さて、もしかしてサッカー漫画紹介するの翼君以来? な第969回は、
タイトル:GIANT KILLING(1~5巻:以下続刊)
原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
出版社:講談社 モーニングKC(初版:'07)
であります。
―久々にゲーム買いました―
「ホタルっす」
「こんにちは、マユでーす♪」
「激しく似合いませんね……」
「それはお互い様だ」
「さて、本日紹介するのは、PS2のリアルタイムシミュレーションゲーム『グリムグリモア』です」
「おい、さも当たり前のようにゲームの紹介すんなよ……」
「つい先日、2800円の超特価で見つけて衝動買いしちゃいました♪ 絵が超好みなので前から欲しかったんですよ~、これ」
「で、見た目に反してかなりガチなシミュレーションだったんで、三日で轟沈したってオチだろ? パッケージに騙される奴の典型だな、ケケケケ」
「失礼なっ! ちゃんとノーマルレベルで進めて、もうすぐクリアすることろ(現在5-3攻略中)ですっ!」
「ホタルがストーリーよりもシステム優先のガッチガチ・シミュレーションを攻略してるとは……明日は雨――いや、槍だな。ついでに流星とかも落ちてくるかも知れねー」
「そこまで言いますか……。まぁ確かに、シナリオ部分がほとんどオマケに近いことは認めますけど。ううっ、せめて面クリア毎に一枚絵とか入れて欲しかった……」
「そういうデコレーション部分は置いてといて、実際のゲーム部分はどうなんだ?」
「うーん……面白いけど、人を選ぶゲームですね~。マップ上に魔法陣を配置してユニットを召喚し、下位ユニットにマナを集めさせて上位ユニットで敵陣を攻めるというオーソドックスなシステムなのですが、リアルタイムなので気付いたら手遅れって事態がよくあります」
「コマンド選択時にはポーズがかかるんだから、ゆっくりやれば問題ねーんじゃねえか?」
「このゲームのユニットには四つの属性があって、属性同士の相性が戦局を大きく左右するんですが、乱戦になるとそれを考慮して戦うのが困難になるんです。お互い使えるユニットが限定されている初期マップならまだしも、属性四つ×五種類=二十種類の異なるユニットが入り乱れる後期マップでは、敵の行動を先読みして召喚・指示を繰り返さないと戦況に対処できません。おまけに、属性とは別に実体・霊体の二つのボティタイプがあって、これも無視すると地獄を見ます」
「それは普通のターン式シミュレーションでも同じだと思うが……リアルタイム式だとユニットが勝手に動く分、不測の事態が発生しやすいってことだな」
「ですです。あと、痛いのは索敵の概念があることですね。自軍ユニットの視界外のマップは暗くて見えない上、一度ユニットを送り込んでも、それを破壊されるとまた元に戻ってしまいます。暗闇の中から唐突にドラゴンが現れたり、複数のユニットを運べるカロンが大量の敵を送り込んでたりしたら目が点になりますよ」
「うっわー、今、マップの先が暗くて見えない『伝説のオウガバトル』を想像したぞ……洒落になってねぇ」
「あれは部隊編成式だし、戦闘は別パート処理でタロットによる介入も可能だからまだいいけど、こちらは全部リアルタイム進行なのでキツ過ぎます。上位ユニットはまだしも、下位ユニットはHPが少ないので、敵に遭遇したら瀕死確定って場面が多すぎ……」
「とりあえずゲーム話はそこまでにしようぜ。続きは楽屋裏で、だ」
―どんな漫画かなぁ?―
「では気を取り直して……本日御紹介するのは、王子と愉快な仲間達がリーグ制覇を目指すサッカー漫画『GIANT KILLING』――通称『ジャイキリ』です!」
「この漫画の主役は王子じゃねぇっ!」
「え? 違うんですか?」
「つーか、主役が二巻から登場するってどんな漫画だよ……。
簡単に粗筋を書くと、絶頂期に日本を離れた名プレイヤー・達海猛が古巣ETU(East Tokyo United)に監督として戻り、癖のあるメンバーをまとめて低迷するクラブの建て直しを図る、ってな話だ。言ってみりゃ、『がんばれベアーズ』のサッカー版だな」
「(古っ!)各人物の書き分けが非常に上手く、群像劇として面白いのでサッカー詳しくなくても楽しめるのがウリです」
「監督が主役で、クラブの内幕も描いてるため、試合の場面が少ないのが難と言えば難か」
「でもその分、試合の盛り上がりは半端じゃないですよ。Jリーグ見たことない私でも、王子がボール持つと興奮しちゃいますもん」
「それは単に、お前が熱狂的な王子ファンだからだろ……。キャラの話をした方が面白そうだから、ちょろちょろっと主要人物紹介なぞやってみるかね」
「では、主役の達海猛。
ETUの監督さんです。いー加減なようで計算高く、不真面目なようでひたむき、冷たいようで人情派という、ひねくれてるけど基本的にはいい人。弱いチームが強い奴等をやっつける(ジャイアント・キリング)が大好きで、過去に移籍したのも海外の弱小クラブだったようです。多くの方々から一度ETUを裏切った人物と見られていますが、これには何か裏がある――かも」
「では、こちらはキャプテンの村越茂幸。
達海が抜けた後のチームを十年間支え続けた、ミスターETUと呼ばれる男。臆面もなく帰ってきた達海に激しい敵意を向けるが、自分がETUの抱える問題を背負いすぎていたことを指摘され、以後は一選手として精進することを決める。苦労したためかいつも仏頂面だが、実はかなり熱い漢」
「では、真打ち登場の王子!!!」
「ああ、ルイジ吉田な」
「王子をその名で呼ぶなぁっ!
