自民党に政権が交代してから1ヶ月半。 経済政策に力を入れる、と宣言しているものの、実態経済に変化はほとんどない。 それなのに株価は20%以上上昇し、円も20%近く下落した。 人々の期待感だけで、ここまで変動している。不思議だよね・・・
株を買いたい人が多いから株価が上昇する、つまり先行き経済が好転し、企業の利潤も上昇すると思う人が多いから、株を今のうちに買おうとする。 株の上昇はそれでわかるのだけれど、円の下落がよくわからぬ・・・ 海外からの投資が増えているということなので、外貨を円に換えて日本株を買うわけだから、円高になっていいはずなのにそうならない・・・ この不思議な現象は、株安で円高という、つい最近の現象でも存在していた・・・ 裁定取引?とかいろいろ複雑な取引が裏で行われている(といっても認められた取引)かららしい・・・ このあたり、私はほとんどわからないけれど、きちんと理解している人ってかなり少ないんじゃないかな、と思う。
海外投資家が外貨で日本株を買っているとすると、少し前の日本株と今の日本株とその価値はそれほど変わらないんじゃないかな? 為替と株価の変動率がお互いに相殺しあって、結局、外貨での価値は同じと言うことが起きているんじゃないかと思う。 もし、為替を自由に操作することができたとすると、海外から損をせずに株価も操作できるわけだ。
あれっ? 海外から円安に乗じてどんどん株を購入して株価がつりあがったとする。 で、今度は株安になっていくとする。 これと同時に円高になっていけば、海外の人はそのとき売ったとしても損はほとんど発生しない。 損を被るのは、国内で投資した人・・・ あれれっ? もしかするとこれって国内の個人投資家の金融残高1,500兆円を吸い上げているわけ? 誰が? 結局、国内の金融機関か???
ふと、イギリスの銀行が為替レートをねつ造してた、っていうニュースを思い出したりして・・・ そんな大規模なねつ造がどうやったら可能なのか、よくわからないけど。
金融って、本当に不思議な世界だと思う。 最近スイスのファンドマネージャー事件が話題になってるけど、彼はファンドマネージャーとして膨大な富を築いていたらしい。 サラリーマンや普通の社長で達成できないような額だろう・・・ 金融という、お金の流れを調整しているだけで、それだけの富が稼げるというのが、不思議だよね。 なんだか、まっとうな世界ではないような気がするよ。 金融=投機なのか?
また、凡人のあずかり知らぬどこかで、誰にもわからないような高度なレベルで、何らかの偽造や搾取がおこなわれているような気もする。
そういえば、先日ニューヨークタイムズの社外取締役になった伊藤穰一氏(デジタルメディア革命の旗手!)が、こういっていた(日経新聞より)。
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――持続可能な成長モデルを模索するのに新聞社に与えられた猶予は。
「5年以内だと思う。民主主義がダメージを受ける可能性があるからだ。すでにその兆候は出始めている。米国の政治に対するマネーの影響力は増大しており、政府も企業も腐敗が深刻になっている。国民が行動を起こせるようなかたちで、事実をきちんと伝える役割を守ることが重要だ」
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彼は金融の世界を批判しているわけではないけれど、マネーと政治の関係を危険視している。 そのために、新聞という,古いけれど大きな可能性を秘めたメディアを進化させて活用しようとしている。 特にニューヨークタイムズは、政治家たちも容赦なく批判する「意志」を持った新聞社。これを新しい時代のメディアに適合させ、社会を変えていこうということなのだろう。
私たちも、金融、マネーというものを「難しい」として敬遠することなく、真剣にとらえ、批判する気概を持つべきなのだろう、と思う。