政治と生活を考える会 ー責任ある自立と共生の社会をめざしてー

国民・市民として政治を見つめることが日々重要になってきています。素人の集団ですが皆様の応援をお願いします。

「第7回 政経フォーラム」ご報告 -その4-

2012-10-07 11:39:41 | 政経フォーラム
 「-その1-」から第一部の孫崎享先生のご講演の内容をずっとご報告として
 ここにご紹介しています。 かなり忠実に再現させていただいていますが、文責は
 何度も書きますが当会にありますのでその辺はご了解下さい。
 
 さぁ、どんどん進めていきましょう。まだまだ先は長い・・・ですから(汗)


 『最大のダブーに迫る! 戦後史の正体』ご報告 -その4-

  そういうことで私は「戦後史の正体」という本を書きました。大阪の創元社という出版社は非常に立派な会社ですから
 冒険もされない。最初に8千部刷ってもらいました。この手の本は八千部完売になるってのも難しい。
 ところが、二ヶ月で20万部いきました。何故、20万部いったのか・・・
 それは最初に言った

 「我々は騙されてきてるんだ」
 「真実を見せてもらってないんだ」
 「日本の政治ってのは、どこかおかしい。このおかしさは、ひょっとすると今起こったことではないのかもしれない、
  一番最初から起こったんではないのか?」

 と思った20万の人が買ってくれたんです。
 それは、大手新聞が宣伝したからではない。
 書評は全く出なかった。

 そしたら、今日(9月30日)やっと朝日新聞から出たんですね。
 これみてビックリ!したんですよ。 これだけの大きなスペースを割いてくれてるんだから、よっぽど褒めてくれてるんだろうと
 思ったんですね。

 ※ これより実際の朝日新聞の書評の部分は【】で示すこととします

 【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。米が気にいらなかった指導者は
 すべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押しして
 いるのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない。】

 いやぁ・・・すごい書評ですね。よくここまで書いてくれました!
 それで、今日さっそくツイッターで「全部間違い!」と書いた(笑)
 
 
             

 【ロッキード事件から全ては米国の陰謀だ】
 って、これは中曽根さんが「天地有情-五十年の戦後政治を語る」(文藝春秋・1996年)にそう書いてるんです。
 多くの人は政治家の書く本なんて誰もみません。 でもこの本はすごく詳しく書かれてる。
 もちろん自分の悪いことは書いてませんけど・・。
 何を書いてるかというと「キッシンジャーが、自分にロッキード事件はやり過ぎだった、と言った。」と中曽根(康弘)さんが
 自分の本にそう書いてるんですよ、ちゃんと。
 それなのに、【ロッキード事件は陰謀だった、という本】ってね。
 アメリカがやっつけたんだから・・・。 
 郵政民営化、もちろん米国がやってるんですよ。
 【TPPまで全ては米国の陰謀だった・・・】
 って、TPPはそのものズバリなんだから。アメリカが圧力かけてるんだから。
 
 【ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。】
 この三行全て間違ってる。

 【米が気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
 私は“すべて”なんて書いてない!

 「戦後史の正体」の369ページに、自主派の政治家を追い落とすパターンもいくつかに分類できます、として
  
  ◆ 占領軍の指示により公職追放する
      鳩山一郎  石橋湛山

  ◆ 検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ
      芦田均  田中角栄  少し異色ですが小沢一郎

  ◆ 政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる
      片山哲  細川護煕

  ◆ 米国が支持していないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める
      鳩山由紀夫  福田康夫

  ◆ 選挙で敗北
      宮沢喜一

  ◆ 大衆を動員し、政権を崩壊させる
      岸信介

 と分類までして上げたんですよ、わざわざ!

