「-その1-」から第一部の孫崎享先生のご講演の内容をずっとご報告として
ここにご紹介しています。 かなり忠実に再現させていただいていますが、文責は
何度も書きますが当会にありますのでその辺はご了解下さい。
さぁ、どんどん進めていきましょう。まだまだ先は長い・・・ですから(汗)
『最大のダブーに迫る! 戦後史の正体』ご報告 -その4-
そういうことで私は「戦後史の正体」という本を書きました。大阪の創元社という出版社は非常に立派な会社ですから
冒険もされない。最初に8千部刷ってもらいました。この手の本は八千部完売になるってのも難しい。
ところが、二ヶ月で20万部いきました。何故、20万部いったのか・・・
それは最初に言った
「我々は騙されてきてるんだ」
「真実を見せてもらってないんだ」
「日本の政治ってのは、どこかおかしい。このおかしさは、ひょっとすると今起こったことではないのかもしれない、
一番最初から起こったんではないのか?」
と思った20万の人が買ってくれたんです。
それは、大手新聞が宣伝したからではない。
書評は全く出なかった。
そしたら、今日(9月30日)やっと朝日新聞から出たんですね。
これみてビックリ!したんですよ。 これだけの大きなスペースを割いてくれてるんだから、よっぽど褒めてくれてるんだろうと
思ったんですね。
※ これより実際の朝日新聞の書評の部分は【】で示すこととします
【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。米が気にいらなかった指導者は
すべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押しして
いるのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない。】
いやぁ・・・すごい書評ですね。よくここまで書いてくれました!
それで、今日さっそくツイッターで「全部間違い!」と書いた(笑)
【ロッキード事件から全ては米国の陰謀だ】
って、これは中曽根さんが「天地有情-五十年の戦後政治を語る」(文藝春秋・1996年)にそう書いてるんです。
多くの人は政治家の書く本なんて誰もみません。 でもこの本はすごく詳しく書かれてる。
もちろん自分の悪いことは書いてませんけど・・。
何を書いてるかというと「キッシンジャーが、自分にロッキード事件はやり過ぎだった、と言った。」と中曽根(康弘)さんが
自分の本にそう書いてるんですよ、ちゃんと。
それなのに、【ロッキード事件は陰謀だった、という本】ってね。
アメリカがやっつけたんだから・・・。
郵政民営化、もちろん米国がやってるんですよ。
【TPPまで全ては米国の陰謀だった・・・】
って、TPPはそのものズバリなんだから。アメリカが圧力かけてるんだから。
【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。】
この三行全て間違ってる。
【米が気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
私は“すべて”なんて書いてない!
「戦後史の正体」の369ページに、自主派の政治家を追い落とすパターンもいくつかに分類できます、として
◆ 占領軍の指示により公職追放する
鳩山一郎 石橋湛山
◆ 検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ
芦田均 田中角栄 少し異色ですが小沢一郎
◆ 政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる
片山哲 細川護煕
◆ 米国が支持していないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める
鳩山由紀夫 福田康夫
◆ 選挙で敗北
宮沢喜一
◆ 大衆を動員し、政権を崩壊させる
岸信介
と分類までして上げたんですよ、わざわざ!
【指導者は全て検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
これ一体何なのでしょうね。この文章全然違ったことを書いてる。
【著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか】
外務官僚が書いて売れる本はほとんどありません。
肩書きでは全然売れません。
ということで、十行全部間違ってる。
十行全部間違ってる事を朝日新聞が堂々と書くこの神経ね・・・それ位、こういう本はやっぱり出てもらっちゃ困るんですね。
二ヶ月沈黙してたのはいい、だけどやっぱり無視は出来なかった。
無視できなくなったら、こういうのを書く。
逆に言うと、この本の価値が高いんですよね! ←ここで大拍手が起きる
ひねり潰さなくちゃいけない。
無視しないだけではなく、これだけ酷い書評を書く。
それも天下の朝日新聞が書かなくてはいけないというのはあまりにも情けない。
実は、アサヒ芸能という雑誌が書評を出した。これはちゃんとしてるんですよ。
アサヒ芸能の書評がちゃんとしてて、朝日新聞の書評がダメってのは、いくらなんでも酷いんじゃないかな。
面白いのは、プレイボーイとか、こういうところがちゃんと書いてくれているんです。
不思議ですね、日本の社会っていうのは・・・。
しかし、そういう意味では、日本の社会は多様化しました。
私は前は確かに外務官僚なんですね、ここにも書いてるように、ある程度は立派な肩書きなんです。
※ この辺は孫崎先生の笑顔でウイットに飛んだ話に会場も和やかな雰囲気になってます
普通は天下りポストがあるんです。
私は本はこれで10冊くらい書いてます。外務省の天下りポストっていくつかあって、大学教授に対する天下りもあるんです。
大学教授よりはよっぽど私の方が学生ウケはいいんだから・・・。
でも、そういう話も来なかったんです。
孫崎はけしからん!だから場所を与えない。
私は昔、中央公論というところで書いてたんですけど、これも、もう十何年原稿依頼が来ない。
1993年あたりが最後ですね。
来ないから、孫崎を封鎖してしまったと思ったんですよ。孫崎も終わりだと。
だけど、ツイッターがあったんですね!
