萌映画

映画評と映画与太話

レッドクリフ Part 2 ―未来への最終決戦―(2009)

2009-05-16 | 映画評・歴史系活劇
「レッドクリフ Part1」の続きにして終結編のPart2。
いよいよ赤壁での決戦である。

諜報活動あり、疫病あり、だましっこあり、天候あり、直接交渉あり…。
「全部入り」みたいな感じ。
それはそれでよかったのだが、やはり戦いは無駄に人が死ぬねぇ。しくしく。
しかもこっちも相手も人間なのだから、勝利しても「ロード・オブ・ザ・リング」のような達成感はなく、あーあ、という感じ。
なので、Part1を見たときはPart2の見てからのが盛り上がるかなと思ったが、逆に盛り下がったり(^^;
作品としては盛り上がったんじゃないかと思う。
特に、1ではオマケっぽかった小喬(リン・チーリン)とか、ただの欲張りエロ親父に見えた曹操(チャン・フォンイー)とか、2では人物に厚みがあってよかったんじゃないかと。
逆に、1で活躍した劉備の部下3名はいまいち活躍の場が…。
ま、1は武勇の話、2は知謀の話ってなってるっぽいからそんなもんかな。

ちょっと何の演出、マンガ? とか思っちゃう部分もなきにしもあらずだけど、とにかく戦いのシーンは壮絶。
エンドクレジットを見てたらまた人民解放軍が協力してるみたいですね…。

というわけで、この作品はPart1とPart2、あわせて作品だ。1個だけみてもダメだと思う。
1が145分、2が144分あるけど、見るなら両方頑張って見てくださいな。


萌え度:
好き度:
鑑賞:劇場(2009.4)

原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
配役:トニー・レオン(周瑜)
   金城 武(孔明)
   チャン・フォンイー(曹操)


レッドクリフ Part 1 (2008)

2008-11-17 | 映画評・歴史系活劇
制作がアメリカ/中国/日本/台湾/韓国となっている「レッドクリフ」、よってたかって作ったけど主導権は中国にあったんだろうーな。日本のスペクタクルものにありがちなチープさや甘えは一切ない。重厚な美術、迫力の肉弾戦、出た人海戦術、破綻の無いCG、全編中国語。
三国志を知らなくてもおもしろかったです。

そして、さすが中国古典モノ、薀蓄(?)がいっぱい。
徳の高い君子とか、兵士結束の采配とか、文武両道とか、藁も束ねれば強いとか、なんとかの陣とか、なんとかの兵法とか…。その道に詳しい人だったら思わずにやりとしてしまうのでは?

キャストもそれっぽい人たちをうまく使っている。
美男美女の周瑜夫妻は現代的過ぎる気がしないでもないが、いい人・劉備(ユウ・ヨン)、欲張りエロ親父・曹操(チャン・フォンイー)、屈折王子・孫権(チャン・チェン)なんかはなかなかはまり役ではないだろうか。
孫権の妹のお転婆姫はさすが南国美女、目がでかいと思ったらこの人、少林サッカーで太極拳やってたねーちゃんだった(ヴィッキー・チャオ)。
何故か特別出演という肩書きがつく中村獅童、甘興という海賊上がり将校の役だが、ちょっと下っ端で結構出番多い。偉い役でもちょっと出役でもなくても、「特別出演」ってありなんだろうか。
関羽(バーサンジャプ)と張飛(ザン・ジンシェン)なんか、中国ドラマの人とそっくりだよ。見事にステロタイプだよ。(下記DVD参照、同じ人?よくわからん)
趙雲(フー・ジュン)がとてもかっこいい役なのだが、俳優さんはガタイはいいが、イケメンではない。まあ、彼がイケメンだったら主役とっちゃうよね(^^;
諸葛孔明の金城くんは最初は「吹替え?」とか思ったけどどうなんだろう。彼、中国語もできるよね…。トニー・レオンも「吹替え?」って思う場面があったから、単に音声の処理のせいで声が浮いて聞こえたのだけなのかもしれない。

