真夏の夜の夢

現実と夢と真実と・・・ 
目に見える現実と目に見えない真実の交差点。

国民がこれだけ反対しているのに、なぜ原発を再開するんだろう・・・

2012-04-15 22:50:49 | Weblog

ついに、野田政権は大飯原発に問題はない、という判断をして、地元に判断をゆだねることとなった。

聞くところによると、国民の9割くらいが原発再開に反対しているらしい。  生活する生身の人間からしたら、福島原発事故の再発はなんとしても避けたいところ。 大飯原発が全く何の問題もない原発ならまだしも、対策が終わっていない部分もたくさんあるし、不安は消し去れない。 それに、前のブログにも書いたけど、何かが起きた時の体制が全くできていないのだ。 そんな状態で、再開して、もしも何かが起きたら悔やんでも悔やみきれないよ。 これが、原爆を経験し、最悪の原発事故を経験した国家の判断なのだろうか。 あまりにも国民の安全を無視しすぎている。 

最近、環太平洋地域の地震が活発しているみたいだ。 先週もインドネシアで大きな地震があった。 プレートの移動には活発な時期とそうでない時期があるらしい。どうも20世紀後半から活発な時期に入っているようなのだ。 世界でもっとも地震が起きやすく不安定なプレートの上にのる国家=日本。 その国がもっとも原発に対して前向きってのも変な話だよね。 遠い昔の出来事だった大地震が、今や現実のものとなったことを3.11で私たちは知った。 それが、明日また繰り返さないとは誰も言えない。 私たちは、地球や大自然の事はほとんど何も知らないに等しいのだ。 もっと自然に謙虚になるべきだ。

本当に、原発については国民投票をすべきだと思う。 国民全体の問題だから。 一原発の事故で日本全土が汚染される可能性もある。 人々が逃げ場を失い悲惨な状況になる可能性もあるのだ。 膨大な保証金を手にし、原発の経済効果で潤っている地元だけでなく、全国民がその判断をすべきだ。 

それにしても、野田さんにはがっかり・・・ 枝野さんも、個人的立場からは原発反対、とか、原発のない世界に、とかいうけど、結局のところ、彼自身が原発容認発言をせざるを得なくなっている。 大臣なら、もう少しちゃんとしろよな!といいたい(ただ、記者会見の時に、ちょっとだけ持って回った言い方をしていたので、実は本意ではないのか、と思ったけど・・・ でも・・・)。 いったい、誰の後押しを受けて、そんな判断をしているのか。 経済界? 電力業界? それは一部の現実のリスクをきちんと把握できない人たちの主張だよ。 もっと広い目で、国民全体を見つめて、きちんと判断してほしい。 そういうことができる政権が、民主党の新しい政権だったんじゃないんの?  がんばってほしいな! 


安易な原発再開反対! 電力会社も企業も政府も国民の安全を第一に考えるべきだ。

2012-04-10 23:48:02 | Weblog

大飯原発再開に向けた段取りが着々と進んでいる。 

それにしても、あまりにも安易だよね。 ストレステストはいずれも現在の設備がどの程度の災害に耐えうるかを示したもので、それが実際の災害が起きた時本当に問題がないかどうかはわからない。 というのも、想定される災害の規模はわからないから。 だって、その地域で起こりうる最大の地震や津波の規模が、そんなに簡単にわかるわけはないのだ。 有史以前にも大規模災害は発生していただろうし、私たちが把握できるのはせいぜい千年程度のことでしかない。 今回の東日本大震災の規模には耐えうる、といっても意味がない。 

それにストレステストでは、全電源喪失時のシステムや免震棟の建築、フィルター付きベント装置、とか、今回の原発事故で問題となった設備も、「建設予定」となっていれば、OKとなってしまう。 事実、大飯原発でもこれらの設備が完成するのは2015年。 3年も先だ。 その間に、大震災が起きたら、福島原発の同じ事態に陥るわけだ・・・ とんでもないことだよね。 東日本大震災で日本近辺の地震地帯が活性化している、という風に言われているというのに・・・ 地震リスクは以前より増しているのに、また、同じ事を繰り返すのか、と・・・ 全くあほだよね。

