地がこれに該当します。



「羅」は、2級の字であるが、”うすぎぬ”という読み方は準1級。
同じく準1級で出てくる ”うすぎぬ” と読む字に「紗」がある。
どちらも通気性に富んだ粗い網目の薄い織物ですが、編み方織り方により呼び名が異なるようです。
同じ絹織物の仲間である「絽(ろ)」は、1級漢字で ”しまおりもの” と読むみたい。


では、同じ ”うすぎぬ” と読む字を調べてみたところ、

 「絅」 1級 ひとえもの。うすぎぬ。着物の上にかける布。ベールの類。

 「繻」 1級 繻子(しゅす)。サテン地。うすぎぬ。



正直言うと、ベール、サテンなどをあまりよく知りません。

でも、表外読みには今ではあまり使われなくなった遠い昔の美しい日本語に出会えるような気がします。

「臆病」と「臆面」は、書き換えてはいけない。

2010-03-22 20:06:35 | ◆準1級:書き(書き換え漢字)
 
 ・豪胆  ⇔  オクビョウ ( 臆(憶)病

  ★漢検協会「完全征服」





オク
おしはか(る)、おく(する)




【解字】会意兼形声。「月(肉)+意」。音符の意は、おもうの意味。感情をつかさどる、胸の意味を表す。

  1. 胸。
  2. こころ。心の中。思い。考え。「胸臆」
  3. おしはかる。推量する。
  4. 気後れする。おじける。
    <漢字源>




これも微妙な問題だと思います。

でも、どうも納得がいきません。



現代表記では、憶 に書き換えることがある。
 [臆説→憶説] [臆測→憶測]


と漢字源に載っています。


 胸。心の中。推し量る。気後れする。おじける。

 臆測 [憶測][億測]
 臆説 [憶説]
 臆病
 臆面


 おぼえる。思って忘れない。思いをはせる。思いやる。

 記憶
 追憶


 きわめて大きい数。あれこれと思い巡らす。

 億劫
 [億測]




漢字林で調べてみると「億」が一番古いみたいで、漢文の中に「億測」という熟語がでてきます。

そしてどの漢字字典を見ても、現代表記への書き換えが認められているのは、

 [臆説→憶説]
 [臆測→憶測]

の2つだけで、臆病と臆面については書き換え文字がありませんでした。


ですので、黄色い文字については書き換えの認められていない、かるたで言うところの ”決まり札” だと思うのですが如何でしょう。

漢検の試験自体は、「臆病」「臆面」と書いておけば間違いないんですがね。





こんな分かりやすく解説しているページがありました。

わたしもこの方の意見に賛同します。

----
かんぴょう - 漢字と表記
http://www.kanpyo.net/xwords+entry.entryID+203+categoryID+2.htm

「臆」には、気おくれする、おじけるという意味がある。ところが、常用漢字表にないため、同じ読みで似た漢字の「憶」で代用することが一般的に行われている。もちろん、「憶」には覚える、思うという意味しかない。


漆喰の上塗りに借金の目塗り 漢検協会さん ごめんなさい。

2010-03-21 21:55:24 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 いつもは喫茶店で漢検の勉強をしているんですが、今日は気分を変えてというか珈琲一杯で2時間も3時間も粘れるほど図々しくはないので、市の図書館まで足を延ばし勉強してきた。若い学生達に混じり机に向かって問題集に取り組んでいると独り勉強している時と違い勇気を貰って力がみなぎってくるよう。

 予定より捗ったので、そろそろ切り上げて帰ろうとしたときに、ふと ”アレ” を思い出した。大手書店に置いてあるどの辞典にも載っていなかった ”アノ諺” を。
そして数ある分厚い辞典を繰ってやっとお目に掛かる事ができた時はなんとも言えない気分。てっきり単純な語呂合わせだと思っていたが、完全にわたしの早とちりだったようです。結局2冊の辞典にしか載っていませんでしたが、編集者はどちらも同じ人物。










 ・漆喰の上塗りに借金の目塗り。


 【意味】しっくいの上に塗ってもはげる。借金もその場限りのしのぎを付けてみても、結局ぼろを出す。

      続故事ことわざ辞典 鈴木棠三(すずきていぞう)編









少しでも疑ってしまったわたしをどうぞお赦しください。

 ガッツリは、「喰う」だと思う。:喰 [2010-03-03]


この諺は、生涯消えることなくわたしの心に刻み込まれることでしょう。

いえ、わたしの座右の銘とさせていただきます。


おそらく、この諺の意味をインターネット上に公開したのは、わたしが初めてだと思います。

せめてのもの罪滅ぼしだと思ってください。


”アタうかぎり”って漢字どころか言葉さえ・・・

2010-03-20 20:47:03 | ◆準1級:書き(書き取り)
 