たまたま京都の弁護士会に出かけました。京都の弁護士会の人に「先生、あなたはツイッターに向いてる。
ツイッターやりなさい。」と言われたわけです。
それで帰ってきて、千円のツイッターの本を買ってきてツイッターを始めた。
今はフォロワーが(10月7日現在)約48870人 ※ 日毎に増えています。
ものすごい勢いなんです。
ツイッターで「転ばぬ先のツイ」という本を出してくれた人がいる。
私のフォロワーの方が出してくれたんです。
私は全然書いてないんですけど、「先生の話は多くのツイッターやってる人は見てるからいいけど、ツイッターを
やってない多くの人に読んでもらう為に」というので「転ばぬ先のツイ」を出したんですね。
原発、TPP、日米同盟とかいろいろとマンガも入って非常に面白い本なんです。
その時、今年の三月の頃はフォロワーが35000だったと思います。それから考えると1万人以上増えた、ということは
フォローしたい人がいるんですね。
もちろんフォロワーの中には“ネトウヨ”もいるんです。
例えば今だと尖閣の問題・・・私はこれを棚上げと言ってるんです。
そうすると「孫崎さん、あなた中国に帰りなさい」と言ってくる。私は生まれが満州だから「中国へ帰れ」というのは
あながち的を外れてるっていう訳でもない(笑)
さて、これからある文章を読みますね
「日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し将来の解決に待つ事で
日中政府間の了解がついた」
「文章はなくとも政府対政府のれっきとした約束事であることは間違いない。約束した以上はこれを遵守するのが筋道である」
この文章を書いたのは読売新聞です。(1979年5月31日)
ビックリするでしょう! 調べていませんが、読売新聞だけじゃなく東京も毎日も朝日もこれと同じような事を言っていたでしょう。
だけど、今の日本はどうですか?
コレ、多分言ってるのは私くらいなんです。
だから、散々攻撃される。
だけど、面白いのは場所は与えてくれるんです、時々。
裏番組みたいなところでね。 表には出てこれない・・・「朝まで生テレビ」とか。
それから、頑張って大手で取り上げたのはテレビ朝日の「モーニング・バード」の玉川徹さん。
一番最初に原発に切り込んだ。すごい人だなぁ・・・と思って見ていたら、いつの間にか出してくれるようになった。
そういう意味でも切り込んでる数少ない一人。若い世代の中にこれじゃぁイカンのではないか!というジャーナリストが
出てきたのだと思います。
ツイッターで今もいろいろとやってるんですけど、NHKの「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」
なんだ!アレは!と、せっせとツイッターでやってます。
一番最初に気がついたのは「歴史に基づいて作られたフィクションです」と書いてある。
歴史に基づいたフィクションって何だ? 捏造だと言ってるようなものでしょ。
※ 確かに言われてみればそうですよね。“フィクション”を訳すと、“作り事”“虚構”“作者の想像力に
よって作り上げられた架空の物語”とかが出てきますから。それなのに歴史に基づいてる・・・なんか変です。
吉田茂の身長は156cm、渡辺謙は184cm、そこからして下駄を履かせてるんだから。
重要なことは、私が重光葵っていう人を紹介しましたが、やっぱり今の日本の政治家にもこういう人が出てきて欲しいですよね。
私の本を読んでる人と、そうでない人の格差があまりにも大きいと思うんです。
-その5- へ続く
ここにご紹介しています。 かなり忠実に再現させていただいていますが、文責は
何度も書きますが当会にありますのでその辺はご了解下さい。
さぁ、どんどん進めていきましょう。まだまだ先は長い・・・ですから(汗)
『最大のダブーに迫る! 戦後史の正体』ご報告 -その4-
そういうことで私は「戦後史の正体」という本を書きました。大阪の創元社という出版社は非常に立派な会社ですから
冒険もされない。最初に8千部刷ってもらいました。この手の本は八千部完売になるってのも難しい。
ところが、二ヶ月で20万部いきました。何故、20万部いったのか・・・
それは最初に言った
「我々は騙されてきてるんだ」
「真実を見せてもらってないんだ」
「日本の政治ってのは、どこかおかしい。このおかしさは、ひょっとすると今起こったことではないのかもしれない、
一番最初から起こったんではないのか?」
と思った20万の人が買ってくれたんです。
それは、大手新聞が宣伝したからではない。
書評は全く出なかった。
そしたら、今日(9月30日)やっと朝日新聞から出たんですね。
これみてビックリ!したんですよ。 これだけの大きなスペースを割いてくれてるんだから、よっぽど褒めてくれてるんだろうと
思ったんですね。
※ これより実際の朝日新聞の書評の部分は【】で示すこととします
