Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

二代目匠-TAKUMI-豚骨@デュッセルドルフ 2012年12月にオープンした匠系の新店!

ドイツに新しい風を起こしつつある「匠グループ」。

この匠の「二代目」(二号店?)が、2012年12月、匠本店のすぐ近くに登場しました。しかも、その場所は、名実共に欧州最高レベルの「なにわ」の目と鼻の先なんです。 となれば、行かないわけにはいきません。ドイツの超新店です☆

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デュッセルドルフは、知っている人も多いと思いますが、日本人がたくさん集まる場所。「観光地」というよりは「商業地」「ビジネスエリア」ですね。なので、この街は、観光客ではなく、ビジネスマンや公人たちが集まる場所。だから、ドイツ人にとっても、ここに住むドイツ人が、一番日本人を知っている、ということになります。「RAMEN」も、きっとここほど知られている場所は他にないようにも思います。

そういうデュッセルドルフの(ほぼ)中心に、老舗店「なにわ」とNEW WAVE的な「匠グループ」が切磋琢磨し合っている、そんな印象を受けます。

さて、「匠二代目豚骨」。

とてもオシャレな外観です。お店の中もかなりオシャレです。

しかも、オープンして2か月ちょいなのに、既に人気ラーメン店になっています。New Waveとはいえ、既に「匠」で、その知名度は確実に広まっていますからね。12時オープンなのですが、ものの数分で店内は満席になっていました。その後はずっと常時待ち人あり、の状態が続きます。こちらの人たちが、RAMENをどれほど待望しているかが分かります。

さて、メニュー。

   

コンセプトは「豚骨」ですので、メインは豚骨ラーメン。オーソドックスな「豚骨」に、マー油を使った「黒丸」に、辛味の効いた「赤丸」の三つがこちらの看板メニューになっています。さらに、「阿佐ヶ谷中華そば」なるものもあります。阿佐ヶ谷って。。。なぜゆえに阿佐ヶ谷なんでしょう?!謎です。

さて。

 

こちらが、二代目の看板メニューの「豚骨」です。

想像以上に、豚骨ライクな豚骨ラーメンでした。真っ白いスープに紅ショウガが乗っています。

お味も、まさに「ど真ん中」の豚骨ラーメンでした。けれど、スープを見ると、いわゆるクラシックな豚骨ラーメンではない、ということも分かります。ここ、説明するのが難しいのですが、「真っ白い業務スープ」のような色ではなく、しっかりと作りこんでいるのが伝わってくる、といいますか。日本で定番化された豚骨ラーメンではない、といいますか。スープの味ががしっと伝わってきました。

麺は、いわゆる豚骨ラーメン定番の細麺ではありません。この麺、本当にいいですね。もう、「ここはドイツ」ということを完全に忘れられるほどのレベル。僕は、それなりにこれまでも欧州各地のラーメンを食べてきました。が、麺を普通に美味しく食べられるお店は皆無でした。ひどい麺に、何度も何度もあたってきました。そう考えると、ここまでのラーメンが食べられる、ということにただ驚くばかりです。(きっと、日本のラーメンしか食べていない人には分からないレベルだと思います。ひどい麺はもう半端なくひどいんですから、、、)

チャーシューも、かなり日本的、和的です。こういうチャーシューも、日本では当たり前かもしれませんが、その日本から遥か10000キロ離れた異国の地で、ここまでのチャーシューが食べられる、というのは、実のところ、かなり驚くべきことなんだと思います。

途中で、こんなものも。。。

ゴマを擂って、スープに投入すると、「味変」します。

胡麻風味の豚骨ラーメンになります。

胡麻を入れることで、ますます日本的な豚骨ラーメンになるように思いました。このアイデアは面白い!

マニア的には、最初からゴマの風味が香る「胡麻豚骨ラーメン」があると、たまらないし、日本でもあまり食べられないラーメンになるんじゃないかな、と思いました。豚骨ラーメンはこれでいいんでしょうけれど、ちょっとフリーク的には、平凡な感じもします。それとは別に、匠二代目オリジナルとしての「顔」がほしい。創業2か月でまだそういうことを言う段階にはないかもしれませんが、やはり「突出」してほしいと思うと、「ここらしさ」がほしいと感じてしまいます。

ただ、それは、次の「赤丸」で少し発揮されているようにも思います。

 

こちらは、コチュジャンや豆板醤などを調合した特製の辛味スパイスを豚骨ラーメンに加えたものです。

いわゆる赤い豚骨。辛い豚骨ラーメンです。スープ自体は一緒だと思いますが、この赤いスパイスをスープに溶かすと、見事に赤いスープに変化します。もちろんお味も辛くなります。

これも、また日本では当たり前のような印象のラーメンになってしまうかと思いますが、こんなラーメン、ドイツにいたら絶対に食べられませんからね。「日本のラーメンを知らしめる」という任務(?)を請け負う匠のある種の自信作にもなっていると思います。これをドイツ人がドイツにいて食べるのかー、と思うと、すごいことだなとも思いました。ドイツにいながら、日本のモダンなラーメンを食べる。しかも、その味は、日本のラーメンフリークが食べても、遜色ない。それって、すごくないですか。