 【指導者は全て検察によって摘発され、失脚してきたのだという。】
 これ一体何なのでしょうね。この文章全然違ったことを書いてる。

 【著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか】 
 外務官僚が書いて売れる本はほとんどありません。
 肩書きでは全然売れません。
 ということで、十行全部間違ってる。
 十行全部間違ってる事を朝日新聞が堂々と書くこの神経ね・・・それ位、こういう本はやっぱり出てもらっちゃ困るんですね。
 二ヶ月沈黙してたのはいい、だけどやっぱり無視は出来なかった。
 無視できなくなったら、こういうのを書く。

 逆に言うと、この本の価値が高いんですよね! ←ここで大拍手が起きる

 ひねり潰さなくちゃいけない。
 無視しないだけではなく、これだけ酷い書評を書く。
 それも天下の朝日新聞が書かなくてはいけないというのはあまりにも情けない。
 実は、アサヒ芸能という雑誌が書評を出した。これはちゃんとしてるんですよ。
 アサヒ芸能の書評がちゃんとしてて、朝日新聞の書評がダメってのは、いくらなんでも酷いんじゃないかな。
 面白いのは、プレイボーイとか、こういうところがちゃんと書いてくれているんです。
 不思議ですね、日本の社会っていうのは・・・。
 しかし、そういう意味では、日本の社会は多様化しました。
 私は前は確かに外務官僚なんですね、ここにも書いてるように、ある程度は立派な肩書きなんです。

  ※ この辺は孫崎先生の笑顔でウイットに飛んだ話に会場も和やかな雰囲気になってます

 普通は天下りポストがあるんです。
 私は本はこれで10冊くらい書いてます。外務省の天下りポストっていくつかあって、大学教授に対する天下りもあるんです。
 大学教授よりはよっぽど私の方が学生ウケはいいんだから・・・。
 でも、そういう話も来なかったんです。
 孫崎はけしからん!だから場所を与えない。
 私は昔、中央公論というところで書いてたんですけど、これも、もう十何年原稿依頼が来ない。
 1993年あたりが最後ですね。
 来ないから、孫崎を封鎖してしまったと思ったんですよ。孫崎も終わりだと。
 
 だけど、ツイッターがあったんですね!

 たまたま京都の弁護士会に出かけました。京都の弁護士会の人に「先生、あなたはツイッターに向いてる。
 ツイッターやりなさい。」と言われたわけです。
 それで帰ってきて、千円のツイッターの本を買ってきてツイッターを始めた。
 今はフォロワーが(10月7日現在)約48870人 ※ 日毎に増えています。
 ものすごい勢いなんです。

 ツイッターで「転ばぬ先のツイ」という本を出してくれた人がいる。
 私のフォロワーの方が出してくれたんです。

   

 私は全然書いてないんですけど、「先生の話は多くのツイッターやってる人は見てるからいいけど、ツイッターを
 やってない多くの人に読んでもらう為に」というので「転ばぬ先のツイ」を出したんですね。
 原発、TPP、日米同盟とかいろいろとマンガも入って非常に面白い本なんです。
 その時、今年の三月の頃はフォロワーが35000だったと思います。それから考えると1万人以上増えた、ということは
 フォローしたい人がいるんですね。
 もちろんフォロワーの中には“ネトウヨ”もいるんです。
 例えば今だと尖閣の問題・・・私はこれを棚上げと言ってるんです。
 そうすると「孫崎さん、あなた中国に帰りなさい」と言ってくる。私は生まれが満州だから「中国へ帰れ」というのは
 あながち的を外れてるっていう訳でもない(笑)
 
 さて、これからある文章を読みますね

 「日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し将来の解決に待つ事で
 日中政府間の了解がついた」
 「文章はなくとも政府対政府のれっきとした約束事であることは間違いない。約束した以上はこれを遵守するのが筋道である」
 この文章を書いたのは読売新聞です。(1979年5月31日)
 ビックリするでしょう! 調べていませんが、読売新聞だけじゃなく東京も毎日も朝日もこれと同じような事を言っていたでしょう。
 だけど、今の日本はどうですか?
 コレ、多分言ってるのは私くらいなんです。
 だから、散々攻撃される。 
 だけど、面白いのは場所は与えてくれるんです、時々。
 裏番組みたいなところでね。 表には出てこれない・・・「朝まで生テレビ」とか。
 それから、頑張って大手で取り上げたのはテレビ朝日の「モーニング・バード」の玉川徹さん。
 一番最初に原発に切り込んだ。すごい人だなぁ・・・と思って見ていたら、いつの間にか出してくれるようになった。
 そういう意味でも切り込んでる数少ない一人。若い世代の中にこれじゃぁイカンのではないか!というジャーナリストが
 出てきたのだと思います。

 ツイッターで今もいろいろとやってるんですけど、NHKの「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」 
 なんだ!アレは!と、せっせとツイッターでやってます。
 一番最初に気がついたのは「歴史に基づいて作られたフィクションです」と書いてある。