 ※IE以外はうまく表示されないと思います。あしからず。

  書き取り 高橋書店

・祭事は晴雨にカカわらず行う。
    (拘わらず)
・合格を目指しアタうかぎり受験する。 (能う)
・バーゲン品がタチマち売り切れた。  (忽ち)
・仏語ナイシ独語を学ぶ。       (乃至)
・富よりもムシろ名声を取る。     (寧ろ)
・驚くナカれ千人以上が参加した。   (勿れ・[莫れ])
・確かにそれはモットもな理屈だ。   (尤も)
モチロン喜んでお伺いします。    (勿論)
・あの人はイワユル天才だ。      (所謂)
アタカも真昼のように明るかった。  (恰も・[宛も])
・娘が近頃トミに美しくなってきた。  (頓に)
・ここカシコに桜が植えられている。  (彼処・[彼所])
・貯金をハタいて家を買った。     (叩いて)
・苦節十年ヨウヤく一人前になった。  (漸く)






この言葉に漢字があるのかという感じがします。(←別に洒落ではない)

おそらく私だったら、漢字で書けるとしても平仮名で書く文章もあると思います。

それに、なんか無理して使ってるような気がしません?

平仮名で書いた方が適当な文章もありますよね。

でも最近は上のような文章で漢字を使っているのをネット上でよく見掛けます。

変換キーを押せば簡単ですからね。



でも、これは資格試験ですからワガママ言ってはいけません。

厭なら受検しなきゃいいんですから。 ブツブツ・・・



「なんじ、今何時?」は、おやち゛ギャグ。:汝

2010-03-18 22:07:40 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 
 ・艱難ナンジ()を玉にす。


 【意味】人は多くの苦しみや困難を経て初めて立派な人間となる。
     ★西洋のことわざ「逆境は人を賢くする」の意訳。




ジョ
なんじ




【解字】形声文字。水+女。川の名。借りてなんじの意味に用いる。


  1. なんじ。なれ。そなた。おまえ。対等またはそれ以下の相手の人の称。
    <新漢語林より>




爾との違いがよくわからない。

なんとなく感じていたのは、


 汝 = 教会

 爾 = 神社



汝は、キリスト教の「汝の隣人を愛せよ」を連想する。ほか[汝曹]

爾は、禰宜(ねぎ)とか天皇陛下、皇国を連想させる。ほか[莞爾、爾後、爾来、云爾]


活字でしかお目に掛かったことはないが、どちらも ”上から目線” で話し掛けている。
使う漢字が違うのは信仰している神の違いによるものなのか。



【爾汝の交わり】という諺がある。

 互いに「お前」「貴様」と呼び合うような親しい交わりのこと。
「爾」も「汝」も「なんじ」と読み、お前、貴様の意。



【汝の語源・由来】<語源由来辞典>

「な(汝)」に「むち(貴)」が付いた「なむち」が変化した言葉。
「な」は自分を指す語であるが、ここでは目下や親しい人に対して用いる二人称代名詞で、「むち」は貴い者を表す。本来は、相手の尊敬の意を含んで用いられていたと思われるが、中世には対等かそれ以下の者に対して用いられている。漢字が「水」+「女」なのは、元々、河南省の嵩県から淮水に流れる「汝水(ジョスイ)」という川の名であったためで、「ニョ」や「ジョ」など昔の二人称代名詞の音に近い発音を持つことから、人称代名詞に当てられたものである。




やっぱりよくわからない。

おそらく今後も「ナンジ」を耳にすることはないと思う。



熟語は敏捷以外にわかりません。:捷

2010-03-16 21:54:34 | ◆準1級:書き(同音・同訓異字)
 
 ・親は子供にカンショウ( 干(関)渉 )する。

 ・カンショウ ( 観照 )は美の知的認識だ。

 ・国境にカンショウ( 緩衝 )地帯を設ける。

 ・美しい島のカンショウ( 環礁 )に潜る。

 ・会の運営をカンショウ( 管掌 )する。

 ・作業をカンショウ( 簡捷 )に済ませる。

  ★漢字検定準1級[頻出度順]問題集 高橋書店






ショウ
か(つ)、はや(い)




【解字】形声文字。手+(捷の旁側)。音符の捷の旁側は、すばやいの意味。手をすばやく動かして獲物を獲得するの意味を表す。


  1. ぶんどる。ぶんどった物。戦利品。
  2. 勝つ。また、かちいくさ。「戦捷」
  3. はやい。すみやか。すばやい。「敏捷」
  4. 近道をする。
  5. かしこい。さとい。
  6. およぶ。続く。
    <新漢語林より>