日本国内でも、「東京の豚骨ラーメンは本場博多とは全然違う!」といった話が出るじゃないですか。でも、東京と博多はしょせん、1000キロしか離れていません。飛行機で1時間のレベルです。その10倍離れた異国、ドイツで、ここまで日本的なラーメンが提供されているんですからね。驚くばかりです。パリのなりたけも、やはりすごいんだと思います。

ただ、やはりフリーク的には、ちょっと今更な感じもしなくもないですね(ドイツだという枠を外して、マニア的に考えると)。僕的には、コチュジャンや豆板醤ではなく、ずばり「ラー油」をぶっかけてほしいところです。勝浦タンタンメン風赤い豚骨ラーメン、みたいな。ドイツ人からしたら、「KATSUURA?!、どこやねん!」って話になりそうですが、、、

赤いラーメンの進化は確実に起こっていると思うので。

でも、繰り返しますが、これほど本気の赤い豚骨ラーメンは、かつて存在していませんでした。そういう意味では、すごいことが起こりつつある、ということは間違いないです。

味付煮玉子も本格的でした。このラーメンには煮玉子が合います♪

いやー、「ホントにここはドイツか?!」って思うようなラーメンでした。

最後に、謎の「阿佐ヶ谷中華そば」です。

 

こちらは、ちょこっと「なにわ」を意識しているのかな。そこそこ濃厚なあっさり中華そばでした。味的には、王道系。まさに中華そば、という感じ。

このラーメンは、きっと自分の意志ではなく、職場の意志でドイツに出張で来たビジネスマンが、「あー、日本食、日本のラーメンが食いたい」と思う時に、最も喜ばれるお味かもしれません。それは「なにわ」と同じです。日本のラーメン店で食べるラーメンの味(モデル)を見事に再現したような味。

とはいえ、ノスタルジック系でもない。90年代の味わいがする、といいますか。あるいは、00年代の味といいますか。そういう味わいのスープになっていました。なにわのラーメンをもっと食べやすくした味、とも言えるかもしれません。

僕的には、ややオイリーさが感じられたので、可能ならば、もう少しファット感をなくして、むしろ「魚介ダシ」のエッセンスを加えられたら、最強になるんじゃないかなって思いました。「現代・東京のノスタルジックラーメン」の印象が強まると、本当に他にないラーメンになりそうです。

考えれば、ドイツや欧州各地のラーメン店には、魚介醤油ラーメンがありません。首都圏では飽和状態の「濃厚豚骨魚介(=またお前もか系)」もありません。そういうのをそのままやる、というのも芸がありませんが、「煮干し」や「鰹節・サバ節」の味わいを堪能できるラーメンって、全くないように思います(少なくとも、これまでそういうラーメンを食べたことがありません)

このお店で、もっとも「可能性」を感じる一杯だったかもしれません。

さらに、卓上の無料トッピングに、もやし和えが用意されていました。

ドイツでここまでやるか?!?!というレベルですよね。凄い。

***

さらに、もう一品。

何気に、評判なのが、こちら。

焼豚バンズです。

豚の脂身の多い部位をトロトロに似て、それをバンズで挟んだ豚肉バーガーです。

こちらもかなりかなりファットです。これ、日本で出したら、売れそうな感じもしますが、、、

その独創性にやられましたね。 

***

面白いなぁと思ったのが、もやし和えの蓋に書かれた日本語。

ドイツ人のお客さん、結構多いんですが、これ、絶対に読めないと思うんですよね。しかも、アルファベットの説明は一切なし。

こういうところも、さすがデュッセルドルフのお店だなぁ、という感じです。

これ、素敵ですよね。

全部が、日本のラーメン店と遜色なくて、これにはただただ驚きました。

が、一つだけフリーク的に言えば、もう一つ、マニアックなラーメンがほしいですね。

僕的には、「胡麻豚骨」かな。胡麻というとタンタンメンをイメージしますが、そこをあえて豚骨でやる、と。千葉の阿修羅みたいなイメージですかね。そういうラーメンがあると、このお店は本当に無敵なお店になりそうな気がします。

ドイツのラーメン界を、また一歩先に進めてくれそうな強力な新店、ここにあり!です。

ちなみに、こちらのお店を取り仕切る女性の方は、昨年の夏、別の店舗でお会いした方でした。この方の力もあってか、店員さんたちの対応もとてもよくて、気持ちよく最後まで食べることができました。

「サービスのできないドイツ人」の中で、店員さんのクオリティーも日本並み。まさに、ジャパンクオリティーのお店でした!

夜だけの限定ラーメンもいつか、食べてみたいと思います。 

コメント一覧

Unknown
ちなみに阿佐ヶ谷は私の地元なのです!

特に難しいことも考えず、ただラーメンを楽しんでいた時のあの時、あの場所の…みたいなイメージの醤油ラーメンです。

期せずして今回の帰国では濃厚魚介ネタと煮干しネタをしっかり仕込んできました。どこかの店舗でどこかの商品でしっかりニボニボ感をドイツに広めたく思っているんです!

頂いたコメントのあまりのタイミングの良さににびっくりしました!
はる
ご来店ありがとうございます。

さすが世界のラーメンを色々体験されている実感がこもっています。

大変勉強になります!

まだ開店間もない店ですが、一層精進いたします!
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