つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

劇画ってパロディにし易いよね

2007-01-10 23:29:59 | マンガ(少年漫画)
さて、珍しくギャグマンガな第771回は、

タイトル:課長バカ一代(全七巻)
著者:野中英次
出版社:講談社 ワイドKC(初版:H8~)

であります。

ギャグマンガの常識を覆す巻数を記録した『魁!!クロマティ高校』の作者が送る、社会派ギャグマンガ。(?)
池上遼一風の絵で、これでもかと阿呆なことをやらかしてくれます。
(ちゃんとカバーに但し書きがしてあるあたり、芸が細かい……)



松芝電機・商品開発部・企画課係長・八神和彦33歳は一つの辞令を受けた。
課長みたいなモンの椅子を用意するという、非常にありがたい話である。
正式な肩書は課長補佐代理心得なのだが、本人は既に課長気分でいた。

課長補佐代理心得になってからも、社内の待遇は殆ど変わらない。
苛立つ八神、そして、襲い来る数々の苦難!
ソミー電機は企画部の企画を出し抜き、部長は自分の派閥に八神を引き入れようと企み、頭の堅い新任の係長は飲み会の誘いすら断って仕事に精を出す。

だが、八神のボケはそれらを一蹴する破壊力を秘めていた――!



何というか――
ショートギャグマンガの解説って難しいですね。

というわけで、課長補佐代理心得という、有り難いんだか迷惑なんだかよく解らない役職に昇進した八神和彦が、絶妙のボケで周囲を困惑させるギャグマンガです。
ネタは、新製品の開発から産業スパイまで、いかにも現実にありそうなものを扱っており、八神が持ち前のボケでそれらを茶化すというのが基本パターン。
ただ、中には現実に起こってもおかしくない事件もあり、単なるギャグでは終わらない、侮れない作品だったりします。
(特に第九章の『ウィンドゥズ初心者がやらかすボケ』などは、八神以上に凄いことをやってくれる人が現実に沢山いる)

この手の作品の宿命ですが、話が進む毎にサブキャラもどんどん増えていきます。
個人的に一番のお気に入りは、八神の直属の部下、係長・前田仁。
出た当初は仕事の鬼で、ボケまくる八神に釘を刺すツッコミ役だったのですが、巻が進むごとに感化されてゆき、最後は強面で大ボケをかます凄い人になりました。(真面目なのは変わらないけど)

あ~あるある、と思う話もあり、をいをい、とツッコミ三昧の話もあり、と色んな意味で笑えます。オススメ。
ごくごくごくたま~に、真面目なことを言う場合もあるけど、基本はボケまくりの八神さんの活躍をお楽しみ下さい。(笑)


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