不定記

ここはsagittaが書きたい時に書きたいことを書くスペースである。更新は不定期。そのため日記ではなく不定記なのである。

レビュー『日本の昆虫1400 (1) チョウ・バッタ・セミ (ポケット図鑑)』

2013-05-12 | 批評のようなもの:その他
ジャンル:昆虫図鑑
おすすめ度:☆☆☆☆☆(5/5)




マニアックかつハイクオリティの生き物系の本を出しまくっている文一総合出版さんの、
昆虫に関する渾身の一冊!というべき図鑑。

ほんとうに素晴らしいクオリティの図鑑だと思う。
図鑑の用途は、人によっていろいろだと思うが、少なくとも、
近所で見つけた昆虫を、「これって、なんていう種類だろう?」と思って調べる、
という用途には、これ以上ないくらい完成度の高い図鑑。

まず、写真のクオリティがすごすぎる。
標本を背中から撮ったものではなく、生きてる昆虫を、白い背景で立体的に撮った写真。
小さなものも、頭の先から足の先までばっちりとピントが合っている。
「今まさに目の前にいる昆虫と、図鑑の該当ページを並べて、どの種かを調べる」という使い方に、
まさにうってつけ。
昆虫に詳しくない素人でも、かなりの精度で、それなりの自信を持って種を同定できると思う。

文庫本サイズで、2冊組で合わせて掲載種1400。
持ち歩きも用意で、ふつうに出会う昆虫ならほとんど網羅しているんじゃないだろうか。
ここまでのクオリティのものは、今までになかった!

しかもセミやバッタなどの鳴く虫は、ホームページで鳴き声全部聴けるとか……もう至れり尽くせり過ぎて脱帽。
今月中に、コウチュウやトンボが入った2巻が出るらしい。
今から楽しみでしかたない。

芝崎みゆき『古代マヤ・アステカ不可思議大全』

2010-09-30 | 批評のようなもの:その他
古代マヤ・アステカ不可思議大全


すてきな本に出会った。

読んで良かった本とか、他の人に勧めたい本とか、そういうのにはたくさん出会ってる。
でも、本そのものに惚れて、これから先何十年も家の本棚に置いておきたい!なんて思った本は本当に久しぶりだ。
本文に使われている紙の質とか、ソフトカバーで派手すぎないけど楽しげな色の装丁とか、全体の雰囲気も相当好き。
自宅ブックカフェ(笑)の本棚の、特等席に置かれること決定。

前置きが長くなったけど、この本について。
マイナーだけど、面白いとこだらけのアメリカ大陸の神話や、
遺跡からおぼろげに分かってきた暮らしぶりなどを、マニアックに書きまくった本。
マヤ! アステカ! なんかわくわくするけど、難しくて、くわしいことは全然知らない、って人がほとんどだろうと思う。
僕もその一人。でも、なんかわくわくする、ってステキだよね。
全然知らないのも、これから新鮮に驚ける要素がつまっている、ってことだし。

そして、全編手書き。
さらっと言ったけど、とんでもないことだ。
イラストはもちろん、びっしりと書かれた文字が全部手書きのものを、取り込んで印刷してある。
ほぼ全ページ黒一色で、細いペンでひたすらに手書きされたその本の見た目は
もはや、中学校とかの学級新聞そのもの。
もっとも、今は学級新聞だってパソコンで作るのかもしれないけどね。
なんでそんなめんどくさいことをしたんだ!と誰だって思う。
パソコンに比べて労力がハンパない。
それに、正直言って読むのも大変。
活字ならさらさらと読み流せるのに、手書きだといちいち頭の中で解読するからか、
予想以上に読むのに時間がかかる。
いつのまにか僕らはすっかり活字文化に染まっているんだなぁ、なんて思う。
でもそれでも、この本が手書きであることはすごい魅力だ。
僕らからすると全く馴染みがなくて、遠い存在であるマヤ、アステカの文明が、
手書きの文字によってすごく近く感じられる。
えらい学者先生がまとめた考古学の本じゃなくって、好奇心旺盛で変わり者なクラスの友達が、
目を輝かせながら語ってくれる不思議な話。そんな感じ。

内容はといえば、意外にも「簡単、すぐわかる!」という感じじゃない。
出てくる内容もごちゃごちゃしてるし、そもそも分厚い(約300ページ!)。
しかも、これでもか、というほどに詰め込まれた脱線的な、トリビアっぽい情報だらけで、
どれが本筋かわからなくなったりもする。
でもそれがまた、自分の話に興奮しながら熱く語る友人っぽくていいんだよなぁ。
考えてみれば、古代の神話なんていう役に立たないことに夢中になっているんだから、
合理的なことなんかとは無縁で、脱線こそが楽しいんだもんなぁ。
世の中、分かりやすいとか、手間をかけないことがもてはやされてるけどね、無駄はロマンなのですよ。