ほとんど嫌がらせですね。笑


私のPC(Microsoft IME辞書)で ”かんしょう” と入力し変換キーを押した時の全候補になります。

簡捷、管掌、環礁、観照、干渉、鑑賞、観賞、感傷、冠省、勧奨、完勝、官省、寛正、癇症、感賞、癇性、観象、関渉、姦商


知らない、見た事ない熟語が並んでいます。

この中で準1級で新しく出てくる字は、「捷」と「姦」。
(「癇」は1級)

でも当然2級までの常用漢字についても日頃から準備を怠っていてはいけない。

高橋書店では、これだけしつこく同音異字として ”カンショウ” が出題されているのに、完全征服では僅かに対義語で

 放任 ⇔ 干渉

のみの出題。不思議ですね。


他の問題集の傾向についても気になるところです。


我が漢字辞書でも ”カンショウ” を調べてみたところ、前述以外に

 奸商、冠称、竿檣、喚鐘、寒松、歓笑、環象

がありました。



 もうお腹いっぱいですよね。。





問題の解答は、上から

 干(関)渉
 観照
 緩衝
 環礁
 管掌
 簡捷



刹那という美しい時間の単位があります。

2010-03-15 22:18:08 | ◆準1級:文章題
 
 ・そのセツナ( 刹那 )に「おじ様、お相手」と叫んで、 森鴎外「阿部一族」より抜粋




17,8年前、偶然見た ひろちさやさんの仏教コラムの中で数の単位について書いてあるのにすごく興味を抱いた。確かその中で 「”恒河沙(ごうがしゃ)”とは恒河(ガンジス川)の砂の数という意味。数の単位については江戸時代の文献『塵劫記』に詳しい。」というような事を書いてあったと思う。仏教での表現・比喩方法がすごくユニークだったので『塵劫記』が見たくて見たくてどうしようもなかった。その頃、一般人にはインターネットで検索して調べる方法など浸透していなく、古本屋を片っ端から探し回った結果、市の図書館でようやく見つける事ができた。

 塵劫記 江戸初期の和算家吉田光由(1598-1672)の主著。


米俵算、ねずみ算、物の分配方法とか、土地の測量方法とか書いてあったと思う。
(少しがっかりした)


数の単位については、以下のとおりである。


10-23  浄       じょう
10-22  清       せい
10-21  空       くう
10-20  虚       きょ
10-19  六徳     りっとく
10-18  刹那     せつな
10-17  弾指     だんし
10-16  瞬息     しゅんそく
10-15  須臾     しゅゆ
10-14  逡巡     しゅんじゅん
10-13  糢糊     もこ
10-12  漠       ばく
10-11  渺       びょう
10-10  埃       あい
10-9   塵       じん
10-8   沙       しゃ
10-7   纎(繊) せん
10-6   微       び
10-5   忽       こつ
10-4   絲(糸) し
10-3   毫(毛) もう 
10-2   厘       りん
10-1   分    ぶ
100    一    いち
101   十       じゅう
102   百       ひゃく
103   千       せん
104   万       まん
108   億       おく
1012  兆       ちょう
1016  京       けい
1020  垓       がい
1024  秭{禾予} じょ
1028  穣       じょう
1032  溝       こう
1036  澗       かん
1040  正       せい
1044  載       さい
1048  極       ごく
1056  恒河沙   ごうがしゃ
1064  阿僧祇   あそうぎ
1072  那由他   なゆた
1080  不可思議 ふかしぎ
1088  無量大数 むりょうたいすう






準1級で出てくる漢字で、仏教用語からくる ”時間の単位” の字があります。
これがなかなかおもしろい。




仏教時間単位

刹那 [せつな]    =1/75秒
怛刹那 [たんせつな] =120刹那 
臘縛 [ろうばく]   =60怛刹那
須臾 [しゅゆ]    =30臘縛

牟呼栗多(むこりった)=1/30日    2880s
臘縛  (ろうばく) =1/30牟呼栗多   96s
怛刹那 (たせつな) =1/60臘縛    1.6s
刹那  (せつな)  =1/120怛刹那 0.013s

須臾  (しゅゆ)  =1/30日       2880s
羅予  (らよ)   =1/20須臾      144s
弾指  (たんじ)  =1/20羅予      7.2s
瞬   (しゅん)  =1/20弾指     0.36s
念   (ねん)   =1/20瞬      0.018s


劫 [ごう]
大劫 [たいごう]     =80劫
64転大劫[64てんたいごう]=64大劫
阿僧祗 [あそうぎ]    =1059
三阿僧祗劫              =3×1059×劫




刹那 [せつな]