【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。米が気にいらなかった指導者は
すべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押しして
いるのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない。】
いやぁ・・・すごい書評ですね。よくここまで書いてくれました!
それで、今日さっそくツイッターで「全部間違い!」と書いた(笑)
【ロッキード事件から全ては米国の陰謀だ】
って、これは中曽根さんが「天地有情-五十年の戦後政治を語る」(文藝春秋・1996年)にそう書いてるんです。
多くの人は政治家の書く本なんて誰もみません。 でもこの本はすごく詳しく書かれてる。
もちろん自分の悪いことは書いてませんけど・・。
何を書いてるかというと「キッシンジャーが、自分にロッキード事件はやり過ぎだった、と言った。」と中曽根(康弘)さんが
自分の本にそう書いてるんですよ、ちゃんと。
それなのに、【ロッキード事件は陰謀だった、という本】ってね。
アメリカがやっつけたんだから・・・。
郵政民営化、もちろん米国がやってるんですよ。
【TPPまで全ては米国の陰謀だった・・・】
って、TPPはそのものズバリなんだから。アメリカが圧力かけてるんだから。
【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。】
この三行全て間違ってる。
【米が気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
私は“すべて”なんて書いてない!
「戦後史の正体」の369ページに、自主派の政治家を追い落とすパターンもいくつかに分類できます、として
◆ 占領軍の指示により公職追放する
鳩山一郎 石橋湛山
◆ 検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ
芦田均 田中角栄 少し異色ですが小沢一郎
◆ 政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる
片山哲 細川護煕
◆ 米国が支持していないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める
鳩山由紀夫 福田康夫
◆ 選挙で敗北
宮沢喜一
◆ 大衆を動員し、政権を崩壊させる
岸信介
と分類までして上げたんですよ、わざわざ!
【指導者は全て検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
これ一体何なのでしょうね。この文章全然違ったことを書いてる。
【著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか】
外務官僚が書いて売れる本はほとんどありません。
肩書きでは全然売れません。
ということで、十行全部間違ってる。
十行全部間違ってる事を朝日新聞が堂々と書くこの神経ね・・・それ位、こういう本はやっぱり出てもらっちゃ困るんですね。
二ヶ月沈黙してたのはいい、だけどやっぱり無視は出来なかった。
無視できなくなったら、こういうのを書く。
逆に言うと、この本の価値が高いんですよね! ←ここで大拍手が起きる
ひねり潰さなくちゃいけない。
無視しないだけではなく、これだけ酷い書評を書く。
それも天下の朝日新聞が書かなくてはいけないというのはあまりにも情けない。
実は、アサヒ芸能という雑誌が書評を出した。これはちゃんとしてるんですよ。
アサヒ芸能の書評がちゃんとしてて、朝日新聞の書評がダメってのは、いくらなんでも酷いんじゃないかな。
面白いのは、プレイボーイとか、こういうところがちゃんと書いてくれているんです。
不思議ですね、日本の社会っていうのは・・・。
しかし、そういう意味では、日本の社会は多様化しました。
私は前は確かに外務官僚なんですね、ここにも書いてるように、ある程度は立派な肩書きなんです。
※ この辺は孫崎先生の笑顔でウイットに飛んだ話に会場も和やかな雰囲気になってます
普通は天下りポストがあるんです。
私は本はこれで10冊くらい書いてます。外務省の天下りポストっていくつかあって、大学教授に対する天下りもあるんです。
大学教授よりはよっぽど私の方が学生ウケはいいんだから・・・。
でも、そういう話も来なかったんです。
孫崎はけしからん!だから場所を与えない。
私は昔、中央公論というところで書いてたんですけど、これも、もう十何年原稿依頼が来ない。
1993年あたりが最後ですね。
来ないから、孫崎を封鎖してしまったと思ったんですよ。孫崎も終わりだと。
だけど、ツイッターがあったんですね!