偉そうな学問っぽくはないと言ったけど、だからと言っていい加減に作られてるわけじゃない。
そこはオタクらしい熱心さを発揮して(笑)、大量の参考文献を参照して膨大な情報量になっている。
もともと学会でもまだわからないことだらけの文明だし、門外漢の気楽さもあって、
ちょっとトンデモな説も、「こんなことを言っている人もいます」なんて取り上げているのがまた楽しいんだよなぁ。

そんなわけで、一気に読み終えて「役に立った」とかなんとか言うんじゃなく、
家においておいて、何年後でも、気が向いたときに手に取りたくなる、そんな素敵な本なのでした。

ギリシャとかエジプトとかの本もあるらしいぜ!
これは本棚に並べねばなー。
見てみたい人は、うちに遊びに来るといいよ(笑)!

朗読チャネル

2007-09-06 | 批評のようなもの:その他
素敵なサイトを見つけました。

朗読チャネル

プロのナレーター・声優をやっている喜多川拓郎という方が、宮沢賢治作品を片っ端から朗読しています。
ちゅーか、もう、段違いにうまい。
ほんっとーにいい声だなぁ。
「よだかの星」を聞いたのだけど、鷹の声なんてもう最高。
一聴の価値あり! おすすめです!

プラネタリウム『銀河鉄道の夜』 by KAGAYA

2007-08-06 | 批評のようなもの:その他
この記事を読んでくれている、全ての人におすすめしたいです。
公式サイトはこちら

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を3DのCGで表現した作品。
脚本とイラストの総指揮は、僕の最も好きなイラストレーターの一人、KAGAYA氏。
星座や神話に関する繊細で透明なイラストを描かれる方です。

ストーリー的な作品ではなく、とにかく賢治の描く銀河鉄道の夜の世界を映像化することに主眼を置いた作品で、余計な解釈は不要。
ただただ、圧倒的な銀河の世界に見惚れればいい。
プラネタリウムで上映されるために創られた映像は、360°視界いっぱいに広がり、本当に自分が銀河鉄道の世界に迷い込んだような気分にしてくれる。
DVDとかも出ているみたいだけど(購入を検討中/笑)、ぜひ、一回はプラネタリウムで見てほしい。

まずは、公式サイトの、KAGAYAさんの描く美しい銀河を見てみてください。
そして、それが視界いっぱいに広がる姿を想像してみてください。
素敵だな、と少しでも思った方は上映館を調べて(夏休みなので、色々なところでやっているみたい)ぜひ作品を見てください。
作品はきっと、あなたの想像の10倍は素敵です。

「銀河鉄道の夜」が大好きだ、という人だけじゃなくていい。
僕だって、あの作品は一応読んだ、と思っていたけれど、古い作品だってこともあるし、描写の内容も、いまいちピンときていなかった。
映像化されたのを見て、初めて、「ああ、この作品の描写って、こんなにも美しいものだったのか」って事に気づかされた。
それに影響されて今、改めて原作を読み返している。
気づかなければそのままだっただろうけど、この作品の、途方もなく美しい描写と、胸の奥に響くストーリーに気づくことが出来た僕はこの上もなく幸せだと思う。

本当に感動しました。
見終ったあと何分か、作品の余韻に浸ってものも喋れなかったくらい。
心が動く感覚って、すごく心地よくって、うれしくなる。

「マイボス マイヒーロー」

2006-07-15 | 批評のようなもの:その他
テレビ番組。
毎週土曜日夜9時に日テレでやってるドラマだ。

TOKIOの長瀬が主演で、ただなんとなく点いていたので見た、という程度だったのだが。
面白い!
いいね、この馬鹿馬鹿しさ。
もはや突っ込みところが多すぎて、突っ込む気もうせてしまうほど。
ここまで徹底したドタバタ作品はドラマというよりコントのようで、
頭を使うことなく、純粋に笑える。
こういうの、悪くないね!
大杉蓮さんかっこいい!