うわー、アラゴルンかよ、とか、きゃー、レゴラスかよ、ていう場面があったり、さらにここまできたらアキレスかヘクトルかっていう場面もあったりして、古今東西英雄は不死身なんですね(^^;
まあ、何でここでラブシーン? っていう疑問もなきにしもあらずだったけど…。
トニー・レオンは脱がしたくなる俳優のひとりってことでしょうかね。

赤壁での決戦を前にしてお話は続く、ですよ!
続きは2009年4月公開。一挙にやってくれよー。

日本ではレーティングはついてないが、これ、西洋に出したらPG-13くらいはつきそうな感じだ。 > ロード・オブ・ザ・リングと同程度
なので、暴力が嫌いな人はちょっと注意。


萌え度:
好き度:結構好きだけど。Part 2を見たらもう一段階上がるかも。
鑑賞:劇場(2008.11)


原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
配役:トニー・レオン(周瑜)
   金城 武(孔明)
   チャン・フォンイー(曹操)


↓これは中国のテレビドラマ。ほら言われなくても関羽と張飛が…。
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モンゴル(2007)

2008-04-18 | 映画評・歴史系活劇
テムジン、一対一になったらアラゴルンのごとく無敵です!

この映画とほぼ同じ時期に日本映画の「蒼き狼」(未見)が制作されてて、なんだかなーだったのだが…。
こちらロシア人監督の「モンゴル」はかな~りドライな感じに仕上がっている。
思ったより子供時代の話が長くて大河ドラマを見ている気分。そして、「おいおい、観客をどこへ連れて行くんだ!?」って感じがなんとなく「グリーン・ディスティニー」に似てるかも…。
突然話が飛んだりするので、そういうのが駄目な人には駄目かも。

チンギス・ハーンことテムジン(浅野忠信)の幼少期からモンゴルの頭領(?)になるまでくらいの話。なので、世界征服に出る前だ。
まあ、なんというか、凄まじく大変な半生で…。
そして一番強いのは奥さん! とか思った。

後半は戦術面でも楽しめるので、なかなかよろしいのではないかと。
しかし、覆面二刀流はちょっと「300」を思い出しました(^^;
それにしても凄い玉砕戦術だ。「300」での見かけ倒し軍団とはわけがちがう…。役目を果たしたあとは味方に射抜かれちゃうんだよ(^^;

しかし、主役級の二人が日本人と中国人なんだが、いいのかね。そしてテムジンの奥さんボルテ(クーラン・チュラン)は思いっきり田舎のモンゴル人顔。公式サイトを見たら、やはりモンゴル人で、でも映画出演はこれが初めてとか! その割には堂にいったもんだったぞ。

テムジンの盟友ジャムカ(スン・ホンレイ)はなんか妙な癖があるキャラで、何か意味があるのかと思ったがよくわからなかった。ええと、「ナイト・ウォッチ」のザヴロンもこんな感じ。なので、露西亜ではあれがなにかの定番なのかな。

全台詞がモンゴル語の浅野さん、なかなかちゃんとモンゴル語してたんじゃないかと思う。ちょっとモンゴル語を勉強したことのあるrukkiaだが、少し聞き取れてうれしかった。が、テムジンのおかあちゃんの台詞だけは全然聞き取れなかった。メルキト訛りだったりするのか?(単に知らない語彙だっただけか?)
他に、タングートの役人は中国語をしゃべってた気がするが…。IMDbでは言語はモンゴル語としか書いてない。
ついでに、女優さんの名前のアルファベットでの綴りはKhulan Chuluun。これ、多分、現地語の発音では「クーラン・チュラン」にはならないはず。キリル文字での綴りがわかんないので推測だがホラン・チョローン(Хулан Чулуун)とかじゃないかな。 

これ、アカデミー賞外国映画賞にノミネートされなかったら本邦公開してくれなかったかも。決して日本人好みの映画じゃないと思うが、rukkiaはこういのは割と好きだ。


萌え度:
好き度:突然部下が揃ってずっこけました(^^; その過程が見たかった…
鑑賞:劇場(2008.4)

