つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

手拭い

2016年05月23日 | 手ぬぐい

本当に久しぶりに手拭いのご紹介を。

紫陽花にカタツムリと柳に燕。

紫陽花の方は注染ぞめですので、裏も同じように柄が楽しめます。

昔ながらの注染の手拭いには柄の派手さはありませんが、使い込むうちに布の柔らかさが増し、使いやすく柄も温かみがましてくるように感じます。

いよいよ暑くなり、手拭いの出番が多くなります。

 

 

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奥村土牛展

2016年05月16日 | おススメの展覧会、美術館訪問

私たちの展覧会のお知らせも大切ですが、もっと早く奥村土牛展のお知らせをすべきだったと反省をしています。

土牛を思うとき、私は日野原重明さんの言葉を思い出します。

 

 

 

自伝というのは、功なり名を遂げた人ほど、隠しても自賛の気配が行間からにじみ出るもので、とくに政治家や実業家にはその横溢の量が多いようだ。

本書の執筆のため、数十名の自伝を読んだが、堂々とみずからを誇るものや、多分に遠慮がちではあっても、やはり自恃を強くあらわした筆致が見られる。

奥村土牛の「牛のあゆみ」を読んで、しんそこ感動した。

静かに丁寧に細やかに書いてゆく文章が語る誠実さ、師や同僚を描く慎ましい筆使い。

自分の経歴への控えめで正確な記述。実に清爽な読後感を味わってつづけて読み返したほどである。

「無難なことをやっていては、明日という日は訪れてこない」

この土牛の言葉も他人にいうのではない。みづからを励ますためにつぶやいている。

昭和29年のことばだから、土牛65歳である。

「描きたいと思った対象なら人物、風景、動物、花鳥、なんでも失敗をおそれずぶつかっていきたい」と芸術院会員になっていた画伯はいう。

 

 

山種美術館の土牛展の会場ですれ違ったご婦人が、ご一緒のお友だちに

「本当に心が洗われるような作品ばかりで感動したわ」とおっしゃっていました。

私も心の底からそのように感じ、また土牛の作品の素晴らしさは上の日野原さんの言葉そのものだと思っています。

 

日本画家の作品レベルは60代から上がり、70歳前後でピークとなるように今まで感じてきましたが、

土牛の作品は70代~80代でもまだまだ素晴らしい、豊かに優しく「私」を許し、受け入れてくれる。

そんな印象を持ちました。(下の醍醐も土牛83歳の作品です)

 

 土牛展は今月22日までです。是非皆さまお出かけくださいませ。

 

 

 

 

 

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国立近代美術館 常設展

2016年05月06日 | おススメの展覧会、美術館訪問

八十八夜が過ぎ、いよいよ立夏、初夏の訪れとなりました。

ゴールデンウィークをみなさまいかがお過ごしでいらしたでしょうか?

佐橋と私は、前半を東京の美術館巡りに、後半をそれぞれの老親のもとで過ごしました。

名古屋で同居している両親も88才と86才に、東京で独り暮らしの父も80才となり、年を重ねて生きるということの重みを私たちに投げ掛け、また教えてくれているように感じています。

今回は、特に安田靫彦と奥村土牛という長寿画家の回顧展を巡りましたので

特別に色々なことを考えもいたしました。

安田靫彦展については先日このblogで、また奥村土牛展についてはまた後日ゆっくりご紹介させていただこうと存じますが・・

今回の靫彦展の会場である国立近代美術館さんの常設展の出品作品がとても素晴らしく、また作品を写真に収めることもできましたので、今日は、少しみなさまにもご覧いただこうと思います。

 

申し訳ございません。作品名のご紹介は省略させていただいて、作家名だけお知らせいたします。

節句の御軸は美人画でお馴染みの鏑木清方。「粋」という点でピカいちの画家だろうと私は思っています。

下は天才、速水御舟。画家が写実を最も重んじた大正11年製作。色、そして何よりも線に命がやどり、木立の纏う空気がでこぼこと立体感を帯びています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つい最近、ご家族でご来店くださったお客様のお話。

お父様は佐伯祐三がお好き、大学生のお坊っちゃまは古賀春江がお好き。

ちょうど、その二人の画家の作品が二つ並んで飾ってありました。

美術館ならではの趣向。一流の作品。羨ましくも、なぜか微笑ましく、じっくり作品を拝見しました。

 

そして、最後に 圧巻!!!安井曽太郎の4点。

もちろん、隣の壁には梅原の作品がずらっとならんでいましたが、

梅原は倉敷の大原美術館さんに軍配があがりそうな作品の印象。。

 曽太郎の4点は全て代表作と言われる作品。まさに国立近代美術館の顔といった作品群です。

 

こちらもごく最近、安井の素描作品を扱わせていただく機会をお作りくださったお客様のことを思いながら、二人で作品に近づいたり、遠ざかったりしながら、思いきり作品を楽しませて頂きました。

いつか、私たちの場合、この「いつか」が本当に訪れるのか?さえわかりませんが・・

安井の油絵の人物か風景を!という佐橋の夢、果物を!という私の夢を思い出すこともできました。

 

近代美術館さんの作品をご紹介してしまったあとに大変厳しいのですが、

来週からは当店の5月の展覧会の出品作品についても御紹介して参ります。

 よろしくお願いいたします。

 

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