 

 歴史に基づいたフィクションって何だ? 捏造だと言ってるようなものでしょ。

   ※ 確かに言われてみればそうですよね。“フィクション”を訳すと、“作り事”“虚構”“作者の想像力に
     よって作り上げられた架空の物語”とかが出てきますから。それなのに歴史に基づいてる・・・なんか変です。

 吉田茂の身長は156cm、渡辺謙は184cm、そこからして下駄を履かせてるんだから。
 重要なことは、私が重光葵っていう人を紹介しましたが、やっぱり今の日本の政治家にもこういう人が出てきて欲しいですよね。
 私の本を読んでる人と、そうでない人の格差があまりにも大きいと思うんです。


 -その5- へ続く
 

  

 

 
  
 
 
  

「第7回 政経フォーラム」のご報告 -その3-

2012-10-06 13:24:21 | 政経フォーラム
 ご報告も今回で3回目。
 今回、どうしてここまで詳細にご報告するかと言うと、あの台風接近で、来たくても来れなかった申込者の方が
 多くいらっしゃったので、せめて講演内容だけでも知っていただこうとの思いからです。
 ですから、次回から行かなくても報告でいいや・・・って思われた方が もしいらっしゃったら、
 「それは甘い!」やっぱりあの臨場感は実際に 足を運んで生で感じていただくにかぎります。
 
 と余談はこのくらいにして、話を進めましょう・・・


 『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』 ご報告 -その3-

 私は一度も小沢さんという政治家に会ったことがないんです。だけど、あれだっておかしいんですよね。
 あの追い詰め方って滅茶苦茶だ。そして見てみると同じようなことが実は歴史で起こってる。
 小沢事件の一番の問題はどこにあるか・・・、それは今まで使ってない司法、行政の在り方で検察審査会というもので
 裁こうとしている。今まではそんな事はなかった。今まででも検察審査会で政治家に対してみてるっていうならともかく
 小沢さんだけに使ってる。

 こんなことは許されるべきではない。

 しかし、一方特定の政治家を落とすために、検察が特別な運用の仕方をするやり方を使ったのは小沢さんが初めてじゃない。
 田中角栄も同じようなもの。田中角栄の時も証拠はアメリカ人で、アメリカ人は喋らないから、それに対してどうするかと
 いうと、それまでなかった日米の司法関係の取り決めというものをわざわざ作った。そして日本の検察の方が行って外国人に
 やってもらいながら嘱託尋問をというのをやった。喋ってる者はどれだけ喋ってもその人の罪にはしない、と。
 これは米国でマフィアの摘発の時に使ってる手口。子分が親分の悪口を言ったら、子分がいろいろと悪いことをやっていても
 それには目をつむって親分だけを捕まえる。 こんな事日本でやってないんですよ。
 そういうようなシステムをわざわざ作って田中角栄という政治家を追い落とした。脅しですよ。

 じゃぁ・・・この検察って何者なのか・・・

           

 調べていくと、日本の政治家では実はいろんなことが過去にも起こっている。
 さきほど鳩山さんが普天間の基地を変えようとして日米関係が崩れると言った。じゃぁ、日米関係で今まで日本の政治家で
 米軍撤退と言った人間はいなかったのか・・・。多分、多くの方はご存知ないと思います。
 しかし、一番最初に言った人間は芦田均(あしだ ひとし)。芦田均というのは、昭和22年の外務大臣の時に、「有事駐留」
 という言葉を使った。「有事駐留」というのは普通は米軍はいない。何か事があったら米軍が来てよろしい、と。
 普段はいらないんだ、と外務大臣の時に言ったわけです。
 その時の社会党の首相が潰されて、芦田均が首相になる。
 その時に何が起こったか・・・。
 「昭和電工事件」というのが起こります。昭和電工事件というのは、経済を復興しないといけない時に特別な融資を昭和電工が
 もらう為に汚職をした、といった事件です。
 芦田均というのは比較的身辺がキレイな人だったから、お金はもらってなかった。
 でも、この内閣は潰された。
 しかし、芦田均自身は別におかしな人間ではないから政治家としてまた復活する可能性がある。
 で、何をやったかというと、彼がその後の米軍に対する支払いが滞っていた。その支払いを迅速にしろという事件でもって、
 芦田均にお金が渡っていたという事件を検察が作った。もちろんこれは無罪です。
 その時に検察が言った台詞