原題:Mongol
監督:セルゲイ・ボドロフ
配役:浅野忠信(テムジン)
   スン・ホンレイ(ジャムカ)
   クーラン・チュラン(ボルテ)


300 <スリー・ハンドレッド>(2007)

2007-06-02 | 映画評・歴史系活劇
フランク・ミラー原作の「300」、先行上映で見てきた。
これ、史劇って宣伝しちゃやばいだろうって思ってたけど、なるほど、ギリシャ側だけ見れば史劇といえないこともないかな。でも、ペルシャ側を見たら劇画っていわないと、なぁ…。
もう、あっち側は絵に描いたよう漫画の世界だった。(って頭痛が痛いみたいな表現だけど…)

まあ、ギリシャ側だって、どう見ても実在の生き物には見えない狼(ワーグっていったほうがいいかもな感じ)とかあったけどね。
一応、ジャンルは「歴史系活劇」しといたけど、「ファンタジー」でもいいかも。

というわけで、宣伝に惑わされて「トロイ」みたいなつもりで見た人の反応が心配ではあるのだが、rukkiaにはかなりおもしろかった。期待度が低かったからかもしれないが、「シン・シティ」の時もキャストにつられて暴力表現を覚悟して見たら以外とおもしろかったから、もしかしたら痛いのと惨いのを差し引いたらフランク・ミラーがかなり好きなのかもしれない。

お話の中心はペルシャ戦争の一幕テルモピュライの戦い。
いやー、
プロ戦士、凄過ぎ(^^;
そしていつも胸板胸板と騒いでいるrukkiaでもさすがに、
筋肉、ごちそうさま。げっぷ。
一応、歴史を下敷きにしているので、話の展開はネタバレっつーことはないのだが、一応、黒文字で。
最後の場面はテルモピュライの1年後のプラタイアの戦いだった。知らなかったのであとで調べたのだがテルモピュライの後のサラミス海戦でクセルクセス自身は引き上げており、そのあとやってきた総司令官をスパルタの重装歩兵の活躍で追っ払った戦いだったようだ。そのあと、ペルシャはギリシャ侵攻をあきらめている。

R15だけあって、手は飛ぶ足は飛ぶ首は飛ぶ! 死体山積み!!
そーいうのが駄目な人はみないほうがいいと思う。
…rukkiaも基本的には痛いのや惨いのは駄目なのだが、あまり生々しくなくて劇画チックだったし、覚悟していたから大丈夫だった。

語りはずっとディリオスのはずなんだけど、これがデヴィッド・ウェナムの声だとはわかっていてもなかなか認識できなかった。なんかね、彼の声の記憶がないのだ。ファラミア@指輪ともカール@ヴァン・ヘルシングとも違うからだろうか。
で、ディリオス、最後のほうになるまで名前を呼ばれてなかったような気が…。
隊長(ヴィンセント・リーガン)とその息子(トム・ウィズダム)もなかなかよかった。ヘビメタさんのようなステリオス(ミヒャエル・ファスベンダー)もね。
そして少年時代のレオニダス役の人(Tyler Max Neitzel)も。
王妃役のレナ・ヘディーは美人でも色っぽくもないけど、強そうだった(^^;

実は、最初にスチル写真を見たとき、裸マントの男たちに目のやり場に困るかなと思っていたのだが、そうでもなかった。見慣れてしまったのか、それともお話になじんでいたせいか…。

ということで、「シン・シティ」を楽しめた人にはお薦め。
ああ、もちろんジェラード・バトラーのファンもね。いい役だよ、もっと暴虐な王かと思ったらそんなことなかったし。


萌え度:2回目に見たら「これで死ねる!」とクツクツ笑うステリオスにちょっと萌えました(^^;
好き度:
鑑賞:劇場(2007.6)

原題:300
監督:ザック・スナイダー
配役:ジェラード・バトラー(レオニダス)
   レナ・ヘディ(王妃ゴルゴ)
   デヴィッド・ウェナム(ディリオス)