王子! もしくはジーノ! それ以外の呼び方は不許可です!」
「ETUの司令塔で、精度の高いキックを武器にゲームコントールからシュートまでこなす攻撃の要。ただ、守備に参加しない上、疲れるとすぐサボるので使い所は難しい。軽い言動とニヤケた面で周囲を振り回す割には、各個人のことはよく見ており、時々鋭い発言をすることがある。底の見えない年齢不詳男」
「とにかく気障で格好良いキャラです! 放つ言葉はすべて名言! あ~、入場時に王子と手をつないでた女の子だけ狂喜乱舞してたけど、その気持ちはよく解るっ! 王子最高~♪」
「(一生そうやってろ……)では、ETU期待の新星・椿大介。
とんでもないトップスピードを誇る守備的MF。チキンハートのため好不調の波が激しく、なかなか芽が出なかったが、達海の激励を受けて奮起し、新星ETUの切り込み隊長としてフィールドを駆け回る。王子曰く、「ボクが飼ってる犬のバッキー」(笑)。選手時代の達海と同じ背番号を付けており、今後も色々活躍してくれそうな成長過程キャラ」
「では最後にゴールキーパーの緑川宏。
チーム最年長のベテランで、通称はドリさん。年齢故か一歩引いた位置でチームメイトを見ており、さりげない場面でフォローを入れてくれる素敵なオジサマです。ポジションがポジションだけに、活躍の場面よりも点を取られてしまう場面の方が目立ってしまうのがちょっと可哀相かも(しかもドリさんの責任じゃないことの方が多い)。どう見ても達海さんより二歳年下には見えない件については……言わないであげて下さい」
「メインはこんな所だが、チョイ役でも意外な所で出番をもらってたりするので侮れない漫画だ。時間があったら、全メンバーリストとか作ってみたい気はするな」
―総評としては?―
「各キャラの個性溢れる会話が非常に面白いです。特に、落として持ち上げて煙に巻いて導く達海さんの話術は一級品ですね! 試合中の選手同士の会話も楽しいし、とにかくテンポ良く読めます」
「大人のための少年誌『モーニング』らしい漫画だ。いわゆるジャンプ的王道の努力・友情・勝利を軸に、大人の苦労を入れることで、青年誌らしい作品に仕上げている。まぁ、さすがに必殺シュートとかは出てこないけどな」
「翼君は、あれはあれで面白いですけどね。サッカー詳しくないので何とも言えませんが、現実にあり得ない点の取り方とか、これは戦術的にどーかなーと思う部分はなかったと思います。なので、サッカー好きの方もそうでない方も一度読んでみて下さい!」
「トーナメント式の大会ではなく、Jリーグが舞台なので、負け試合も引き分け試合もちゃんとあるのはあたし好みだな。監督が変わっただけで連戦連勝、なんて御都合主義の展開よりも、らしくていい。周囲を唖然とさせるようなやり方で逆境に立ち向かう達海も、ちゃんと主人公してるし、少なくとも今出ている五巻まではオススメの漫画だろう」
「嘘……マユさんが素直に作品を褒めるなんて……明日は世界の終わり? それとも、もう世界終わった?」
「何なら、お前のセカイだけ今すぐ終わらせてやろうか?」
→この記事の楽屋裏を覗いてみる。
→せっかくだから、『つれづれ総合案内所』にも立ち寄ってみる。
タイトル:GIANT KILLING(1~5巻:以下続刊)
原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
出版社:講談社 モーニングKC(初版:'07)
であります。
―久々にゲーム買いました―
「ホタルっす」
「こんにちは、マユでーす♪」
「激しく似合いませんね……」
「それはお互い様だ」
「さて、本日紹介するのは、PS2のリアルタイムシミュレーションゲーム『グリムグリモア』です」
「おい、さも当たり前のようにゲームの紹介すんなよ……」
「つい先日、2800円の超特価で見つけて衝動買いしちゃいました♪ 絵が超好みなので前から欲しかったんですよ~、これ」
「で、見た目に反してかなりガチなシミュレーションだったんで、三日で轟沈したってオチだろ? パッケージに騙される奴の典型だな、ケケケケ」
「失礼なっ! ちゃんとノーマルレベルで進めて、もうすぐクリアすることろ(現在5-3攻略中)ですっ!」
「ホタルがストーリーよりもシステム優先のガッチガチ・シミュレーションを攻略してるとは……明日は雨――いや、槍だな。ついでに流星とかも落ちてくるかも知れねー」