 「政治家を辞めたら無罪にする」

 日本の行政機関ですよ、検察っていうのは! 日本の行政機関が政治家に向かって「政治家を辞めたら無罪にする」と・・・。
 このモノの考え方は小沢事件そのものですよ。
 問題は政治家を辞めさせることにあって、罪を調べることじゃないんです。

 そして何故、芦田均は辞めなくてはいけないのか・・・「有事駐留」という考え方だから。
 小沢事件も出発点はびっくりする位、「第七艦隊だけでいい」という話と密接に関連してる。
 一番最初に言ったのが芦田均、そしてその次に言ったのが重光葵(しげみつ まもる)なんです。
 重光葵はまず陸場兵力を6年間で日本から出ていきなさい、その後、海空軍がその後の6年間で出ていきなさい。
 これを米国側に突きつけているんです。
 
 鳩山(一郎)政権がなくなった・・・そして重光さんですが、この重光さんって大変な文筆家なんですね。
 大体、自分のやってきたことは克明に本にして記しています。
 でも、彼が外務大臣の時のことは書いてないんです。本にしようなんて思ってませんから・・・。
 だけど、外務大臣辞めた後、湯河原で牛肉食った後、夜中に死んでるんです。
 
 

 そして、その次に多くの方のイメージと違うんですが、米軍基地に手をつけたのが岸信介なんです。
 だけど、岸信介は結局デモで倒されました。
 しかし、何故・・・あれだけのデモが組織されたのか・・・
 その時、非常におもしろいのがお金を見ること。
 どこから、お金が出てるのか・・・
 その当時の全学連の人達の本を読むと、全学連の事務所にはお金がほとんどなかった。小石川という所に事務所があったが
 電話は一つだけで、これも滞納してた。で、小石川の労働組合の人が「お前も俺も革命戦士じゃないか!だから滞納くらいは我慢しろ」
 と言ってたくらいお金がなかった。
 ところが、デモの時には早稲田の大学に20台、30台とバスが出る。そして学生を動員していく。
 じゃぁ・・・このバスのチャーター代は誰が出していたんだろ・・・。
 ブントは共産党から分かれていましたから共産党が支援することはない。
 労働組合もそんなに支援することはない。
 学生のお金は限られてる

 財界から出ていたんです!お金は・・・

 じゃぁ、財界は誰を潰そうとしていたのか・・・
 それは多分米軍基地に手をつける岸というのは望ましくない・・・と考えたんだと思います。


 続きは、-その4-で・・・ 

 

「第7回 政経フォーラム」のご報告 -その2-

2012-10-04 16:35:28 | 政経フォーラム
  昨日に続き今日はご報告 -その2- です。

  その前にちょっと、余談ですが・・・
  まず、東京で活動しているのならまだしも遠い関西の地で活動をする当会のことは
 全くご存知なかった孫崎先生。そりゃぁ〜そうですよね。
 ただ問題は、前のブログでも書かせて頂いたように名前も何を目的に活動してるかもわからない当会の為に
 わざわざ大阪の地までお越し頂き、講演を・・・ってお願いするにはどうすればいいか・・・
 と悩む私達にある方が手を差し伸べて下さいました。
 ご自分のブログ等でも孫崎先生のご著書を紹介されていた中村てつじ議員が、先に孫崎先生に
 コンタクトを取り、当会のことをご紹介下さったんです。そのおかげで、その後はとっても
 スムーズに話を進めることが出来たというわけです。
  当会でも当然誰も生の孫崎先生と会ったことがある者はいませんでした。
 実物はもしかして怖いのかなぁ・・・、何かお気に触ることでもしようものなら、怒って
「キャンセルします!」なんてことになったらどうしよう・・・
 なんてことが、気の小さい私達の頭の片隅を過ぎっていきます。
 でも、お電話でお話するかぎり、そんな事もなくお優しい感じだし・・・ということで
 会の当日、実際にお目にかかった孫崎先生は、本当にお優しい紳士でした。やはり一流の方は、逆に横柄な
 態度は取られないんですね。当日参加された特に女性の皆さんをすっかり虜にしてしまった孫崎先生でした。