アラビアのロレンス 完全版(1988)

2007-01-04 | 映画評・歴史系活劇
「アラビアのロレンス」の公開は1962年である。プレミア1日限りの222分版、その後に上映用202分版、さらにTV用にもっとカットした版があるそうだ。で、今回見たのは、プレミア時のものを復元した1988年の完全版というやつだ。指輪もびっくり227分である。

すげぇな。さすが、アカデミー賞とりまくり作品。「ベン・ハー」の時に近い感慨のある作品だった。
スケールの大きさもさることながら、登場人物のキャラたちまくり!
主演のピーター・オトゥールも変人ロレンスを演じて変な人オーラ出まくりだし、やたらいい役シェリフ・アリ(オマー・シャリフ)も、野蛮なのにあったかいアウダ(アンソニー・クイン)も見ていて小気味よかった。
そしてもっと驚いたのがファイサル王子(アレック・ギネス)。途中まで気づかなくてアラビア系の人がやっている思ったのだよー。なんでも、ギネス氏はオマー・シャリフ(エジプト生まれ)の英語を参考にして“アラビア人っぽい英語”にしたらしい。ひー、俳優、おそるべし!

お話は知っての通り、第1次世界大戦中のアラビア半島でのイギリス軍とアラブ人のごたごたの中でカリスマリーダーをつとめたロレンス中尉→少佐→大佐の話である。
見事なまでにねーちゃんが出てきません!
いやー、まったく潔いいですね。イギリス映画だからできた技だろうか。

とにかく砂漠がきれいだ。
そして過酷だ。
ベドウィンがかっこいい。
単なる勧善懲悪でも好戦でも反戦でもない脚本が見事。
特にファイサル王子の台詞が深いですよ。
いま見ても全然古くないけど、今だったらアラブ人同士の会話はアラビア語にしただろうなってことくらいかな、気になったのは。

ピーター・オトゥールに萌えちゃうかとちょっと心配だったのだが、彼、目の周りがrukkiaにはちょっと甘過ぎた。メイクのせい?
キャリアの長い人に惚れちゃうとあとが大変なので、ちょっとほっとした(^^;


萌え度:あと一息
好き度:いま見ても古くない
鑑賞:DVD(2007.1)

原題:Lawrence Of Arabia
監督:デヴィッド・リーン
配役:ピーター・オトゥール(ロレンス)
   オマー・シャリフ(アリ)
   アレック・ギネス(ファイサル王子)


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レジェンド・オブ・ゾロ(2005)

2006-01-31 | 映画評・歴史系活劇
仮面は伝説になった。ゾロの続編、「レジェンド・オブ・ゾロ」である。
予告編見てて、奥様、ずいぶんとお強いこと、くらいの予備知識で臨んだわけだが…。
ええと、馬、大活躍です
ゾロの愛馬トルネードがお茶目でした。これから見る人は馬に注目!
とりあえず娯楽大作です。軽い気持ちで楽しみましょう。

ということで、以下ネタバレにつき注意。



ゾロ、運動神経よ過ぎ!
なのはともかく、あれから10年、アレハンドロはゾロ業に勤しんでいたらしい。仕事仕事で家庭を顧みない旦那にキレる奥様…。ああ、夫婦喧嘩はよそでやってください。
一方、父の正体を知らない息子ホアキン(アドリアン・アロンソ)は…、蛙の子は蛙です。 ゾロの精神を真っ向受け継ぎ、かつ、なかなかすばらしい運動神経を発揮。
奥様のエレナは…、貫禄つきましたね。奥様業している間に鍛錬したのか、剣術だけじゃなくて格闘技もばっちりですよ(^^;

ゾロを尾行する怪しい男たち、これは…と思ったらやはりシュラー・ヘンズリー氏でした。いかがわしいけど悪人じゃない微妙な表情がなかなかです。フランケンシュタイン@ヴァン・ヘルシングの特殊メイクをとるとこーなるのか…。あっちは目だけの演技だからもったいなかったかも。