たまたま京都の弁護士会に出かけました。京都の弁護士会の人に「先生、あなたはツイッターに向いてる。
ツイッターやりなさい。」と言われたわけです。
それで帰ってきて、千円のツイッターの本を買ってきてツイッターを始めた。
今はフォロワーが(10月7日現在)約48870人 ※ 日毎に増えています。
ものすごい勢いなんです。
ツイッターで「転ばぬ先のツイ」という本を出してくれた人がいる。
私のフォロワーの方が出してくれたんです。
私は全然書いてないんですけど、「先生の話は多くのツイッターやってる人は見てるからいいけど、ツイッターを
やってない多くの人に読んでもらう為に」というので「転ばぬ先のツイ」を出したんですね。
原発、TPP、日米同盟とかいろいろとマンガも入って非常に面白い本なんです。
その時、今年の三月の頃はフォロワーが35000だったと思います。それから考えると1万人以上増えた、ということは
フォローしたい人がいるんですね。
もちろんフォロワーの中には“ネトウヨ”もいるんです。
例えば今だと尖閣の問題・・・私はこれを棚上げと言ってるんです。
そうすると「孫崎さん、あなた中国に帰りなさい」と言ってくる。私は生まれが満州だから「中国へ帰れ」というのは
あながち的を外れてるっていう訳でもない(笑)
さて、これからある文章を読みますね
「日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し将来の解決に待つ事で
日中政府間の了解がついた」
「文章はなくとも政府対政府のれっきとした約束事であることは間違いない。約束した以上はこれを遵守するのが筋道である」
この文章を書いたのは読売新聞です。(1979年5月31日)
ビックリするでしょう! 調べていませんが、読売新聞だけじゃなく東京も毎日も朝日もこれと同じような事を言っていたでしょう。
だけど、今の日本はどうですか?
コレ、多分言ってるのは私くらいなんです。
だから、散々攻撃される。
だけど、面白いのは場所は与えてくれるんです、時々。
裏番組みたいなところでね。 表には出てこれない・・・「朝まで生テレビ」とか。
それから、頑張って大手で取り上げたのはテレビ朝日の「モーニング・バード」の玉川徹さん。
一番最初に原発に切り込んだ。すごい人だなぁ・・・と思って見ていたら、いつの間にか出してくれるようになった。
そういう意味でも切り込んでる数少ない一人。若い世代の中にこれじゃぁイカンのではないか!というジャーナリストが
出てきたのだと思います。
ツイッターで今もいろいろとやってるんですけど、NHKの「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」
なんだ!アレは!と、せっせとツイッターでやってます。
一番最初に気がついたのは「歴史に基づいて作られたフィクションです」と書いてある。
歴史に基づいたフィクションって何だ? 捏造だと言ってるようなものでしょ。
※ 確かに言われてみればそうですよね。“フィクション”を訳すと、“作り事”“虚構”“作者の想像力に
よって作り上げられた架空の物語”とかが出てきますから。それなのに歴史に基づいてる・・・なんか変です。
吉田茂の身長は156cm、渡辺謙は184cm、そこからして下駄を履かせてるんだから。
重要なことは、私が重光葵っていう人を紹介しましたが、やっぱり今の日本の政治家にもこういう人が出てきて欲しいですよね。
私の本を読んでる人と、そうでない人の格差があまりにも大きいと思うんです。
-その5- へ続く