つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ホタルとマユの楽屋裏『グリムグリモア』

2004-11-28 00:00:02 | ホタルとマユ関連
―ようこそ楽屋裏へ!―


 「こんな所まで読んで頂いてありがとうございます! ここは『ホタルとマユの三分間書評』の楽屋裏です!」
 「ホタルの雑談が長すぎて記事の容量を圧迫しているので、本とは関係ない話をするために作成してみた。今後は、長話のために書評がおざなり――などというふざけた事態は減る筈だ」
 「マユさんだって雑談長いくせに……」
 「あたしの雑談は、ちゃんとブログの主旨に則ってるから問題ねぇのさ♪ どっかの誰かさんみたいにゲームの話をしたりはしね~し」
 「そういう固いこと言ってると、マンネリ化が進んで飽きられますよ~。
さて、今回のお題は、第969回で話題にしたPS2のゲーム『グリムグリモア』です!」
 「そのまま元記事の雑談の続きをやるので、未読の方は先にそっちを読んで欲しい。で、クリアはしたのか?」
 「はい、ノーマルレベルでシナリオ全クリしました♪ ラスト手前の5-4は四方を敵に囲まれててかなり苦労したけど、最終面は下に長いマップをゆっくり降りていけばいいだけなので楽でしたね。後はフリートライをゆっくり攻略していくだけです。ちなみに、全話通して一番苦労したのは3-5でした。こちらが錬金術系しか使えないのに、敵は複数種の系統を使って猛攻をかけて来るので、油断するとあっという間に殲滅されてしまいます」
 「難易度ハードに挑戦する気はねーのか? シナリオとフリートライをノーマルで全部クリアしたら選択出来るようになるんだろ?」
 「してもいいけど、旨味がないんですよ……ストーリーが変化するとか、ギャラリーモードが埋まるとか、新しいユニットが使えるようになるとか、何かオマケが付けば喜んでやるんですけど」
 「あ~、そりゃ……やり込み好きな人間ならともかく、ヌルゲーマーにはキツイ仕様だな」
 「じゃあ、ハードゲーマーの貴方がやってみせて下さい」


―ストーリーはどうなの?―


 「話を変えて、だ。一通りクリアしてみて、物語的にはどうだったんだ?」
 「プロローグのムービーが素敵で、かなり期待したんですけど……気付いたらいつの間にか終わっていたという、印象の薄いお話でした。ボリューム不足かつ、選択肢無しの一本道だったのがネックですね」
 「粗筋読む限り、同じ五日間を繰り返し体験し、次第に真相に近付いていくという、定番ながら魅力的なネタだと思うんだが? ボリューム不足って言うが、五日間×五周で、それなりに長さもあるだろ」
 「キツイ言い方ですが、殆どのエピソードが単なるキャラ紹介と、無理矢理戦闘させるために用意した小さな事件で終わってるんですよ。核心に迫る情報の見せ方もイマイチな上に、最後のオチも平凡で、ネタ振りの割には肩すかしと言った印象でした」
 「夜な夜な現れる魔女の亡霊とか、封印された魔王とか、らしいネタは転がってるんだから、上手く処理すりゃ面白くなったんだろうにな。あ~、魔法や錬金術絡みのタイムパラドックス物と言や、『シャドウ・オブ・メモリーズ』は面白かったなァ……。もっとも、あっちはアドベンチャーゲームなんで、比較するのが間違ってると言えばそれまでだが」
 「個々のキャラは好きなんですけどね~。主人公のリレちゃん可愛いし、悪魔のアドヴォカート先生は怪しいけど格好良いし、シャルトリューズ先生って獅子頭だけど紳士だし、何と言ってもリレの愛を求めるアマレットが凄まじく妖艶で――」
 「結局百合話に戻ってくるのか……てめーはよ」
 「それについては、いずれゆっくり話し合いましょう。
で、そんなキャラを生かし切れてない本編シナリオに不満を抱いていた矢先、素敵なページを発見してしまいました♪

