Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

ラーメンフリーク分類論-フリークとリピーターを超えて!

ラーメンブログはいろいろありますが、ラーメンやラーメン職人やラーメン文化やラーメンフリークなどについてぐだぐだぐだぐだと論じているブログはなかなかないんですねー。

いわゆる「オタク論」は活発ですが、ラーメンのこととなると、あんまり議論が活発でないというか。個別のラーメン情報については、半端ないのに、ラーメンとは? ラーメンフリークとは?となると、ほとんど記述がないんですよね。本は結構出てますよ。でも、ブログ、ネットではそんなに話題になっていない気がします。

でも、そんな中でも、ラーメンフリークとは?という話は時折出てきます。

その中で、もっともポピュラーなのが、「ラーメンコレクター」と「ラーメンリピーター」という二つのカテゴリーではないでしょうか?! 恐らくこの二つのカテゴリーでラーメンフリークを二分したのは、大崎裕史さんだと思われます。大崎さんは、こう分類します。

ラーメン好きを大きく分類すると「コレクター」と「リピーター」に分かれる。「コレクター」というのはブロガーに多いのだが、とにかく新しい店、行ったことのない店、食べたことのないメニューを食べることに情熱を燃やすタイプ。「リピーター」は、好きな店を見つけると、とことん通い詰めるタイプ。

引用元はこちら


僕も、ずっとこの二分法にのっとって、ラーメンフリークを捉えてきました。「あー、あの人、好きなお店にとことん通ってるなぁ。ラーメンコレクターか~」とか、「あの人はすごい食べ歩いているな。コレクターか~」といった感じで、この二分法を使用してきました。

同じように、この二分法で、ラーメンフリークを分類しているフリークはいます。例えば「ぐるっとまわってちゅるちゅるポン」というブログを書いているオースケさんは、次のように書いています。

よく言われることですが、コレクターか?リピーターか?ということですが、私は正直そのどちらでもあると思います。旨ければ通いますが、コレクトするためには最近ではほとんどお伺いしません。そこにある正直な思いは・・、「どんな味のラーメンなのかな?」って思う興味津々なところだけです。そこにお店の方々の思いや歴史が入っているようなラーメンならなおさらお伺いしてみたくなるわけです。少々不味いということをお聞きしていても・・

引用元はこちら


この彼の記述から、二つの問いが生まれます。一つの問いは、上のオースケさんが奇しくも書いておりますが、単純にコレクターか、リピーターか、と区別できるのだろうか?、ということです。彼は「そのどちらでもある」と話していますが、恐らく、ほとんどのラーメンフリーク(大崎さんの言葉でいえば「ラーメン好き」)が、「そのどちらも」なのではないでしょうか?!

もう一つの問いは、「お店の方々の思いや歴史が入っているようなラーメン」という箇所にあります。恐らくオースケさんはかなりラーメンについて深い洞察を行っている方だと思われますが、上の二分法だと、そういったラーメンに目が向くラーメンフリークと、そうでないフリークを区別できないのではないか?、と問いたいのです。コレクターか、リピーターかという二分法ですと、単純に行くお店が限られているか、無限かという話でしかなくなってしまいます。そこに、「どのようなラーメンを求めているのか」という視点が入らないと、フリークの質的な分析ができないわけです。

そこで僕が提案したいのが、以下の分類です。

①最新おっかけ型ラーメンフリーク
②思想・歴史好きラーメンフリーク
③がっつり刺激系ラーメンフリーク
④名店・老舗追求型ラーメンフリーク
⑤地元密着型ラーメンフリーク
⑥店舗集中型ラーメンフリーク(リピーターに属する人々


それぞれを見ていきましょう。

①の最新おっかけ型ラーメンフリークは、いわゆる「新店をとにかく追うラーメンフリーク」です。一番多いフリーク層だと思われます。とにかく新店を追いかけて、情報をいち早くキャッチする欲求の強い人たちです。首都圏に多いタイプだと思われます。トレンドに敏感で、最先端をとにかく突っ走ります。ブロガーだとアクセス数が多いブロガーに多く見られるタイプですね。いわゆる人気ブロガーはこのパターンが圧倒的。