「そこまで言いますか……。まぁ確かに、シナリオ部分がほとんどオマケに近いことは認めますけど。ううっ、せめて面クリア毎に一枚絵とか入れて欲しかった……」
「そういうデコレーション部分は置いてといて、実際のゲーム部分はどうなんだ?」
「うーん……面白いけど、人を選ぶゲームですね~。マップ上に魔法陣を配置してユニットを召喚し、下位ユニットにマナを集めさせて上位ユニットで敵陣を攻めるというオーソドックスなシステムなのですが、リアルタイムなので気付いたら手遅れって事態がよくあります」
「コマンド選択時にはポーズがかかるんだから、ゆっくりやれば問題ねーんじゃねえか?」
「このゲームのユニットには四つの属性があって、属性同士の相性が戦局を大きく左右するんですが、乱戦になるとそれを考慮して戦うのが困難になるんです。お互い使えるユニットが限定されている初期マップならまだしも、属性四つ×五種類=二十種類の異なるユニットが入り乱れる後期マップでは、敵の行動を先読みして召喚・指示を繰り返さないと戦況に対処できません。おまけに、属性とは別に実体・霊体の二つのボティタイプがあって、これも無視すると地獄を見ます」
「それは普通のターン式シミュレーションでも同じだと思うが……リアルタイム式だとユニットが勝手に動く分、不測の事態が発生しやすいってことだな」
「ですです。あと、痛いのは索敵の概念があることですね。自軍ユニットの視界外のマップは暗くて見えない上、一度ユニットを送り込んでも、それを破壊されるとまた元に戻ってしまいます。暗闇の中から唐突にドラゴンが現れたり、複数のユニットを運べるカロンが大量の敵を送り込んでたりしたら目が点になりますよ」
「うっわー、今、マップの先が暗くて見えない『伝説のオウガバトル』を想像したぞ……洒落になってねぇ」
「あれは部隊編成式だし、戦闘は別パート処理でタロットによる介入も可能だからまだいいけど、こちらは全部リアルタイム進行なのでキツ過ぎます。上位ユニットはまだしも、下位ユニットはHPが少ないので、敵に遭遇したら瀕死確定って場面が多すぎ……」
「とりあえずゲーム話はそこまでにしようぜ。続きは楽屋裏で、だ」
―どんな漫画かなぁ?―
「では気を取り直して……本日御紹介するのは、王子と愉快な仲間達がリーグ制覇を目指すサッカー漫画『GIANT KILLING』――通称『ジャイキリ』です!」
「この漫画の主役は王子じゃねぇっ!」
「え? 違うんですか?」
「つーか、主役が二巻から登場するってどんな漫画だよ……。
簡単に粗筋を書くと、絶頂期に日本を離れた名プレイヤー・達海猛が古巣ETU(East Tokyo United)に監督として戻り、癖のあるメンバーをまとめて低迷するクラブの建て直しを図る、ってな話だ。言ってみりゃ、『がんばれベアーズ』のサッカー版だな」
「(古っ!)各人物の書き分けが非常に上手く、群像劇として面白いのでサッカー詳しくなくても楽しめるのがウリです」
「監督が主役で、クラブの内幕も描いてるため、試合の場面が少ないのが難と言えば難か」
「でもその分、試合の盛り上がりは半端じゃないですよ。Jリーグ見たことない私でも、王子がボール持つと興奮しちゃいますもん」
「それは単に、お前が熱狂的な王子ファンだからだろ……。キャラの話をした方が面白そうだから、ちょろちょろっと主要人物紹介なぞやってみるかね」
「では、主役の達海猛。
ETUの監督さんです。いー加減なようで計算高く、不真面目なようでひたむき、冷たいようで人情派という、ひねくれてるけど基本的にはいい人。弱いチームが強い奴等をやっつける(ジャイアント・キリング)が大好きで、過去に移籍したのも海外の弱小クラブだったようです。多くの方々から一度ETUを裏切った人物と見られていますが、これには何か裏がある――かも」
「では、こちらはキャプテンの村越茂幸。
達海が抜けた後のチームを十年間支え続けた、ミスターETUと呼ばれる男。臆面もなく帰ってきた達海に激しい敵意を向けるが、自分がETUの抱える問題を背負いすぎていたことを指摘され、以後は一選手として精進することを決める。苦労したためかいつも仏頂面だが、実はかなり熱い漢」
「では、真打ち登場の王子!!!」
「ああ、ルイジ吉田な」
「王子をその名で呼ぶなぁっ!