               


  『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』 ご報告 -その2-

 原発、TPPとお話しました。じゃぁ安全保障の方はどうなってるんだというと・・・
この間、北朝鮮のミサイルが発射される、それでこれを守る為にミサイル防衛システムを配備しなければいけない、
と言いました。多くの人はミサイル防衛システムも何かの役に立つんじゃないだろうか、場合によっては沖縄だけじゃなく
大阪の方にも配備して欲しいと思っておいでになる方もいるかもしれません。

しかし、何の役にも立たない・・・。

 非常に簡単なんです。ミサイルが落ちてくるとき、これは秒速2kmから7kmなんです。大気圏からグンと落ちてくるので
ものすごい加速がかかります。距離によって違うんだけども。
たとえば、秒速2kmと言っても我々にはピンとこない。だけど、野球のピッチャーの球は時速150km、これを計算すると
大体秒速35mです。しかも、野球の場合、一応どこに飛んで来るかはわかってるわけですよね。それでも空振りする。
それがミサイルの場合は、秒速2000mなんですから打てるわけがない。
サッカーの場合だと、ペナルティーキックの場合、秒速30mです。それがどこに来るかがわからなくて、ゴールキーパーは
こっちかと予想を立てて飛んで押さえる。秒速2kmのものを取れるわけがない。
しかも、バッターボックスではなく、またゴールではなく、東京中、大阪中なんです。
もう出来っこないことは分かりきってる、こんなことは・・・。
だけど、ミサイル防衛システムがいると言う・・・。

 全てのところで安全保障の分野でも、原発の分野でも色々なところで嘘があった・・・。

 私は歴史家じゃないんですよ。で、何も大それて日本史の歴史を書き換えようなんていう気持ちは何もなかった。
で、一番最初は政治の関係で少しは関与したのは、鳩山さんの時の普天間問題なんです。
私は普天間で最低でも県外という流れに乗っていたんです。実は、最初は沖縄よりも別のところに行った方がいいんじゃないかと
いうことで鳩山さんに進言したんです。
これも一番最初はどこにあったかというと、沖縄の人達の70%、80%が反対してるものを実施は出来ない。
沖縄の人が反対してるんなら、それを受け止めて別の道を探すのが政治じゃないか、ということで、その代替案として
たとえば、長崎の大村という自衛隊基地の所に行くというのも有りうるんじゃないかと言ったわけです。
その時、皆さん考えてみていただければいいんですけども、日本中は大合唱だった。日米関係が壊れる。
鳩山さんは宇宙から来た人間だと。

         

 私は普天間問題までは鳩山さんを存じ上げなかった。しかし、その問題から5回ほど会って議論をしていてこの人が
おかしい事を言ってると感じたことはなかった。

だけど政治的問題はあったと思います。

 この「戦後史の正体」という本が出た時にたまたま鳩山グループでこの本を紹介してくれた。
 その時に私が申し上げたのは・・・
「やっぱりあそこで最後まで県外ということを言って欲しかった。
それからもっと早く自分の意見についてこなかった外務官僚や防衛官僚の首を切って欲しかった。」
と言いました。首相なんだから・・。

 ウィッキーリークスで発表されて如何に外務官僚と防衛官僚が足を引っ張っていたかということがずっと書いてあります。
今まで我々は首相が何かおかしいことをした時に足を引っ張るだろうなというのは推測はしていたけれども、
具体的な事実としては出てこなかった。

 今回は「鳩山さんがあんな事を米国に対して言ってるけども、何も応ずることはないんだよ、その内潰れるんだから」と
いう事を言っていた、という事実があった。
「鳩山さんは、あの時自分について来れない官僚は切るべきだった」と申し上げた時に、鳩山さんは

 「それだけじゃないんですよ。実は大臣もそうだったんです」

というようなことを仰ったわけです。


  -その3- へ続く

 



「第7回 政経フォーラム」のご報告 -その1-

2012-10-03 13:17:11 | 政経フォーラム
「政治と生活を考える会」主催  「第7回 政経フォーラム」

 『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』

 9月30日はあの台風17号が近畿直撃か!という最悪の天候の中、果たして開催できるのか・・・と、
かなり気を揉みながらまずは東京からその日に大阪入りして頂く予定になっている孫崎先生に前日にお電話で
ご相談させて頂くことにしました。
台風の進行状況から予測すると、どうも大阪へ来る時よりも帰りが台風を追いかけるような形になり
新幹線がストップする可能性もあります、と恐る恐るお伝えさせて頂くと・・・

