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政治と生活を考える会 ー責任ある自立と共生の社会をめざしてー

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第5回 政経フォーラムのご報告 ―その2―

2012-06-12 23:10:38 | 政経フォーラム

 前回の「ご報告 ―その1―」に続き、今回からは、ご講演下さった階代議士、と辻代議士のお話の中身をできる限り、忠実にここで紹介させていただきたいと思います。 但し、この文責は、あくまで当会にあることをご承知おきいただきたいと思います。
まずは、階(しな)猛代議士のご講演レポートです。

 初めてお目にかかった階代議士は、長身で見るからに「冷静沈着」が服を着ているような方という印象でした。それが、お話をお聞きしていく内に、そのクールさの中に秘められた正義感の塊のような熱い思いがひしひしとこちらに伝わってきました。いやぁ・・・森ゆうこ議員と同じように、検察や法務官僚からどんな圧力をかけられても絶対に屈しない政治家だろうな、という印象。

 さて、その階代議士は今でもあの2009年の西松建設献金事件にはとても腹立たしく思っているそうです。3月3日に大久保秘書が逮捕されたその日に、民主党岩手県連にも強制捜査がはいり、県連と同じフロアーに事務所を構える階代議士のところにも捜査員が押しかけたんだそうです。慌てた秘書が階代議士に電話をかけてきたので、「捜査礼状を見せろ、と言いなさい」と指示したところ、諦めて帰っていったそうです。「きっと、私が弁護士でなければ書類も持っていかれていたでしょう」と階代議士。
 かつて、長銀の法務部門で働いていらした階代議士は、その時に粉飾決算などの疑いで役員が逮捕されるという事件に遭遇します。
いわゆる「長銀事件」です。その時に役員らは逮捕、起訴されることになるのですが、その後、最高裁では結局、無罪となったあの事件です。1999年に起こった事件ですが、その時から特捜に対して、強い怒りと疑念を持たれているようです。
というのも、無実で捜査、起訴され、一方的なマスコミ報道で役員の方々は本当に苦労され、今もそれは続いている。しかし、無罪となっても、特捜もマスコミも何の謝罪もない、これは本当に理不尽なことだと。ですから、西松事件を見た時に、あの長銀事件とまた同じことが起きたと直感したそうです。
なぜなら、当時は政権交代間近で、小沢総理が誕生する寸前だった時。
しかし、その当時、3月3日から、5月11日の小沢さんが代表を辞任するまで、新聞、テレビによるあの報道を皆さん思い出して下さい、「小沢辞めろ!」の洪水のようなバッシングが日夜繰り返されましたよね。 しかし、そんな中、民主党では政治資金についての第三者委員会(郷原信郎氏、飯尾潤氏ら)を立ち上げ、最終報告では検察・マスコミのあり方について提言をしているにもかかわらず、マスコミは一切報道しませんでした。

 さて、ここから私なりに階代議士のお話を時系列に整理してみようと思います。

 【2009年5月11日】 絶妙のタイミングで小沢さんが辞任。 民主党はその後、総選挙勝利、政権交代と突き進んでいくわけですが、ここで検察はいわゆる「陸山会事件」を起こします。小沢さんの陸山会への4億円の立て替えについて、収支報告書に記載がないとして、取り調べを開始していきます。水谷建設の裏金がこの4億円に入っていると、検察はマスコミにリークを繰り返していきます。でも、証拠もないのに、無理やりに事件にしていこうという動きだったことは私の記憶にも鮮明に残っています。
 「では、何故か? ここからは私の推論ですが・・・」と階代議士、 2010年1月13日に、大久保秘書の西松建設事件の第2回公判で、西松建設幹部が「ダミー団体ではないと認識」という証言をしました。このことによって、検察側の用意した証人によって、検察の作ったストーリーが崩れる結果となったわけです。そしてこの証言により、検察は陸山会事件に軸足を持ってゆくことになります。

