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配偶者控除、見直し検討

2016年08月31日 10時11分36秒 | 日記
やはり、「専業主婦+子供二人+会社員の夫」、
という標準世帯モデルは既に遠い昔のことのようです。


配偶者控除、見直し検討 家族の形、変化に対応 増税世帯対策が焦点
毎日新聞2016年8月31日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160831/ddm/003/020/069000c

 自民党税制調査会が、専業主婦世帯の税負担を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討することになった。少子高齢化で働き手が不足する中、安倍晋三政権が掲げる「1億総活躍社会」や「働き方改革」の柱として、女性の社会進出を後押しする狙いだ。だが、増税となる世帯の反発も予想され、曲折もありそうだ。「税制以外の制度も改善しなければ、女性の就労は進まない」との意見も多い。

 「女性の社会進出や共働き夫婦を税制面でも支援していこうという表れだ」。自民党の二階俊博幹事長は30日の記者会見で配偶者控除見直しに前向きな意向を示した。

 配偶者控除は1961年に導入された。高度成長期の主流だった「夫はサラリーマン、妻は専業主婦」という世帯を支える制度として設計された。控除額は段階的に38万円に拡大した。だが、近年、女性の働き方や家族の形は大きく変わった。80年に1114万世帯だった専業主婦世帯は、2015年に687万世帯まで減少。一方、共働き世帯は97年に専業主婦世帯を超え、15年には1114万世帯に拡大した。こうした社会の変化に税制が対応しなくなっているとして、00年代に入ると配偶者控除見直しの議論が浮上した。しかし、政府・与党内では、税負担が重くなる専業主婦世帯の反発が懸念され、見直しは見送られてきた。安倍首相は14年3月に見直しを指示したが、たなざらしとなっていた。

 女性の社会進出は、年収によって段階的な壁がある。「103万円の壁」は、妻の年収が103万円になると、夫の配偶者控除の上限となり、夫の勤務先でも配偶者手当を減らすケースが多くなる▽「130万円の壁」は、妻の年収が130万円になると、妻に健康保険や年金の保険料支払い義務が発生する▽さらに、妻の年収が141万円になると、「配偶者特別控除」(妻の年収が103万円を超えても夫の税負担を軽減する仕組み)もなくなる。

 機運が再び高まった背景には、安倍政権が「働き方改革」をアベノミクスの柱に据えたことがある。今夏の内閣改造で担当相を新設し、女性が働きやすい環境整備を進める方針を示した。大胆な金融緩和などを進めてきたが、景気は停滞が続く。その一因として、人口減少に伴う労働力不足が挙げられている。働き手が少ないと、公共事業の執行や企業の生産活動などが制約される。女性の就労を促し、経済成長を図る狙いだ。財務省も前向きだ。配偶者控除の適用に夫の年収制限はなく、高所得者ほど恩恵が大きいためだ。

 ただ、制度設計はこれからだ。焦点は控除見直しで増税となる世帯への対応だ。

 配偶者控除が廃止されると、夫の年収が600万円の世帯なら約7万円の負担増になるとの試算もある。配偶者控除の代わりに、夫婦なら年収や働き方を問わずに一定の控除が受けられる「夫婦控除」の導入が検討される。対象は配偶者控除より増える見通しだが、税収が大きく減らないよう、夫の年収に制限を設けたり、控除を縮小したりする可能性がある。このため、夫婦控除が導入されても増税となる世帯が出そうだ。

 こうした負担を緩和するため、夫婦控除移行に猶予期間を設けることなどが検討されそうだ。年収制限する場合の線引きも課題だ。

 また、「夫は仕事、妻は家庭」という伝統的な家族観を突き崩す可能性もあり、保守層の支持が多い自民党内には慎重論が多い。支持者に低所得者も多い公明党幹部は「家計収入に直結する問題。落としどころを見つけるのは難しい」と漏らす。【横山三加子、高橋克哉】

働き方改革も不可欠
 女性の就労拡大に向けては、税制の改革のみでは問題解決を図るのは困難なのが実情だ。

 神奈川県在住の女性(47)は大学生と高校生の娘が小さいうちは専業主婦をしていた。夫の帰りが遅く、しっかり子育てしたいという思いもあった。3年前に販売のパートで働き始めたが勤務は1日4時間、月10日前後で年収は数十万円程度。「もっと働くこともできるが今の仕事では103万円を超えるのは無理」。雇用者側がパートの労働時間を制限しているためだという。社会保険料の雇用主負担を避けるため、労働時間を抑制する企業もこれまでは多かった。

 女性は「個々の事情に合わせた柔軟な働き方ができるようにしないと、子どものいる女性がパート以外で社会進出するのは難しい気がする」と話す。

 税の負担増になるのではと危惧する声もある。

 子どもを保育所に預けてマッサージ店で働く埼玉県の女性(36)は「103万円の壁という制限と、それ以上働く場合のデメリットの板挟みになっている」と明かす。自分の収入の半分以上は保育料に消える。もっと稼ぎたくても、預ける時間が延びると保育料も増えてしまう。正社員の仕事を見つけたいが、資格を持たないため転職は厳しい。「今の収入でも生活できないのに、控除がなくなると困る」と話す。

 筒井淳也・立命館大産業社会学部教授(家族社会学)は「共働き社会にあるべき流れ」と配偶者控除の見直しを評価しつつ、「労働時間の上限規制や同一労働同一賃金などの働き方改革と同時に進める必要がある」と指摘する。

 日本では女性が家事に費やす時間は男性の約5倍。男女ともに家事や育児をしながら働ける仕組みにしないと、女性に負担を押しつけるだけにもなりかねない。また働く時間を増やしても、非正規雇用のままでは世帯収入の大幅増は見込めない。

 安倍政権の「働き方改革」を巡っては、9月にも「働き方改革実現会議」がスタートする。長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現も中心テーマとなるが、どこまで実効性のある改革につながるかは未知数だ。

 一方、企業独自の配偶者手当や扶養手当の支給条件も見直さないと、控除を廃止しても効果は限定的との見方もある。トヨタ自動車は2021年までに扶養手当の支給対象から配偶者を外すことを決めている。人事院は今月、国家公務員の扶養手当を見直し、子どもへの手当を増額し、月額1万3000円の配偶者手当を2018年度には半減するよう勧告するなどの動きも出ている。
【中村かさね、稲田佳代、山田泰蔵】




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