 「行ってから考えましょう」と意外なことにサラリとお返事を下さった孫崎先生。
 この一言で私は開催に向け覚悟を決めたといっても過言ではありませんでした。

 でも、多分当日かなりのキャンセルが出るだろうことも覚悟の上。
今回の政経フォーラムには、遠くは東京、福岡、そして近畿各地から多くの申し込みを頂いていました。
途中何事もなく皆さんが無事会場に到着されることを祈りながら当日の朝を迎えたのでした。

 開催のその日、会場には多くの皆さんが駆けつけて下さいました。
中でも嬉しかったのが若い世代の方、女性の方がこれまでの政経フォーラムより多く参加して下さってることでした。
それだけ孫崎先生の講演を楽しみにされている方が多かったということでしょう。
今回は通常の政経フォーラムより半時間も長い2時間半という長丁場で、しかも休憩無し。
でも、孫崎先生のお話が笑いあり、真剣な場面ありで聴衆を飽きさせない工夫がそこらじゅうに
イッパイ。
また、本当に温かいお人柄がにじみ出るそんな講演会でした。
全部を一度にご紹介するには、かなりの量になるので、何回かにわけてご紹介していくことにします。
講師である孫崎享先生、中村てつじ議員のお話をできる限り正確にご紹介させていただくつもりですが、
文責は当会にあることをご承知おき下さい。

まずは -その1-


 第一部 「最大のタブーに迫る! 戦後史の正体」 ご講演 孫崎享先生 

 私達は、情報がどこまで正しいのかということを本当に疑い始めたと思います。
全ての出発は私にとってはやはりあの原発でした。
大阪の方は原発があった時、東京などから逃げてくる人が多い地域、あのドイツ大使館も大阪へ移りました。
それにつられて多くの大使館が東京を離れました。
 東京の方は関西の方より原発というものを真剣に捉えていました。
見てみるとあの時、本当に東京は危ないという状況だったんです。
 多くの日本人、約7割、8割の人が原発をもう止めよう、という感じになりました。
だけど、原発は大丈夫だと、ず〜っと言い続けてきた人達がまだ続けているわけです。

野田首相も機会があったらやろうと思ってる。
経済産業省もやろうと思ってる。
財界もやろうと思ってる。
そして東大の教授や名誉教授がやっぱりやろうとしてる。

 多分、多くの人はなんだかんだ言っても首相が言えば、まぁ大丈夫だろうと思ってしまう。



 それから経済産業省といえば、優秀な人間が国家公務員試験に受かってきたんだから
国の為に仕事をしてるんだから、おかしいことを言うはずがないだろう・・・
大手のジャーナリズム、朝日、日経、読売・・これも正しいことを伝えるために、この仕事を選んだんだから
基本的に彼らは正しいことを伝えるだろう・・・
大学の先生、一生懸命正しいことを勉強する為に教授になってるんだから・・・。

でも、みんな嘘をついてる。

原発が起こった後もそのまま嘘をついてる。
で、私達も原発の問題もおかしいな、ということを感じ始めたわけです。

 あのトラストバロメーターという海外の機関が、日本で原発の前と後とで、どれだけ発信をする人達を支持できるか、
ということを調べたものがあるんです。
国家公務員・・・大体50%以上原発の前は信用されてました。今は9%です。
もうタイトルで経済産業省の人が喋ったというだけで、それは嘘だと思うようになってる。
それくらいになってしまった。
問題は、それを事故があっても全く変えようということが起こっていない。
特に非常に注目されたのは福井県の大飯原発、私は止まってくれるかなぁと思ってたんですけども、関西電力が電力が足りない
足りないと言ってそして動かした。
で、結局は足りなくはなかった。
また同じようなことが実は共同通信が報じてましたが、原発事故が起こった後、すぐに計画停電というものがありました。
あの時も全然必要なかったんですね。
そして、大飯原発は動いてますが、実際は日本国内原発無しで動いてるわけですよ。
だけど、長期的なエネルギー政策では原発がまだ必要だということを言い始めてるわけです。
そして、次に他でもいろいろと問題がある・・・


