つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

芝川照吉コレクション展 京都国立近代美術館

2013年06月26日 | おススメの展覧会、美術館訪問

Sibakawa_2














京都国立近代美術館の

 

「芝川照吉コレクション 青木繁・岸田劉生を支えたコレクター」展

 

に行って参りました。

 

 

是非見たい!

 

と思っていながら、なかなか出かけられずにいましたが

 

大変内容のよい展覧会でしたので「行ってよかったぁ~」と心から感じました。

 

 

全体のコレクションの内容、芝川没後の作品の売却、散逸などから

 

日本有数の美術品のコレクターとして芝川氏は

 

充分にその名を残せなったのかもしれませんが

 

例えば この展覧会で展示された 石井柏亭の数点の作品は

 

私が今まで見てきたどんな柏亭作品より 美しく耀いて見えましたし、

 

芝川氏が蒐集した劉生・青木の作品はもちろんのこと、日常に使えそうな器、

 

作者不明の素朴な玩具・人形の一つ一つにまで

 

コレクターとしての芝川氏の「愛情」が豊かに感じられ、

 

展覧会を鑑賞した私自身も大変温かい気持ちを得ることができました。

 

 

 

美術品は作者の手を離れてからも、その作品を所有し、共に暮らす人物のもとで

 

さらに美しく成長するのものなのだろうと思います。

 

 

そしてきっと芝川氏は蒐集した作品を愛するように、知り合った若い芸術家たちに

 

優しく接し、その一人一人を大切に支えたのでしょう。

 

芝川氏には、若い芸術家たちの将来や結果は関心のないことだったのかもしれません。

 

 

 

芝川照吉コレクション展は今週30日(日)まで。

 

いつもご紹介が遅くなり申し訳ありませんが、是非お出かけくださればと思います。

 

 

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手ぬぐい

2013年06月20日 | 手ぬぐい

Houduki

 

 




















手ぬぐいの一番似合う季節は、「いかにも!!」の夏ではなく

案外梅雨の今頃でなないかしら?と思っています。

 

紫陽花、菖蒲、蓮、酸漿。。

この時期には沢山の花が見ごろを迎えます。

そして雨の似合うこの花たちは、手ぬぐいの絵柄としてしても粋に、

美しく映えます。

 

 

 

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小杉放庵作品

2013年06月11日 | 小杉放菴

小杉放庵 軸 共箱 「風月」です

この作品とも随分長いお付き合いになりました。

軸装を新しくして 飾る場所を選ばないようにしてみました。如何でしょうか?

 

 

Photo_2





























小杉放菴は本名を国太郎といい、1881(明治14)年に日光で生まれました。


日光在住の洋画家・五百城文哉に学んだのち、

上京して小山正太郎の不同舎に入塾。未醒と号して、主に太平洋画会展で活躍し、文展でも2度にわたって最高賞を受賞します。


 その間、漫画家や挿絵画家としても頭角をあらわし、美術雑誌『方寸』などの編集に参加。

のちには、横山大観と親しくなったことから、再興日本美術院にも、当初から同人として加わり、洋画部を主宰しました。


院展の洋画部は第7回展で解散したため、未醒らは新たに春陽会を結成しますが、それからも、親しい友人であった山本鼎の農民芸術運動に協力するなど、その芸術活動にはたいへん幅広いものがあります。

また、かなり早い時期からテニスや野球を楽しんでいたスポーツマンとしても知られており、国木田独歩や芥川龍之介といった作家や、その周辺の学者、思想家、財界人たちとの親密な交友関係もありました。


 大正末から昭和初頭にかけての時期に、雅号を放庵(のちに放菴)と改めて、次第に水墨と淡彩による表現への関心を深め、日本画の世界においても、独自の枯淡な境地を創造しますが、晩年は新潟県赤倉の山荘に住んで、仙人になったと評される生活を送り、1964(昭和39)年に没しました。


 代表作には、東京大学・安田講堂の壁画や「水郷」「山幸彦」「奥の細道画冊」などがあり、それらの作品に現われた自然への優しく確かな眼差しは、幼い頃に過した日光の風土に対する回想が基調になっているとされています。

                          (日光市小杉放庵記念館より抜粋)

 

作品数は多くありませんが、私達は開店以来、書を中心に小杉放庵の作品を求めて参りました。

まことにさりげなく・・

日々の生活に寄り添ってくれ

まことに自然に・・

わたしの心を自由の世界に誘ってくれる。。

放庵の作品にはそんな印象をもっています。

 

初夏とも梅雨ともいえないこの日々に放庵の爽やかな作品をお楽しみ頂こうと思います。

 

 

 

 



2



















「長風萬里」 共箱 



1

 

 

 


















「四季の歌」 額  

老いぬればいのちのうちにいく度の春ぞと思ふ春ゆかんとす

夏山に一つ家ゑがきその内にだれをおかましわれをおかまし

ひとりゆくひとすぢみちの草心に志んかんとしてひるの月あり

可れ谷のわが腰かくる石の下をあはれかそけき水の音かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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手ぬぐい

2013年06月08日 | 手ぬぐい

2013060811480000_3

























「夏はやっぱり藍だね~」

と佐橋が京都のお土産に手ぬぐいを買ってきてくれましたので写真に撮ってみました。夏の図柄には少し早いのですが、ご紹介を。

永楽屋さんの三本です。

「夜景」には月と五重の塔が描かれています。

新作だそうです。遠目でみるととても美しい図柄です。

下の「カフエ-」は昭和9年、「花火」は昭和11年の復刻版です。

こんな図柄が昭和9年に堂々と??  という感じですね。

右の花火の構図といい、

この時代の人々のほうが今の私達よりよっぽど自由であったのかもしれません。

Photo

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大観のことば

2013年06月01日 | 日記・エッセイ・コラム

2013060111380000_2





























なんだかもう・・6月になりました。

 

私は名古屋に嫁いで25年になりますが、

 

この地域が5月から梅雨に入ったのは今年が初めてだと思います。

 

 

どうなっているのでしょう?

鈍くなった私達が何かに気づいていないだけなのでしょうか・・

 

 

 

「大観のことば」

 

東京の横山大観記念館にお出かけになったお客様から、お土産をいただきました。

 

画集などにで大観の画論に触れることはありますが、

 

この小冊子も読んでいて「ふーん、大観らしい!」と感じるところが多くあります。

 

 

これはもう有名な文章ですが、たとえば 

 

「酒の話」

 

酒といえば、この大観を大酒のみと思っている人があるかもしれないが、これは違う。

 

私はただ酒を愛するだけだ。

 

酒を愛するの徒ということがあるが、ただそれだけだ。

 

昔は二升位はやったが、今は一升というところだろう。

 

一升といっても一時にやるのではない、朝、ひる、晩、三回にわけてやるのだから

 

大したことはない。 『大観自叙小伝』

 

 

朝昼晩と三回にわけて一升飲む人を大酒のみと云わず、誰を大酒のみと呼ぶべきかぁ?

 

大酒のみと言われても、  『これは違う』

 

こう言いきってしまうところが、大観の気はく。

 

大きさというものなのだろうと思います。

 

 

年々に私は大観が好きになります。

 

生きるということに対する気迫を第一に考えていたところ。

 

大らかで優しいところ。

 

男性として愛くるしいところ。

 

 

数年に一度位しかその作品に触れることはありませんが、

いつかまたその何とも言えない温かさを存分に感じ取れるように

滅茶苦茶なお天気にも負けず五感を磨く努力したいと思います。

まず、このところの食べ過ぎを慎まなくては・・

桃やさくらんぼが早く出回ることを喜んでいてはいけません

 

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