つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

自分のコピーを作って楽しいか?

2005-01-22 19:07:52 | SF(海外)
さて、泣く子も黙る(意味不明)第53回は、

タイトル:ソフトウェア
著者:ルーディ・ラッカー
文庫名:ハヤカワ文庫

であります。

機械の身体をタダであげよう。

1.くれ
2.いらん

不治の病にかかったら考えます(弱気)。

というわけで、マッドな数学者ルーディ・ラッカーの登場です。
はっきり言ってもう無茶苦茶。(讃辞)

とっかかりを簡単に言うと――。
かつて、コッブという学者が人間からロボットを解放しましたとさ。
ロボット達は自らをバッパーと呼称し、月に自分達の国を作りましたとさ。
しかし、人類から解放されたはずのバッパー達には不満がありましたとさ。
大バッパーというスパコンが彼らを支配していたからです。
(スパコンはスーパーコンピューターの略)

そんな時、引退してフロリダに引きこもっていたコッブの所に手紙が届く。
「人間から僕らバッパーを解放してくれたお礼に機械の身体をあげるよー」
コッブは老い先短い自分の肉体に見切りをつけ、ドラッグ好きの不良青年ステイハイを連れて月に向かいます。

これだけ聞くと、生命の尊さを語る話を想像できないこともないんだけど――。

そんな教訓話ではありません。

脱線、脱線、また脱線。
コッブはバッパー達の内部抗争を無視して自分の欲求のままに動きますし。
ステイハイもとりあえず自分が分解されなきゃ後は適当でいいやって奴です。

無論、最終的に二人は対決することになるのだけど……。
それは大局的な流れではなく飽くまで個人的な理由からです。(それがいいのだが)

序盤は退屈ですが、中盤から一気に面白くなります。
SF好きにはかなりオススメ。



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