市原に行きました。
市原はまだまだ未知の領域。千葉県内の他の地域と比べても、たくさんラーメン屋さんがあり、なかなか全部を知り尽くすのは、大変な地域なんです。簡単に言えば、市原は広くて、しかもラーメン店が多すぎる。
けれど、その一方で、市原のラーメン店で突出したお店はあんまりない。それも僕的に正直な印象です。お店の数の多さに反して、心底「おお」って思うお店がそれほど多くない。もちろん、僕が見てきた狭い範囲内のことなので、もしかしたら、いいお店が埋もれているかもしれない。がゆえに、市原は、ずっと輝きを放っているんです。
そして、今日、まさにそんなお店に出会うことができました。kei、大狂乱でした。
上の写真を見てください。もう、この時点で、僕的にはノックダウンです。よだれが出てきます。素敵すぎます。今の時代、カッコつけたお店がとても多いです。でも、僕はこういうお店が好き。単純にマニアック。もう、こういうお店にしか感動できない自分がいたりする(苦笑)。
しかも、よく見てください。「レッチリ」って書いてあります。都内でも、最近「レッチリ」を名乗るラーメンを出すお店がありますが、千葉の、市原に「レッチリラーメン」がある、もう、それだけで、興奮するわけです。ま、マニアな人だけだと思いますが、、、汗
このお店は、昨年の初めにオープンしたお店。創業1年半ちょっとだそうです。
店内は、広くて、結構綺麗です。っていうか、小奇麗なお店でした。テーブル席がメインで、ゆったりと食べられます。
メニューを見ると、ありました。レッチリ♪ 赤くて辛いラーメンというイメージが浮かびますが、まず確認したいことは、「レッドホットチリペッパーズ」との関連。
店主さんにお聞きすると、ドンピシャでした。レッチリのファンなんだそうです。わお! 来ました。レッチリファンによる、レッチリラーメン。そりゃ、愛情たっぷりでしょう。
それから、焼きラーメンなるものも。聞けば、こちらのご主人、九州の方なんだそうです。ゆえに、こちらの焼きラーメンは、想像通り、博多の屋台で食べられている焼きラーメンでした。これも食べぬわけにはいかないわけです。でも、スタンダードも食べたい。
というわけで、三杯いっちゃいました!
やはり、こちらのおススメはなんといっても、こちらのレッチリラーメンですね。もうね、これっすよ。これ。ロックな感じです。
ネット等で記事を読むと、「アリランラーメン」に似ていると書かれていますが、まったくもっての別物だと僕は思いました。一応、アリランラーメンはほぼ全部食べてます。が、そのいずれにも属さないオリジナルのスタミナラーメンになっていると思います。これは凄い。
まずね。このレッチリラーメン。ラー油の味だけじゃない。っていうか、ラー油よりも別の味が際立っている。にんにくも入っているんだろうけど、にんにくが強いわけでもない。玉ねぎは入っているので、その辺でアリランと比較されるんでしょうけど、どこか違う。
よく味わうと、こちらのレッチリラーメン。どこか、洋風なんです。店主さんに、そのことを突っ込むと、なんとなんと、こちらのご主人、ラーメン店を開業する前に、洋食屋さんでずっとコックをやられていたんですって。もう、これで全部つながりました。なるほど、と。
でも、味的には、そんなに洋食の技法が使われているわけではないんです。そこが不思議。多分、相当の玉ねぎを使っているんだと思います。それに、ローリエ。さらに、アジアンな味わいを作る調味料が色々と入っています。「やりすぎじゃないですか」と突っ込みたくなるほどに。
そういう複雑な味わいをもつのが、このレッチリラーメンです。だから、アリランラーメンとは全然違います。勝浦タンタンメンもご主人の中では、意識しているようでしたが、どう考えても勝タンとも違う。かといって、茂原タンタンとも違う。本当に他にない、面白いスタミナラーメンなんです。
惚れました。
それに、見てください。この角煮のぶっとさ。
この角煮チャーシュー、めっちゃ旨いっす。ぷりっぷりでした。
オリジナリティーが高く、攻撃的でジャンク。そして、ボリューム満点で、味は複雑系。もうね、こういうラーメンが存在していたことに、ただただびっくりするのみです。
個人的には、もう少し辛いほうが、味のバランスがよく感じられるんじゃないかなと思いました。ちょっと甘さとアジアンさが強く出すぎているかな、と。
でも、凄い一杯ですよ。イケイケです。
続けて、焼きラーメン。
こちらは、焼きそばみたいな料理ですが、醤油ダレと豚骨スープで作った焼きラーメンなんだそうです。これがね、とってもおいしかったです。これまで食べたことがない味。昔、渋谷の凪で、焼きラーメンを食べたけど、それとも全然違う味。
店主のおじさん曰く、「この焼きラーメンっていうのは、博多の屋台で、酔っぱらいの客によって生まれたものなんだ」、とのことです。「麺を焼いて、豚骨で味付けしろ」、と。で、昔、屋台で、よく作られていたのが、この焼きラーメンなんだそうです。
ご主人さんは、それこそ37年くらい前に上京してきたそうです。その後、ずっと洋食のコックとしてやられてきたそうです。でも、きっと、この焼きラーメンこそが、故郷の味なのかもしれません。そう思うと、またいっそう味わいが深くなってきます。
きくらげが入っているあたりも、また九州を感じます。
そう、内房と九州は、歴史的に深い関係にあります。そのことも意識して、食べたいですね。高度成長期の日本ゆえの一杯かな、と。
最後に、スタンダードのラーメン。
こちらは和風醤油ラーメンでした。これも、かなりあれですよ。魚介の風味は、とてもさわやか。臭みやえぐみはすべて取り除かれています。だから、何のダシなのか、わからない人も多いのでは。いりこが使われているそうですが、煮干しっぽさはほとんど感じられません。ただ、ほんのりふわ~っと魚介のうまみが感じられます。
なので、かなりテクニカルな味わいのラーメンになっていると思います。
現在の店主さんの悩みは、豚骨の臭みを徹底して排除することだそうです。が、それがなかなかできなくて、今も呻吟しているそうです。すごい!!
写真でも分かると思いますが、極上のあっさり和風醤油ラーメンになっています。どこか懐かしい味わいでもありますが、どこにも似てないというか、個性的というか。きっと、普通に食べたら、普通のラーメンなんだと思います。店主さんも、それでいいと考えていると思います。が、このラーメン、ただのラーメンじゃないですよ。極めて考え抜かれた一杯だと思います。
ジャンクさはないので、ジャンク好みの人は、まよわずレッチリを食べてもらいたいです。そして、上級のマニアの人には、こちらのラーメンを食べてもらいたいです。いや、ホント、上級ラーメンフリーク向けの一杯だと思いました。
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いやー、市原でとんでもなく素晴らしいお店と出会えました。一応、全国、そして海外とラーメンを食べ歩いている僕ですが、ここまで鮮烈なお店はそうそうないと思います。なのに、全然、情報になっていないんですね。うーん。まだまだっす。
なお、こちらのお店も、今週末の千葉県ラーメン選手権に出場されます。そのため、明日からお店はお休みに入るそうです。気合たっぷりです。
是非、興味のある方は、今週末、五井で開かれるラーメン選手権で、こちらのレッチリラーメンを食べてもらいたいです。なお、当日は、お店で出しているのとはちょっと違う「ニューレッチリラーメン」になるそうです。どう違うかは当日のお楽しみ!ってことで。
勝タンとも、アリランとも、茂原タンタンとも違う辛味スタミナラーメン。
おススメです!(マニア向け♪)