ボウケンジャー

2006-04-23 | 批評のようなもの:その他
寮の部屋にはテレビがあるので、何気無くテレビをつけたら轟轟戦隊ボウケンジャーをやっていた。
デザインとか設定はどうもいまいちカッコよくない気がするんだけれど。
ストーリーが意外にもかなり面白い。
赤いやつが「チーフ」と呼ばれて、他のメンバーより偉いらしい。
しかも、どうやらみんなあまり仲がよくないらしい。
今回などは巨大ロボの中でひたすらに仲間割れをして、敵に負けちゃったし。
単純に「みんなで力を合わせて敵を倒す」ってだけの話ではないようだ。
なかなか今までにない感じの戦隊ものだなぁ。

お絵かきBBS

2006-01-31 | 批評のようなもの:その他
ここのお絵かきBBSが面白い。
何がすごいって、絵のレベルが半端じゃない。
もちろん、レベルはピンからキリまであるが、
トップレベルの絵はホントに、僕には人間業じゃないようにさえ見える。
特に「イラスト展示」というカテゴリが、個性的な作品ばかりを紹介していて面白い。
ここの作品には、絵を描いている過程をアニメーションとして見ることが出来るものがあるのだが、
これが本当に面白い。
質の高い風景画など、線画から立体的な絵になるまでの過程を食い入るように見つめてしまう。
とりあえず、目下のおすすめは「かげつ★」さんの「廃墟」という作品。
このサイトは検索機能もついているので、アニメも含め、是非見てみてほしい。

小説投稿サイト

2005-12-29 | 批評のようなもの:その他
僕がお世話になっている小説投稿サイトが最近荒れ気味だ。
いや、正確には荒れているわけではないんだろうが、
なんだかいつもの雰囲気とは変わってしまっている。

僕も言いたいことはたくさんあるのだが、
ネットで議論すると碌なことにならなそうなので、
ただ沈黙を続けるしかできないでいる。

掲示板で、もっと批評しあう雰囲気にしなければいけない、
というような、「サイト改造論」が出たりしてしまっている。
なんだか、根本的なことが間違っていないだろうか。
管理人でもない人が、「サイト改造論」を議論すること自体何かおかしい。
投稿サイトや参加型のサイトだと、
常連がそのサイトを「自分のもの」だと勘違いすることがよくあるが、
それが個人ページであることには変わりないのだ。
管理人が自分の趣味で、自分の考えで作っているサイトを、
他人が「もっとこうすべきだ」などというのは根本的におかしい。
そのサイトの趣旨に賛同できないものはそこを去ればいいし、
そこを利用する人は管理人の意志に従うべき。
ただそれだけのことだ。

そもそも、
「批評し合えるサイトが素晴らしく、褒めあっているだけのサイトはダメだ」
などと誰が決めたのだろうか。
なぜかそういう意見が「言っていることは正しい」などと認められはじめているが、
少しも正しくなんてない。
何となく、「真面目な方がえらい。遊んでいる奴はダメ」
というようなイメージがあるのかもしれないが、それも根拠不明だ。
「僕は医者で、人間の命を救う真面目な仕事をしているから偉い。
君はゲームクリエイターで、やってるのはくだらない遊びじゃないか。
だから君はダメだ」
というのと同様の論理だ。

僕は、今のままのあのサイトがすごく好きだ。
「批評サイト」などと銘打って、肩肘張っているところでは、
読むほうも「何か批評をしなきゃ」という気分になってしまって、
純粋に作品を楽しめないことがある。
それに対してあそこでは、肩肘張らずに、楽しくネット小説を読める。
気になったことがあったときだけ、
それを少し書き込めばいい、あそこのスタンスが僕にはとても合っている。
僕の大好きなサイトが、これからも生き続けることを切に願う。

ドラマ「火垂るの墓」

2005-11-01 | 批評のようなもの:その他
やばい……。
節子ちゃん役の女の子、うますぎる……。
ドラマ自体にはあまり興味がなかったのだが、
子役があんまりにうまいのに、本当にびっくりしてしまった。
こんなにうまい子役ははじめて見た。
こんなことを言ったら悪いかもしれないが、
他の大人の俳優たちが思いっきり見劣りして見えるような……。
いや~、本当にすごい。僕も見習わなきゃ(笑)。

女王の教室…やっぱり苦手。

2005-09-09 | 批評のようなもの:その他
→公式ページ


前にこの不定記でドラマ「女王の教室」について取り上げた。→こちら
実はあれ以来見ていなかったのだが、
今日最終回前のダイジェスト版をやっていたのでつい見てしまった。

そして……ダメだ。僕には耐えられない。
ホントに、気持ち悪くなるようないじめや小学生が苦しむシーンが、
たくさん出てきて、僕は正視することができない。
まぁ、それは仕方ないのかもしれないが、
あれだけのことをしている真矢が、「実はいい先生」とか言われても納得できないなぁ。
みんなで結託して真矢を追放して終わり、
とかだったらまだ納得できるかもしれないけど…あり得ないな(笑)。

今の日本で、小学生に対して人生の辛さを教えて、
「一人で生きていけるようにする」ような必要があるのだろうか。
あれではそれこそ、自分のためなら他の人間を犠牲にして、
「何が何でも生き抜くこと」を学びかねない。
そんなふうに思った僕は、やっぱり甘いのかなぁ。
でも、そうでないと人生楽しくないじゃないか。