そして、あ、ルーファス・シーウェルだ!、出たな悪人!!
いくら小奇麗な紳士をやっててもやっぱり悪人なルーファス(アルマン役)、今回もまた権力にモノをいわせて女をモノにしようという邪な貴族の役だ。奸エグゼクティブのランベール・ウィルソン同様、ストーリーみえみえである。この人、いい人役はやらないのだろうか…。

とまあ、顔見ただけで役割がわかるので、わかりやすいといえばわかりやすい。
バンデラス、胸板いまいちだなとか、こら、そんなところチューするなとか、痴話げんかはやめれとか、いろいろあるわけだが、合衆国万歳・めでたしめでたしである。

で、アントニオ・バンデラスは好きなんだが、ゾロはあまり萌えないのだ。「デスペラード」のマリアッチのほうがずっと好き。何故だろうな。怪しさ(妖しさ?)が足りないのかな…。


萌え度:うーん…
好き度:
鑑賞:劇場(2006.1)

原題:The Legend of Zorro
監督:マーティン・キャンベル
配役:アントニオ・バンデラス(アレハンドロ・デ・ラ・ベガ)
   キャサリン・ゼタ・ジョーンズ(エレナ・デ・ラ・ベガ)
   ルーファス・シーウェル(アルマン)


ロビンフッドの冒険(1938)

2005-09-03 | 映画評・歴史系活劇
この時代のチャンバラはフェンシングだ…。
往年のオーストラリアのアクションスター、エロール・フリン主演の娯楽活劇である。先の「アビエーター」でジュード・ロウが演じていたちょびヒゲの男だ。
どんな美男かと楽しみにしていたら…、

ぷっ、
いや、ロビン・フッドですからね、といってもあのディズニーみたいな真緑の服はなんとかならないいでしょうか。相棒のウィルは真っ赤だし…。
で、御本人は…そんなにハンサムというわけでもないし、カリスマってほどでもない。ただ、このロビン・フッドのキャラはすごく合っているみたいな気がする…。
敵役ガイ卿のベイジル・ラスボーンがかっこいんですけど…。いや、スカした男なんだけどね、ふっふっふ。その昔、「ロミオとジュリエット」にも出ているんだけどティボルト役。やっぱりねって感じ。
さらに敵役ジョン王弟をやっていたクロード・レイズン、なんかとってもマンガチック。誰かに似ているな…。今やっている「ロマンシング・サガ」のパトリックとか、「ファイブスター物語」のデコース・ワイズメルとか(^^;
いや、そんなに気骨のあるヤツじゃないんだけどね。
ヒロイン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)がまたよい。まさにお姫さまという感じの清楚な気品がある。彼女は翌年、ヴィヴィアン・リーの「風と共に去りぬ」でメラニーをやってるぞ。
ということで、快活な冒険活劇として十分楽しめるつくりになっている。
クライマックスはロビンとガイ卿の一騎打ち。長剣でフェンシングしてるよ…。アラゴルンやバリアンの立ち回りとはだいぶ違う感じ。あ、そう、ロビン・フッドはリチャード獅子心王の時代なので、「キングダム・オブ・ヘブン」とは同じ頃のはずだよん。

DVDの特典映像にニュースというのが入っていた。おそらく本作が公開された時に一緒に上映された映画ニュースだと思われる。
2作とも戦争に関するものだ。1938年といえば第二次世界大戦直前だったな。1本はドイツ帝国がオーストリア併合したというもの。もうひとつは…007の小道具か?というような「低車高機関銃車」。台車みたいなやつに腹ばいになって、機関銃を構えながら足でコントロールするもの。「草の影に隠れて攻撃できます」だってさ。米陸軍はおおまじめにこんなもの開発していたらしい。あへー。


萌え度:萌えるほどでは
好き度:それなりに。
鑑賞:DVD(2005.9)