②の思想・歴史好きラーメンフリークは、「物語」重視で、ラーメンそのものというよりは、ラーメン屋さん、ラーメン屋店主さんに興味を持ちます。全国のラーメンを食べ歩いているラーメンフリークに多いタイプです。おのおののラーメンの背景やルーツを探るのが好きで、知的にラーメンを食べるのが好きなタイプですね。ラーメン本とかを読んで、蘊蓄を語るのが好きな人がこのタイプです。

③のがっつり刺激追求ラーメンフリークは、いわゆる「ジロリアン」「激辛好き」に多いタイプ。ないしは、体育会系ラーメンフリークによく見られるタイプ。量が多くて、塩分、油分、ニンニク、生姜、香辛料、化学調味料等をとにかく好むタイプですね。二郎系のラーメンだけを追いかけるブロガーも、結構いたりします。店舗的には、色々と食べ歩いていますが、そのほとんどが二郎系、そういうブロガーは多くはないけれど、確実に存在しています。

④名店・老舗追求ラーメンフリークは、石神さん的には「ラーメン原理主義者」たちです。古くて、レトロで、ノスタルジックなラーメンをひたすら追求しています。今風にいうと、「ノスラー」(ノスタルジックラーメン好き)ですかね。ノスラーも、そんなに量的には多くはないですが、確実にいるタイプですよね。若手というよりも、年配のラーメン好きに多くみられるタイプかと思われます。

⑤の地元密着型ラーメンフリークは、とにかくひたすら自分の住んでいる地域、生活している地域のラーメンだけを追いかけるラーメン好きの人のことを言います。情報量としては、あまりさほどたいしたことはありませんが、その地元の情報となると圧倒的な力をもっています。ブロガーだと、そんなに有名ではないけど、全国津々浦々に確実にいるタイプのブロガーですね。地味だけど、渋いっていうか。基本的に、無名のラーメンブロガーに多いパターンだと思われます。

⑥店舗集中型ラーメンフリークは、まさにラーメンリピーターです。必ずしも一店舗とは限りません。数店舗をヘビーローテーションしているラーメンフリークもここに該当します。こうした人たちは、ブロガー以外の人に多いタイプかな。あるいは、フリークを卒業した人に多く見られるかな。中には、宗教的に強烈に一店舗に傾倒する人もいます。例えば、がんこ愛好者。がんこラーメン=一条さんということで、かなりマニアックにがんこラーメンを愛する人がいます。二郎と違うのは、亜流がないということですかね。店主さんにカリスマ性があって、客を虜にするお店は多々あります。

いかがでしょうか?

同じラーメン好きといっても、色んなタイプのラーメンフリークがいるんですよね。コレクターといっても、色んなコレクターがいます。「ラーメンコレクター」とひとくくりにはできないくらいにバリエーションが多いんです。


さらに、もっと考えてみましょう。

僕には、コレクター、リピーターという言葉が、ラーメンフリークの深い次元を的確に捉えられているとは思えないのです。言いかえれば、「ラーメン収集家」と「常連さん」の違いでしかないですからね。特に、コレクターといういい方は、フリーク的には、極めて不親切な言葉です。「なぜたくさんのラーメンを食べるのか」ということに何も応えてくれはしません。

どのフリークにもいえることですが、根底的には、次のような二分法があると思います。僕はこちらの方が、極めて重要であるように思います。もちろん、ただただ新店を追うような人は、ここでは問題とはなりません。量だけにこだわる人もここでは問題ではありません。

