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「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第三回

2016年08月06日 | 番外編


【連載】 「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第三回


2日目(後半)


イランの原風景を望み、ひたすら車で走り続けること2時間。

時代と共に定住を選択した遊牧民のお宅へ到着しました。現地ガイドに

連れられたそのお宅は、なんと!さしこうが昨年の「ギャッベ展」の時に実演の為、

日本に呼んだ「ムサビさん」のお住まいでした!まさか日本とイランとで2度も

お会いできると思わず、久々の再開に喜びを分かち合いました。

 

見て!見て!と、さっそく家の宝物を奥様と見せてくれた無邪気なムサビさん。笑

 

 

こちらは昨年のさしこう「ギャッベ展」に来てくれた時の写真。

この時は、慣れない日本の環境の中、ギャッベの素晴らしさをアピールする為、頑張ってくれました。

 

ムサビさん宅でお昼ご飯をごちそうになった後は、

本日の目的であるギャッベを織っている織子さんのもとへ足を進めます。

織子さんはそれぞれの家庭でギャッベを織っており、数か所その家庭を訪問します。

水平機の上に乗り、草木染めされた糸をひとつひとつ丁寧に結んでいきます。

 

大きなギャッベはこのように5人がかりで織ることも。

5人がかりでも半年から1年以上かかるものもあります。

 

私も結びをレクチャーしてもらいました。不慣れな私はひと結び作るのに

10秒くらいかかります。彼女たちは0.5秒くらいでひとつ結びます。職人技ですね。

 

そして、数か所巡った先に感動的な場面が訪れました!

 

ギャッベを織っている家庭を訪れていると、今まさに完成したという

ギャッベに巡り合いました。そのギャッベは、完成したのですが、

織り機にまだつながっている状態で、これから縦糸を切り離し、織り機から外す最終工程でした。

この母娘が数か月かけて織ったギャッベ。

娘は母の技術を見て学び、そして代々その技術は受け継がれていきます。

 

ハサミ入れ。ピンと張り詰めた縦糸を切って、織り機から外していきます。

 

ハサミ入れが終わり、織り機からギャッベが外されると周りにいる人々から歓声が沸きました。

この織子さんのご家族や近くに住む人々、私たちと同行している人やガイドさんまで、

大勢の人々が拍手を送り、笑顔でこのギャッベの完成を祝います。

織子さんにご祝儀まで渡され、なんとも和やかであたたかい雰囲気です。

完成の場面では織子さんも一番お気に入りの民族衣装を着て、ドレスアップ。

 

何か月も頑張って織ったギャッベがこちら。

 

娘のハッサナワードさんは、なんだか恥ずかしそうにしていましたが、

このギャッベはルリバフと呼ばれるギャッベの中でも最高ランクのギャッベです。

結び目の細かいルリバフは高度な技術がないと織ることができません。

このお二人は相当な技術の持ち主のようです。美しいギャッベです。

 

お孫さんまでこの日はお化粧をしてドレスアップ!できたばかりのギャッベの上で記念写真。

 

そしてそして、なんと!

このギャッベをいただけることになり、この場でいただいて帰りました!うれし~

10月のギャッベ展でお披露目できる予定ですので、ご期待あれ!

 

このようにギャッベは一枚一枚、時間と手間をかけて織られ、

ひとつひとつがみなから祝福され、それぞれにストーリーがあります。

機械で1日何百枚もできるようなものではありません。

だからこそ我々は現地まで直接赴き、一つ一つに目を通して買い付けているのです。

 

さて、最後に訪れた遊牧民はザクロス山脈のふもとで暮らすご家族。

そびえ立つ山のすそ野に羊が悠々と放牧されています。

こんな間近で、ザクロス羊を見たのは初めてです。

 

いろいろな体験もさせてもらいました。

こちらはヤギの皮袋にミルクを入れて振るとチーズができます。

1時間以上力を入れて振るとのことなので、けっこうな重労働です。

ヤギの皮は保存しておくための袋でもあり、水などを入れて持ち歩いたりもします。

 

オオカミを追い払うための猟銃。さまになってませんか!?笑

 

こちらは遊牧民の嗜好品。このあと、ふわふわと気持ちよくなってきました。嘘です。笑

決して怪しいモノではありません!!笑 水たばこです。

 

 

 

雄大な自然の中、遊牧をしながら暮らす人々は、人間の本来の姿のような気がします。

暑い時期には北上し、寒い時期には南下し、自然の赴くままに、

自然環境に人が合わせていくライフスタイル。そんな中でギャッベは織られています。

 

織子さんのもとを離れ、またムサビさんのお宅へ。今日はこちらで宿泊です。

夜はたくさんの料理やフルーツを並べ、近所に住む人々も集まり、大宴会のスタートです。

ペルシャ語は難しいのでなかなか会話はできませんが、みなで食を囲み、歌い、親交を深めます。

イランの人々は本当に客人へのもてなしが素晴らしいです。

朝から様々な場所に訪れ、さすがにくたくたになりましたが、 

夜が更けても遊牧民の宴は続き、楽しそうな笑い声を聞きながら眠りへとつきました。

           つづく

 

<過去の連載>

「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第二回

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