原題:The Adventures Of Robbin Hood
監督:マイケル・カーティス
配役:エロール・フリン(ロビン・フッド)
   オリヴィア・デ・ハヴィランド(マリアン)
   ベイジル・ラスボーン(ガイ卿)


ロビン・フッドの冒険 特別版

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キングダム・オブ・ヘブン(2005)

2005-06-15 | 映画評・歴史系活劇
これ、「グラディエーター」より好きかも。
↑見終わった感想である。
十字軍といえばrukkiaにとって史上最嫌(?)の連中である。ので、見る前は「十字軍か、やだなー」なんて思っていたのであるが…。

なんといっても主人公のバリアンがマキシマム@グラディエーターもびっくりのいい人である。
鍛冶屋なのにちょっと訓練しただけでたちまち剣の達人である。
成り行きで領主になったと思ったらたちまち人望あふれる経営者である。
さらに成り行きで守備隊長(?)になったと思ったらすげぇ戦略家である。
さらにさらにアラゴルン@指輪もびっくりの不死身ぶり。
…と突っ込めば突っ込めるのだが、このバリアン、終始無口で落ち着いている。まっすぐである。危なっかしいところは無い。
そしてこの作品、敵役であるサラセン人がかしこく描かれている(ほんとの悪役は十字軍の中にいる)。
そのおかげか、迫力満点戦闘シーンで死体累々なのに、妙に安心して見ていられるのであった。

オーランド・ブルーム大作初主演ということで、燃える正義の青二才だったら恥ずかしーなー、なんて思ってたのだが、全然そんなことなくて、レゴラスともパリスとも違う趣のある演技だった。やるじゃん。
鍛冶に土木作業に戦闘に、どろどろになりながらも男臭くなりすぎないあたりがこの人の持ち味か?
もう乗馬はお手の物だしね。
エルフ語しゃべったくらいだからアラビア語(多分)もへっちゃらなんだろう。

だがなー、この作品で紅一点のシビラ(エヴァ・グリーン)、意味ねぇ!
彼女がいてもいなくても、バリアンの信念も行動も揺らがないのだよ。
で、不倫しに走ってくるな、こらぁ、って感じ。
まあ、彼女の視点から事象を見るっていう役割もあったかもしんないけどね。
「グラディエイター」で紅一点だったルッシラの迫力はぜーぜん無いのよん。
そこだけがいまいちかなー。

さて、物語の最初に戻ると…。
あー、このやな役の人、どこかで見たーっと思って思い出せなかったのだが、エンドロールで気づいた。
マイケル・シーンだ。 > 最初に出てくる司祭。
この人、やな役やらせたら嫌味満点ねぇ。

十字軍のいけ好かない騎士ギー(マートン・ソーカス)、貫禄あるねぇなんて思ってたら、なんとケレボルンの殿@指輪の人だった!
黒髪だったら全然気づかなかったよー。(さっき、配役データをチェックしていて気づいた)
あっちではあんなに影が薄かったのに、こっちでは濃い濃い。
さすが、役者である。

ずーっと気になっていたのは、イベリン卿のお付の老騎士。デヴィッド・ウェンハムが年取ったらこんなかんじかなー、なんて思ってたのだが、デヴィッド・シューリスという人だった。
ルーピン先生@ハリポタじゃないか!
で、鼻の特徴はデヴィッドつながり?

エルサレムについたバリアン、騎士たちに囲まれる。
「ゴドフリーを知っているか」などと聞かれるが、この時点でrukkiaは「ゴドフリー」がイベリン卿のことだってわかってなくて大いに混乱した。
字幕のせい?
そういえば、ギーとイベリン卿のやりとり、字幕が「隠し子作れるような奴とは争わんよ」「あんたが俺の子供じゃなくてよかったよ」って感じになってたと思うのだが、英語サイトをみたら次のようになっていた。

ギー:「If I had fought you when you were still capable of making bastards... 」
イベリン卿:「I knew your mother when she was making hers; fortunately you're too old to be one of mine.」