王子! もしくはジーノ! それ以外の呼び方は不許可です!」
「ETUの司令塔で、精度の高いキックを武器にゲームコントールからシュートまでこなす攻撃の要。ただ、守備に参加しない上、疲れるとすぐサボるので使い所は難しい。軽い言動とニヤケた面で周囲を振り回す割には、各個人のことはよく見ており、時々鋭い発言をすることがある。底の見えない年齢不詳男」
「とにかく気障で格好良いキャラです! 放つ言葉はすべて名言! あ~、入場時に王子と手をつないでた女の子だけ狂喜乱舞してたけど、その気持ちはよく解るっ! 王子最高~♪」
「(一生そうやってろ……)では、ETU期待の新星・椿大介。
とんでもないトップスピードを誇る守備的MF。チキンハートのため好不調の波が激しく、なかなか芽が出なかったが、達海の激励を受けて奮起し、新星ETUの切り込み隊長としてフィールドを駆け回る。王子曰く、「ボクが飼ってる犬のバッキー」(笑)。選手時代の達海と同じ背番号を付けており、今後も色々活躍してくれそうな成長過程キャラ」
「では最後にゴールキーパーの緑川宏。
チーム最年長のベテランで、通称はドリさん。年齢故か一歩引いた位置でチームメイトを見ており、さりげない場面でフォローを入れてくれる素敵なオジサマです。ポジションがポジションだけに、活躍の場面よりも点を取られてしまう場面の方が目立ってしまうのがちょっと可哀相かも(しかもドリさんの責任じゃないことの方が多い)。どう見ても達海さんより二歳年下には見えない件については……言わないであげて下さい」
「メインはこんな所だが、チョイ役でも意外な所で出番をもらってたりするので侮れない漫画だ。時間があったら、全メンバーリストとか作ってみたい気はするな」
―総評としては?―
「各キャラの個性溢れる会話が非常に面白いです。特に、落として持ち上げて煙に巻いて導く達海さんの話術は一級品ですね! 試合中の選手同士の会話も楽しいし、とにかくテンポ良く読めます」
「大人のための少年誌『モーニング』らしい漫画だ。いわゆるジャンプ的王道の努力・友情・勝利を軸に、大人の苦労を入れることで、青年誌らしい作品に仕上げている。まぁ、さすがに必殺シュートとかは出てこないけどな」
「翼君は、あれはあれで面白いですけどね。サッカー詳しくないので何とも言えませんが、現実にあり得ない点の取り方とか、これは戦術的にどーかなーと思う部分はなかったと思います。なので、サッカー好きの方もそうでない方も一度読んでみて下さい!」
「トーナメント式の大会ではなく、Jリーグが舞台なので、負け試合も引き分け試合もちゃんとあるのはあたし好みだな。監督が変わっただけで連戦連勝、なんて御都合主義の展開よりも、らしくていい。周囲を唖然とさせるようなやり方で逆境に立ち向かう達海も、ちゃんと主人公してるし、少なくとも今出ている五巻まではオススメの漫画だろう」
「嘘……マユさんが素直に作品を褒めるなんて……明日は世界の終わり? それとも、もう世界終わった?」
「何なら、お前のセカイだけ今すぐ終わらせてやろうか?」
→この記事の楽屋裏を覗いてみる。
→せっかくだから、『つれづれ総合案内所』にも立ち寄ってみる。