きわめて短い時間。瞬間。
仏教語での最小単位を意味し、75分の1秒を「一刹那」とする説や、指を一回弾く時間の65分の1を「一刹那」とする説などがある。


劫 [ごう]

天女が100年に一度降りてきて、羽衣で軽くひとこすりして、7km立方の石が摩滅してもまだ余りある時間。(磐石劫ばんじゃくこう)
あるいは、7km立方の箱に芥子を詰め、百年に一度、一粒取り出していき、すべて取り出してもまだ余りある時間。(芥子劫けしこう)





刹那はともかく、劫は考えるだけでも気が遠くなる。




使い分けが難しい。

2010-03-14 20:09:47 | ◆準1級:書き(同音・同訓異字)
 
 ・肩口から下着がノゾ()いていた。

 ・邪魔者はノゾ ()けとの厳命だ。

  ★漢字検定準1級[頻出度順]問題集 高橋書店






のぞ(く)、うかが(う)




【解字】会意兼形声。司の上部は人の変形であり、その下の口印は狭い穴。狭い穴からのぞく事を示す会意文字。覗は「見+司」で狭い穴を通して内部を見ようとする事。


  1. 細いすきまからのぞいて見る。
  2. 転じてのぞいて様子を見る。
    <漢字源>




二つ漢字が浮かびました。

でも、違いがわかりません。今でも。。

この字も説明しておきます。





うかが(う)、のぞ(く)




【解字】会意兼形声。「穴+規」。音符の規(コンパスで穴をはかる)は、「はかる」の意からの派生語である。


  1. うかがう。
  2. のぞ-く。うかがい見る。
    <漢字源>





◆◇◆ 今まで思っていたこと ◆◇◆

 ・覗 ・・・ こっそり穴からのぞく。Peeping 

 ・窺 ・・・ 身を乗り出して顔を晒して見る。


 というイメージをなんとなく抱いていた。

 でも、「窺」の解字を見ると、
 ”穴の中をはかる” ⇒ ”のぞき見る”
 の意味らしい。<新漢語林>

 じゃあ、穴からのぞくのは「窺く」なの?
 


◆◇◆ 不思議なこと ◆◇◆

 ・覗は、音読みでシと読みが、ナント、熟語が見当たらない!
  (中国でしか使われていないのだろうか)

 ・窺は、ネット検索で「窺く(のぞく)」がHITしない!
  (読み方はあるが実用されていない)



◆◇◆ 書き問題の出題状況 ◆◇◆

 『完全征服』
  ・文章題
   その顔をノゾき込む女房の・・・[覗・窺・(覘)]
 

 『高橋書店』
  ・書き取り
   努力の跡がウカガわれる。[窺]
   敵の動きを身を潜めてウカガう。[窺]

  ・故事・諺
   針の穴から天をノゾく。[覗]
   管を以って天をウカガう。[※窺] ←用管窺天

  ・同音・同訓異字
   肩口から下着がノゾいていた。[覗] 少しエッチ(笑)

  ・文章題
   名所のノゾキ機関。[※覗] ←覗機関(のぞきからくり)
   余は、朝っぱらから歌舞伎座をノゾいた気分で・・・[覗]
   少時は船の中をウカガい彦左衛門が・・・[窺]

   ※決まりモノ

---
 『完全征服』→消極的・複数解答・優柔不断(笑) それだけ微妙な問題なのかもしれない。

 『高橋書店』→自信満々・決めウチ過ぎだって(笑)



◆◇◆ 仮定 ◆◇◆

 ・ノゾクの場合は、「覗」限定ではないか。

 ・窺は、「窺う」しか使わないのではないか。



◆◇◆ 結論 ◆◇◆

 ますます混乱してきた。。




◆◇◆ オマケ ◆◇◆

 「瓶覗」という色があることがわかりました。

 色も言葉もちょっと素敵です。



【瓶覗(かめのぞき)/覗色(のぞきいろ)】

 瓶 覗 
瓶覗き(かめのぞき)とは、白に近いごく薄い藍色。英語色名のペールアクア(ごくごく薄い水色)に近い。
藍色系統に属するが殆ど色味が無いため、オフホワイト(日本語の染色用語なら「白殺し」)に属すると考える場合も有る。

 留紺>黒紺>紺(勝色)>藍>花色>浅葱>水浅葱>瓶覗き

と藍色系統ではもっとも薄い色で、染色の際も藍瓶に漬けてすぐに引き上げてしまうことから「瓶覗き」と呼ばれる。また、水瓶に映りこんだ青空の色を表現したので瓶覗きと呼ぶという説もあるが、江戸時代、瓶覗きと空色はどちらも同時期使われており、染色指南などを見るに空色のほうが濃い色で派生の色も数多く存在する。

出典:Wikipedia