【5月14日】この日の未明に陸山会事務所を強制捜査。
【5月15日】元秘書の石川知裕議員を逮捕

 検察もマスコミもこっちの方に向きをかえていきます。
【2010年1月23日】小沢元代表が事情聴取される。
【2月1日】再聴取
【2月3日】嫌疑不十分で不起訴。
【4月27日】検察審査会で「起訴相当」の議決を受ける。このことによって検察は
再度取り調べを開始。
【5月17日】田代検事による石川議員への事情聴取が行われる。この際に捜査報告書が後に捏造であることが判明されることになる。
【10月4日】これらの捏造は伏せられたまま、二度目の「起訴相当」議決が9月14日にされていた、という新聞報道がなされる。「この検察審査会の議決に関してはいろいろと怪しいことがあるんですが、詳しいことは森ゆうこ議員が調べておられるので参照下さい」と階代議士。

 そして、ここからは、具体的に検察審査会の議決の問題点を語って下さいました。

検察審査会での強制起訴では、1回目と2回目の議決内容は一致しないといけない。ところが今回はその内容が違っていた。
1回目では、土地の購入時期をずらしたことが問題とされたが、2回目は4億円の不記載が問題にされた。この不記載については、1回目の議決に含まれていない為に強制起訴は無効であるという行政争訟を起こしたが、「それは刑事裁判の中で争え」と一蹴されることになる。 そして、これは大変な問題であるということを強く言われました。刑事裁判になって被告人になってからでは、遅いのだ、それが我々の主張でしたと階代議士。何も悪いことをしていないのに、いい加減な手続きによって強制起訴で刑事裁判の被告人という立場にされてしまう。この間違った議決を正さないと一般市民の人権がないがしろにされてしまう。しかし日本の裁判所は人権意識が薄く、被告人になることは大きな問題ではないというような判断をしてしまう傾向にあると問題定義されました。

【2011年1月31日】強制起訴。
これは、2010年10月4日に検察審査会で強制起訴議決がなされているが、実際に起訴するのは指定弁護士が検察官役で起訴してはじめて強制起訴となる。後になってわかったこととして、石川議員を取り調べた田代検事が偽造の捜査報告書を作っていたにもかかわらず、また検察はそれを把握していたのに、指定弁護士にはその報告書が偽造であるということを一切伝えていなかった。

 今回の田代検事の捏造捜査報告書は、前田検事のフロッピー改竄より更に悪質です。
しかもこの報告書によって、石川議員は「報告・了承」という逮捕時の供述を維持されている。(石川議員は、共謀にあたるような報告も了承もないということを主張)
ただ、マスコミはこういうことを一切報道していません。フロッピー改竄の件では、最高裁が直ちに動き、前田検事、大坪部長、佐賀副部長は逮捕されいる。ところが、今回の捏造報告書に関しては検察は動く気配もない。(市民団体からは、告発状も出ている。偽造業務妨害罪並びに虚偽有印公文書作成罪)。
「逃げおおせると、曖昧に済ませられると思っているようですが、これは検察の捜査について根本的な見直しを迫るものであると思います。取り調べの可視化は避けられないと思います」と強く言い切る階代議士の言葉は政治家として弁護士としての怒りとそれを改革することへの使命感を感じさせるものでした。

 告発された田代検事が不起訴処分になるだろうと言われています。しかし、そうなると告発した市民の会は検察審査会に訴えるでしょう。
つまり・・・小沢さんを些細な虚偽記載(記載期日のズレ)ですら、強制起訴になったわけですから、これだけの重要な捜査報告書の虚偽記載ですから、どうなるか・・・。
当然、強制起訴になる。誰の目にも明らかなことです。すなわち、「この事件は小説よりも奇なり」。
虚偽記載で小沢一郎氏を追い詰め、強制起訴に持っていった検察が、今度は虚偽文書の作成で追い詰められている・・・という展開です。
そして最後に階代議士が「まさにブーメラン現象です。 私は徹底的にこの問題について正しいことを言い続けなければならないと思っています。皆様も引き続きこの事実を知っていただいてマスコミに惑わされないよう頑張って応援していただきたい。」と訴えられました。 以上  (by代表 森田)


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