ありゃ?
「あんたがまだ隠し子を作れるようなら戦うんだが」
「幸い、あんたは俺の子にしちゃ年上すぎるねぇ」
って感じじゃないのか?(仮定法とか皮肉とか自信なし)

まあいいや。
けど、シビラが「すぐわかった、貴方とイベリン卿はよく似てるから」って、全然似てないんですけど? > オーリーとリーアム・ニーソン…
…これは字幕のせいばかりとはいえないと思う(^^;

クライマックス、エルサレム攻防戦ではペレンノール!
…すみません、何事も「ロード・オブ・ザ・リング」がデフォルトなもので…。

ええと、正統的に鑑賞すれば教訓にあふれた感動物語なのでしょうが、なにせ鑑賞視点がB級なもので…。
でも、これは物語としては「トロイ」や「アレキサンダー」よりオススメですよ。
…ラジー度は低いと思う(^^;

最後に一言、リチャード獅子王に華が欲しいです < 一瞬しか出てこないからなおさら…


萌え度:萌えはしないが
好き度:
鑑賞:劇場(2005.6)

原題:Kingdom Of Heaven
監督:リドリー・スコット
配役:オーランド・ブルーム(バリアン)
   リーアム・ニーソン(ゴドフリー・オブ・イべリン)
   ハッサン・マスード(サラディン)


グラディエーター(2000)

2005-05-15 | 映画評・歴史系活劇
なんだ、ラッセル・クロウ、かっこいいじゃん!
って、rukkiaはラッセル・クロウというのは単なる暑苦しいおじさんだと思っていたのだ、ごめんなさい。

「グラディエーター」は、昨日から公開になった「キングダム・オブ・ヘブン」の予習として見たのだった。
リドリー・スコットって、なんか、いまいちイメージが掴めないので…、「エイリアン」と「ブレードランナー」でしょ、「G.I.ジェーン」と「ブラックホーク・ダウン」でしょ…。
で、「グラディエーター」を見たわけだが…、
雰囲気は「キング・アーサー」 >主人公がいい人過ぎ。
お話は「トロイ」より締まっている。
悲惨な戦闘場面は「アレキサンダー」並。
…これって褒めているんでしょうか(^^;

まあでもおもしろかったよ。
悪役のホアキン・フェニックスがそれはもう憎たらしいの気色悪いの。 < これは褒めてます
爺二人も素晴らしかった。皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)と剣闘興行師プロキシモ(オリバー・リード)。いずれも故人なのが残念。
気の強い姐(コニー・ニールセン)も好みだ。 < こらっ

これでアカデミー主演男優賞はちょっとオマケすぎないか?と思ったのだが、ライバルが弱かったのかな(この年の候補作、一個も見てないからわかんない)。
雰囲気似てると思ったら、音楽が「キング・アーサー」と同じ人(ハンス・ジマー)だったのねん。
いっそのことアーサーもラッセル・クロウでやってくれればよかったのに。
この人のがカリスマ持ってるよ。

お話はというと…、とにかく強いですマキシマム。それはもう、アーサー並、アラゴルン並!
「民を味方につけた者がローマを制す」って、かっこいいけど、うーん、「スパルタカス」を見ちゃったあとではなー。なんかちょっと都合のいい最期のような気がしないでもない。
…姫、弟を放っておいてそっちかよ、と思ったのは内緒だ。

気になったので歴史を調べてみたら、皇帝コモドゥスは自ら闘技に出場しちゃう肉体派だったらしい。
でも、闘技場で死んだわけではない。
後継者の名前もルシウスではない。
アーサーと違ってちゃんと記録の残っているローマ皇帝のことだから、こんな風に脚色されちゃっても「伝記とフィクションは違う」とかいって許されるのだろうか…。


萌え度:萌えるにはあと一息
好き度:
鑑賞:DVD(2005.5)

原題:Gladiator
監督:リドリー・スコット
配役:ラッセル・クロウ(マキシマム)
   ホアキン・フェニックス(コモドゥス)
   コニー・ニールセン(ルッシラ)