→ハンタさんのブログ『いいこ いいこ』

『グリムグリモア』のショートストーリーを50話も掲載(まだまだ更新中)されてて、それがとっても御上手なのです! メインはリレとアドヴォカート先生のラブコメですが、他のキャラも魅力的に描かれてます。特に、リレの世話役のガフが生き生きしてますね! 原作ゲームだと、巡る五日間の初日に同じ台詞ばかり言わされる可哀相な役回りだっただけに嬉しいです」
 「ほ~う? だったら、なんぼのもんかあたしが見てやろうじゃねぇか」
 「くだらないこと言ったら滅殺しますよ」


―楽屋裏でも書評しちゃいます―


 「あー……3~5話でリレとアドヴォカートが結婚してるが、ファン的にアリなのか? あたしは原作を丸無視ぶっこいた二次創作ってのが大嫌いなんだが」
 「私がここのSSを気に入って全部読んじゃったのは、まさにその結婚話の出来が良かったからです♪ 契約話自体はゲーム本編にもあるんですが、それをちょこっといじって、上手く独自の展開に持ち込んでます。キャラも原作そのままで、不自然さがまったくありません。非常に秀逸な二次創作だと思います♪」
 「メインストーリーは少女漫画的異種族間ラブコメの王道だな。いつもはリレをからかって遊んでるアドヴォカートだが、彼女が時折見せる意外な反応に、悪魔と人間の思考の違いやら時間のズレを感じる、ってとこか」
 「28・29話のマフラー絡みのすれ違い話とか、そのままですね。無論、シリアスな話もちゃんとあって、19~21話の三連作などは綺麗なラブストーリーになっています」
 「いやいや、いつもはボケ担当のキャラが、ツッコミ担当の危機に際して格好良くなるってのもラブコメのお約束だろうよ」
 「お約束をきちんと描けるって、素敵なことだと思いますよ~。確かに、直球ド真ん中なラブコメ話は多いですが、キャラは生きてるし、プロット的に破綻してる話もありません」
 「あたしは定番のラブコメよりも、22話、37話、43話といった一発ネタの方が好みだな。ショートストーリーの醍醐味ってのは、こういう仕掛けとオチにあるんだ。特に37話の先生の『日頃言えない一言』は――わははははは! そうきたか! って感じで大いに笑わせて頂いた。リレとしちゃ、愛の叫びとかを期待してたんだろうが、コメディならこうでないと駄目だろう。43話の方は、何が飛び出すかは大体想像が付いたんだが、その後のまとめが面白すぎる」
 「(やれやれ……何だかんだ言ってかなりハマってますね)
あと、ハンタさん独自の解釈として、『育った環境から、リレは誰かに甘えることに慣れていないのではないか?』というのがあるのですが、これがゲームの設定と上手く噛み合っており、違和感なく原作の続きを楽しむことが出来ます。23話のハロウィン話、40話のちょっとオトナな雰囲気の話は、それを見事に生かした秀作です」
 「それについては同感なんだが……32話とか、キャラ完全に変わってないか?」
 「あ、50話全部同じ設定でつながってるわけではないですね。リレがバディドに恋しているバージョンの24話とか、アドヴォカート先生とリレが昔出会っていたら? という設定の30・31話とか、時間軸、キャラ関係等は結構パラレルしてたりします。ショートストーリーだからこそできる実験と言っていいでしょう」
 「ほっといたら全話紹介しちまいそうだな……とりあえず、それぞれの一押しを挙げて切り上げるか?」
 「私の一押しは、断然34話です! じらされてじらされて、遂にここまで来たか! という一編でした。リレもいつまでも子供な筈はないので、こういう話もないと欲求不満が――」
 「お前……実は昼メロ大好きだろ?
あたしの一押しは、さりげに怖い16話だ。この話に限らないが、アドヴォカートが暗黒面を見せる話は、悪魔らしくていいな」
 「ここでは紹介してませんが、リレとアドヴォカート先生以外のキャラの話もちゃんとあります。第7話なんて、アマレットファンには垂涎ものですよ♪ とにかく、『グリムグリモア』好きの方は必見です。
最後になりましたが、一挙50話、隅々まで堪能させて頂きました! ハンタさん、ありがとうございました!」 
 「『ショートショートの世界』紹介時にちょっと書いたが、こういう作品が増えれば、ショートショートも多少復権するだろうになァ……。
てなわけで、今回の楽屋裏は終了だ。次回がいつになるかは不明だが、縁があったらまた会おう」

(2008年5月16日公開)



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