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「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

2016年08月04日 | 番外編

【新連載】 「イラン・大自然の絨毯に出会う旅2016」第一回

 

さしこうでは手織り絨毯についての知識を深めたり、

さらなるステキな絨毯の出会いを求め、毎年イランを訪れています。

今年は7月20日~28日の日程で訪れ、自然・人・歴史・文化・絨毯に

触れる素晴らしい旅になりましたので、数回に分けて、レポートいたします。

 

初日

 

関西国際空港からドバイへ約10時間のフライト。イランへは日本からの

直通便はありません。ドバイからはさらに2時間のフライトでテヘラン国際空港に到着します。

ドバイでの乗り継ぎの待ち時間も入れると、移動時間は、約15時間。

大阪から直線距離でも7500キロ!移動だけで疲れます、ふぅ~。

 

テヘラン国際空港に到着し、さっそくイランの大地を踏みしめるとそこはすでに灼熱の国!!

舐めてかかっていたわけではありませんが、6年前に訪れた時を思い出す先制のパンチ!

砂漠の風は熱いし強いし、永遠と顔にドライヤーを当てられているかのようです。汗

気温は40度を超えています。あつい~

 

息つく間もなく、最初の目的地はイラン革命の指導者であるホメイニ師の霊廟へ。

バカでかいイスラム式のお墓の中はびっしりと敷き詰められたペルシャ絨毯と

壁と天井を埋め尽くす装飾。そのスケールは圧巻のひと言です!

巡礼者が数多く集まり、真ん中の霊廟にお祈りを捧げています。

 

この旅の無事を祈願し、次なる目的地はテヘラン国内線の空港。また空港!?

次はシーラーズへ向かうのですが、イランの国土は日本の4.5倍!広大な土地は、

移動時間も距離もそれなりにかかります。1時間半ほど飛行機に乗りシーラーズへ到着。

テヘランはイランの首都ですが、打って変わって南西部のシーラーズは

どちらかというと少し田舎。ここがギャッベの本場です。

 

シーラーズでは、最高品質のギャッベを世に送り出すゾランバリー社の

染め工場へ見学に行きます。草木で染められたウールの糸は美しく、

この糸がなければギャッベは始まりません。

アブラッシュと言われる染めムラが、素朴な風合いを醸し出します。

 

ゾランバリー社のハミッド氏に染めのレクチャーを受けます。

 

私が持っているのは刈り取ったままの原毛。

羊のカタチがそのまんまわかるようで少し生々しいでしょうか。汗

 

さまざまな原料で染められます。手に持っているのはウコン、薄い黄色に染まります。

 

そして、染め場へ。ここが一番の見せ場です。

沸騰する窯の中に染料と糸を入れ、棒でかき混ぜながら茹でていきます。

時折、染料が沸騰により、飛び出してきて大変危険です。

 

しっかりと染まると天日干し。全て自然と人の力によって糸は完成します。

 

ちなみにこれは、ギャッベでは珍しいメリノウールを使って草木染めした糸。

ギャッベは通常ザクロス羊の毛を使いますが、オーダーがあれば、

遊牧民の織子さんに頼み、メリノウールでもギャッベを作れるそうです。

しかし、きれいな糸過ぎてムラ感や糸の節がほとんど無く、

ストンとしていて面白くない印象でした。ヨーロッパではたまにオーダーがあるようですね。

 

さて、染めの工程をしっかりと目に焼き付けたあとは、お待ちかねだった夕食タイム。

さきほど染めのレクチャーをしてくれたハミッドさん宅へお邪魔。

ハミッドさんはゾランバリー社創業の家系で、創業者の息子さんに当たります。

イラン有数の大企業であるゾランバリーさん宅は、見事な大・大・大邸宅!恐れ入りました。

右側がゾランバリー社の創業者であるゴラム・レザー・ゾランバリー氏。

この方が遊牧民の絨毯「ギャッベ」を見つけ、世界に発信した人です。

 

素晴らしいおもてなしを受け、イランでの初日を終えました。

あ、ちなみにイランは宗教上、飲酒はできないのでお酒はありません。残念

初日からイランのスケールとギャッベにかける情熱を改めて実感し、

これからあと6日間続くイランの旅に備えて、早めの就寝につきました。

         つづく

 

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