グラディエーター
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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アレキサンダー(2004)

2005-02-16 | 映画評・歴史系活劇
アレキサンダーといえば、わかくてぴちぴちした輝く英雄である。何でコリン・ファレル?と思ったのだが、見てわかった。あの脚本ならコリン・ファレルで正解だ(^^;
ドラ息子の悪あがき物語なのだった。

そしてこの作品、壮大な無駄
見ている途中からそう思ったし、見終わってもそう思った。
まずなんといっても説明過多、無駄に長い。
戦闘シーンとバビロンとかすごくお金がかかっていそう。そこだけは凄いのだが…、それだけではお金の無駄。
キャストも有名な人を使っている。演技が悪いとは思わないのだが…、労力の無駄。
そして、アレキサンダーの所業そのものも壮大な無駄だったりするわけだ…。

とまあ、ラジー賞最有力候補だし、他のレビュー見てもあまりいいことは書いてない。
おもしろくないかというとそんなことないが、歴史スペクタクルだから見る人の期待値は高いわけだ。
オリヴァー・ストーンというのも有名な監督だ。
んなわけで、期待値との乖離が賛否両論だった「トロイ」や「キング・アーサー」なんかよりはなはだしく大きいのではないかと思う。
しかも、ヘクトルやランスロットのような萌えキャラがいない(^^;

政治的に見れば失敗であったアレキサンダーの東征も、歴史的に見れば無駄ではない。ガンダーラとか2000年の後にももてはやされたりしているわけだし。
映画も各地のアレキサンドリアなどをもっと描いてくれれば、rukkiaとしてはもっと楽しかったのにと思うのだが、まあ、映画の焦点はそこにないのだから仕方がない。

以下、ネタバレなので、文字色を変えるが、ケータイの人とかはそのまま見えちゃうのであしからず。

アンソニー・ホプキンスが、灰色港へ向かうビルボに見えるんですけど…(^^;
少年アレキサンダー、うまい子をみつけたもんだ。なんとなくコリン・ファレルの面影があってもちっと軟弱でもちっと高貴。
アンジェリーナ・ジョリーはララさんもびっくりの意味不明な怪演。いやー、凄かったんですけどね。あのかーさん、いったい何がしたかったのだろう。本当に息子を愛していたのか、自分だけが可愛かったのか、最後までわからなかった…。これはアンジーのせいじゃないです、脚本と監督のせいだと思います。
乱暴モノのとーさん、実はいい人じゃないか…。が、かーさんはいい人のかけらもなし。ほんとにただの狂った魔女だったのか…。
アレキサンダーの親友役のジャレッド・レト、この人がもう少し魅惑的だったら作品の評価変わったかもなー。
で、肝心のアレキサンダー、英雄的だったのは最初のペルシャ合戦の時だけ。とはいえ、この時の兵士鼓舞演説もセオデンに負けてます。
ロクサヌ、な、何故に巨乳!?アレキサンダーは彼女の野生の瞳に惹かれたのであって、母性的な肢体に惹かれた訳ではないと思ったのだが…。ちょっとびっくり。
バゴアス役のフランシスコ・ボッシュの怪しい踊りはなんだ?なんだ?ロクサヌの踊りよりドキドキしちゃったじゃないか。しかも踊ったあとの波打つあの腹は!?  < 落ち着け

というわけで、ダメダメといいながら、語りたくなるところの多い作品でした。ちゃんちゃん。


萌え度:…いまいち…
好き度:もう一回見てもいいかも…バビロンとバゴアス(^^;
鑑賞:劇場(2005.2)

原題:Alexander
監督:オリヴァー・ストーン
配役:コリン・ファレル(アレキサンダー)
   アンジェリーナ・ジョリー(オリンピアス)
   ヴァル・キルマー(フィリッポス)


追記:「バゴアス」で検索してくる人のためのおまけ(^^;
Francisco Bosch 1982年10月5日生まれ スペインのバレンシア出身
ダンサーでほんまもんの薔薇族という噂です…。