キタカゼとタイヨウ

「意識不明の重体」「重症びまん性脳損傷」から奇跡的に回復、社会人になった息子のこと。母の読書記録などなど。

「彼女の時効」

2017-03-23 11:58:07 | 本と雑誌
彼女の時効
新津 きよみ
光文社


交通事故・・・と聞いただけでいまだに涙が出る私。
息子が警察署で事情聴取を受けた時に
おまわりさんに

  相手にどんな罰をのぞみますか?

と聞かれて

  救急車を呼んでくれただけで感謝します。

と答えたら、おまわりさんは

  それは、人として当然の事なんだよ。
  君はもっと怒っていいんだよ。

と息子を諭した。

もし、息子を20mも跳ね飛ばした加害者がそのまま通り過ぎてしまったら、
息子は大学生になるどころか、命さえ危うかったはず。

それでも、救急車を呼んだ加害者に感謝するなんてことは親としてはない。
息子の自由であったはずの高校生活を返してほしい。
とそう思う。


犯罪を犯した人は、たとえ警察に捕まらなくても
その罪に覚えた一生を送る。


じゃぁ、不起訴となった加害者はどうしてるんだろう?
一度もあったことも話したこともない人だけど
お詫びの一言もなしに、すっかり事故のことを忘れて生きていたら
私は許さない。
私の心に彼に対する時効はないよ。