まぁ、なんだかんだ言ってこのドラマに興味を持っているんだから、
僕もこのドラマを制作した人達の戦略にはまってるんだろうけど(笑)。
あ、でも子役の演技はすごいと思う。
特に主人公の子は表情の演技が抜群にうまい。
あと、由介というおちゃらけた男の子も結構好きだなぁ。
最近、子役のレベルが上がっているなぁ。

CM。

2005-08-19 | 批評のようなもの:その他
今日の昼間、会社を定年して動物園の園長になった人の、
15分くらいのドキュメンタリーのような番組をやっていた。
へぇ~、と思って見ていたら、番組の途中で、
「動物園の仕事に挫折しかけたとき、奥さんが彼に、青汁を薦めた」
…あぁ、青汁のCMだったのね。
そういえば提供は青汁の会社だったわ。
それにしても、ドキュメンタリー番組の中にひそませるとは。
それ以外にも何度か話の中に青汁を飲むシーンが出てきて、
「うん、飲みやすい」とか言ってたし。
最近のCMって色々な手法を使ってるんだなぁ。

それにしても15分くらいの中で2回しか出てこないCM、
ってのもなかなか回りくどい。
…でも、ちょっといいかもと思ってしまった(笑)。
なかなか効果的なCMかも。

「女王の教室」

2005-07-02 | 批評のようなもの:その他
今日はじまった、日テレの新ドラマ「女王の教室」を見た。
(正確には、母が隣で見ているのを横目に見ていただけだが)

あっはっは!

いやーもう、ずっと失笑しっぱなし。
最近のドラマはドタバタに過ぎるというか、いくらなんでもリアリティがなさすぎだ、
とよく思うのだが、これに比べれば他のドラマなど問題ではない。
思いっきり、マンガをそのままドラマにしたようなめちゃくちゃさ。
あんまりに突っ込みどころがありすぎて、何もいう気にならないくらいなのだが、
慣れてしまえば、もしかしたらこういうのも意外と面白いのかもしれない。
そういえば、僕は、ドラマ版のGTOが結構好きだった。
子供たちが主人公ってのもいいしね。
子役たちがみんないい味出してるし、鬼教師役の天海祐希もキャラが面白い。
まぁ、キャラクターはみんなマンガ的で、リアリティなんてかけらもないのだが、
その分、びしっとはまっているとなんだか気持ちいい。

ありゃ、このドラマを批判してやろうと思ったのに、
妙にほめてしまってるじゃないか(笑)。
まぁ、僕は、分かりやすくて単純で、リアリティのない話が好きなのだ。

バイキンマンって…

2005-02-25 | 批評のようなもの:その他
UFOに乗らなくても空を飛べるのか!
今日のアンパンマンで、UFOが壊れたバイキンマンが自分の羽で飛んでいた!
そういえば、背中にハエみたいな羽根が生えていたけど…
そして、バイキン城にあるモニター?みたいなのを操作する機械はスーファミのコントローラの形をしていた。
時代が変わってもプレステのコントローラになったりはしないんだな(笑)。

文芸雑誌?ファウスト

2004-12-19 | 批評のようなもの:その他
ファウストという雑誌が気になる。

小説を載せたりしているから、分類的には「文芸雑誌」なのだろうが、とにかく変な雑誌だ。
表紙はわざとなのかなんなのか、まじめな人が見たら眉をひそめるような変な女の子のイラスト。
大きさは新書くらいだから、雑誌としては最小だろう。
その割に中身は多いから、分厚さは辞書のようになっている。
そして、作品ごとに全部違うフォントを使う。
サイズも、行間もまちまちだから読みにくいことこの上ないのだが、ひとつの作品に集中して読んでるときには気にならないから、まあいいのかもしれない。
そこまでは、単に「奇をてらった雑誌」であり、むしろ僕にとってはあんまり好ましくない感じの本だ。

しかし、載っている作家がいい。
僕の大好きな乙一をはじめとして、いわゆる、今までのジャンルでは分類不可能な作家が集まったという感じなのだろう。
とはいっても、乙一以外は読んだことのない作家ばかりなのだが、西尾維新の文章などは立ち読みした感想はかなりいい感じだ。

分厚い割に載っている作品数はそんなに多くないから、ひとつあたりの量はかなり多い。
少なくとも、乙一が普段書く短編と同じくらいの量はあるだろう。

これはぜひとも読みたい!とは思うものの、1000円を超えるこの値段は、いささか高すぎやしないだろうか・・・。
古本屋で並ぶことを願うばかりである。見たことないけど。
ちなみに今、4号まで出ているらしい。