①ハイレベル・ハイクオリティーの一杯を求めるラーメンフリーク
②どこにも情報がない未知の一杯を求めるラーメンフリーク


僕的には、この両者の区別は、決定的な違いを生みだしているように思うのです。

①のラーメンフリークは、食べたラーメン屋さんの数や新旧はどうでもいいのです。とにかく自分が旨い!と思うラーメンだけを食べたい、と思っています。美食家的なラーメンフリークと言ってもいいでしょう。だいたいのラーメンフリークは、新旧問わず、いろんなラーメンを食べています。でも、求めているのが、「食の美」である場合、こちらのラーメンフリークに属することになります。アーチスト型ラーメンフリークとでも言っておきましょう。

②のラーメンフリークも、新旧は問いませんが、食べたラーメンの数は重視します。それ以上に、「どこにも情報がない」ということに価値を見いだそうとします。「ラーメンの食べ歩き」=「旅」と捉えているなら、このラーメンフリークに属することになります。こちらのラーメンフリークは、「出会い」や「独創性」を重視します。美味しさではなくて、面白さを重視します。

この違いは、ラーメン以外でも語れるのではないかと思うのです。

例えば、山好きの山フリーク。同じ山好きな人でも、いわゆる「美しい山」=「名山」を求めている人と、「誰も登ったことのない山」を求めている人がいると思うんですよね。名山を求める人の情熱は、未知の山を求める人の情熱とは質的にかなり違います。価値観の違いも入ってきます。

音楽好きな音楽フリークも同じことが言えます。新旧問わず、最高レベルの音楽を求める音楽フリークと、誰も聴いたことがない音楽を求める音楽フリークがいて、どちらもすごい情熱をかけますが、この両者は、恐らく最後までかみ合うことはないでしょう(苦笑)。

このように、「最高のもの」と「未知のもの」というのは、どちらも価値のあるものですが、その質を問うと、いろいろな細かい違いが出てきます。そのどちらを求めるのかで、フリークとしての生き方が変わってくると言ってもいいかもしれませんし、また、一人のフリークの中でも、「転向」という形で変わる可能性もあります。というか、「最高のもの」から「未知のもの」へと転向するケースは多々あると思います。言いかえれば、高いものから深いものへの価値変更。

今の自分の価値がどこにあるのか。それを知ることは、相手との差異を知ることにもなります。相手の価値観を尊重するためにも、自分の価値観をよく知っておく必要があります。そうでなければ、自分が正しいと思う価値観で、人を罵ることになってしまいます。多様な価値を知る、ということは、自分の価値を知る、ということに基づいています。

今の僕は、「未知のもの」を求めたいという強い衝動があります。だからこそ、「最高のもの」を求める人たちも素直に尊敬できます。最高に美味しいラーメンを食べたい、という衝動をもつ人も、かけがえのない同朋であります。僕自身、ずっと「最高のもの」を求めていた気がします。が、その価値から自分が離れていくのを感じずにはいられないのです。

***

なんか、論文一本分くらい書けそうな気がするな。。。ふふ。

コメント一覧

kei
なおたんくん

たいへん興味深いコメントをありがとう!

篠田さん、松井さん、どちらも知りませんが(苦笑)、松井さんの「伸びしろ」に注目するあたりが、なおたんくんっぽいかな、と。

これ、恋愛論にも通じるかも?!

どちらのタイプの女性を求めるかで、ずいぶん、人生変わってくるんじゃないかなー、なんてね☆
なおたん
長文読ませてもらいました!

後半の、最高レベルを求めるか、未知なるものを求めるかっていうの面白いですね。

ラーメン、音楽とも関係ないんですが、僕がAKB関連に手を出し始めたときに似たようなこと考えてたんですよ。

AKB48に興味をもつきっかけとなったのが篠田麻里子さんなのですが、ちょっとしたらSKE48の松井玲奈さんにも惹かれていきました。
いったい自分はどっちが本当に好きなのか、どっちを応援していきたいのかって考えました。

そこで、篠田麻里子はもう完成品で伸びしろはほとんどない。
松井玲奈はこの先まだまだ人気も出るしルックスもスキルも伸びしろがある。

っていう考えに辿り着き、松井玲奈ちゃん推しになりましたw



と、どうでもいい話、失礼しました!
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