 
 たとえば、TPP・・・

 いろんな方がいろんなことを言ってるんだけども、
前原さんは、「1.5%の農業を守るために98.5%が犠牲になってる」
菅前首相は、「今年は第三の開国にする」
米倉経団連会長は、「TPPに参加しないと日本は世界の孤児になる」
岡村日本商工会議所会頭は、「早期に参加してルール作りに加われ」
桜井同友会代表幹事は、「農林、水産業も世界に打って出られる産業にしなければならない」
古賀連合会長は、「円高への抵抗力を高める為に参加が必要」

もう労働界も経済界も政治家もそして新聞をみると、
2011年の元旦の社説で読売新聞は「世界の荒波にひるまぬ日本を大胆な開国で農業改革を急ごう」
朝日新聞は、「今年こそ改革を」

TPP参加だと、もう新聞も全ての新聞が言う。
経済界の人達も言う。
これ極めて正しいんだと思いますよね。
よっぽど自分で知っていることでもなければこれだけの人達が言ったら正しいと思うんだけども

これ、嘘なんですよね。

 嘘の先頭の米倉さん「TPPに参加しないと日本は世界の孤児になる」
全く嘘なんですよ。
今、2010年の日本の輸出というのを考えてみると、世界の輸出で日本が米国に対して行ってるのは、15.5%。
それでは中国、韓国、台湾、香港合わせてこれで一体どのくらいの%か・・・約40%です。
だからTPPに参加しないと世界の孤児になるってのは、真っ赤な嘘なんですね。
それを経済界の人が何のやましいこともなく喋ってる。経団連の会長だったら、経済の数字はみんな正しいと
思ってしまう。 だけど違う・・・。

 前原さんは、「98.5%が犠牲になって、1.5%の為になってる」
そんなことは、全くない。 これは、98.5%の人が苦しむシステムなんですね。

 私達は病気になってもお医者さんに診てもらえない、なんて思ってる人は誰もいない。
国民健康保険があるから・・・。
でも、私は時々思うんですが、私は娘が米国にいて時々電話がかかってくるんですが、コレ大変だ、と思う時には
何があるかというと、病院にかからないといけないという話をしてくる時なんです。
「虫歯だ!」と言われると、ドキッとするんです。というのは、虫歯1本5000ドルなんですよ。
だから、虫歯ですら病院に簡単に行けない。他の病気だったら1年間にかなりの人が十日以上病院に入れない。
だけど、システムは別にしてTPPに入ったら多分国民健康保険は潰れていきます。


続きは次回に・・・







 

 

 

明日開催の「第7回 政経フォーラム」について

2012-09-29 14:04:20 | 政経フォーラム
■■ 明日開催予定の「第7回 政経フォーラム」について ■■

  台風接近に伴い明日のお天気が心配になって参りましたが
 「第7回 政経フォーラム」は現時点では予定通り開催させて
 いただきます。 
 雨風が強くなってくると思われますが、お申し込み頂きました
 皆様には十分お気をつけてお越し頂けますようお願い致します。

 尚、今後の台風の状況により開催に変更など生じました折には
 このブログでもお知らせ致しますが、お申込済の皆様へは
 当会より電話にてお知らせする予定です。

 また、東京よりお越しの孫崎享氏のご到着時間が台風の影響により
 遅れる可能性もございます。その際にはプログラムの変更などで
 対応させて頂きますが、どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 
 

 「政治と生活を考える会」主催 『第7回 政経フォーラム』

     『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』


   日 時  9月30日(日) 13:30 受付け開始(開場)
              14:00 開演  16:30 終演

   会 場  つるやホール 8階スカイホール
  
        大阪地下鉄御堂筋線「本町」駅7番出口すぐ
         電話 06-6281-0115

        
   内 容  第一部  ご講演  孫崎享氏

        第二部  対談  孫崎享氏 × 中村てつじ参議院議員

        第三部  「市民からの声に答える」 質疑応答


 明日の開催についてのお問合せは、電話 090-4270-3660(森田)まで

  
   ☆☆ 懇親会も予定通り、開催致します。 ☆☆

      尚、懇親会に関しましては定員に達しておりますので
      恐れ入りますがお申し込みの方は終了とさせていただいて
      おります。