で、原発という非常にリスキーな設備に対して、ある意味想定できない規模の災害への耐性を強めること自体、限界があるのではないかと思う。 無限のリスクへの対策を試みるようなものだ。

だからこそ、原発は廃止すべきだ、と思う。 今の技術では、原発を完全に制御できないし、放射能を無力化できない以上、チェルノブイリのような壊滅的な事態は起こりえるのだ、と考えた方がいい。 人間にはリスクが高すぎる技術なのだ、原発は。

それでも、原発を再開すべきだ、と主張するのであれば、まず、原発の必要性を精緻な数字をもって示す必要がある。 ありとあらゆる手を尽くしても、本当に電力が不足するということを、全て公開すべきだ。 現在、関電は20%程度不足するといっているけれど、他の電力会社からピーク時のみ融通してもらえば大丈夫だ、という意見がすでに出ている。 もしも、原発が動かなければ、今後日本経済や社会が壊滅的な影響を受ける、という結論が明確に見えているのなら、原発再開という選択肢はあり得るだろうとは思う(誰もが納得する内容であれば)。 であれば、原発のリスクを全国民に開示し、リスクへの対応方法を示してから、再開という手はずになるだろう。

原発は事故を起こしうる。 福島原発時にも、最悪の場合は首都圏にまで被害が及び1千万人以上の人々を避難させる、という実現不能の悪夢が現実となったかもしれないのだ。 そうしたリスクも考慮し、全員を安全に待避させる手段を講ずる、ということ。 今回の大飯原発であれば、大阪、神戸がその範囲内に入るわけで、最悪の場合に備えて、その地域の住民全員にそのリスクを認知させると同時に、その場合の対応方法、避難方法、をきちんと明示すべきだ。 地震や津波で、交通手段は寸断され、避難は非常なる困難を伴うだろう。 それをどう解決するのか、具体的なプランを提示してほしい。 それを住民たちが全員納得して、その上で初めて原発再開という議論が始まる。 

さらには、風向きによっては、放射能は関東地方にも達する可能性がある。 食料や水が汚染される事を考えれば、人々が線量計を常に持ち、危険を察知できるようにすることも大切だし、そうした汚染度合いをリアルタイムで測定し、報道する仕掛けも必要だろう。 それに代替の食料や水の確保もしておかないといけない。

そして、何より、今回の福島原発事故でお粗末だったのが、事故対策の体制。 電力会社内の情報伝達の欠如、政府への連絡不徹底、原発事故に対応できるエキスパートの不在、恁うしたすべてがマイナスに働いた。 いざというときの緊急体制が全くできていなかった、という恐るべき事実。 平和慣れした日本の弊害。 こうした、現場から政府トップまでの緊密な緊急体制をまず構築すべきだ。 これに関しては、今のところまったく動きがない。 とんでもないことだよね!

さらに、やっぱり変なのは、エネルギー基本計画がまだ策定されていないのだ。 今の流れでは自然エネルギーの拡大、原発の縮小という方向になるだろう。 であれば、敢えて、「安全対策」のために膨大な投資が必要となる原発を再開する必要性がどこにあるのだろうか(その「安全対策」すら万全ではないので、全く意味がない投資という言い方もできる)。 もし原発がどうしても必要であるという前提があるとしたら、「安全対策」がすでになされている原発だけ、今は再開する、という方針が、今この時点では正しいんではないだろうか。 

あれだけの大災害を経験した日本なのだから、国際社会に誇れるような対応をしてほしい。 安易な妥協はしてほしくない。 国民の安全を第一に考える日本政府であってほしい。 電力会社も一企業の利益だけをかたくなに考えることではなく、国民第一の姿勢をとり、何ができるか、を真摯に考えてほしい。 かつての閉ざされた「原子力村」から今こそ脱出するときだし、そうすることで、過去の汚名をそそぐこともできるんだと思う。 国民全員が、同じ立場で、安全な方向性を目指すときだよ。