黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

旧佃島を歩く2

2018-02-25 02:56:21 | 東京 URBEX
先日オフ会的に催行した街歩き『東京古埋立地と呑み散歩』で、
久しぶりに訪れた佃島。
シリーズでお送りしてきた最後は、旧佃島の街並やスポットなど。
※佃島の概要はこの回の記事を参照




→google map

かつて旧佃島しかなかった時代から、
東西の二つの埋立地を繋いでいた佃橋。
佃小橋と名前を変えて、昭和の終わり頃に架けられた橋は、
赤い欄干に擬宝珠が載る趣のある橋です。
その奥には、老舗銭湯の日の出湯。
赤い橋とマンション銭湯の煙突の風景は、
いつ見てもほっこりします。







旧佃島の北端には、住吉神社があります。
家康が、関西の佃村の漁民を江戸の佃に招聘するきっかけとなった住吉神社。
1650年頃に分霊されて現在の地に建立されたそうです。
鳥居には珍しい、呉須で文字が焼かれた陶製の扁額。
書は明治の皇族、有栖川宮幟仁親王によるもの。







神社の境内から隅田川方面を望むと、
隅田川の堤防近くに赤い鳥居が見えます。
路地越しに見え隠れする鳥居が、
佃島の区画の狭さを物語ります。







隅田川の堤防沿いにある「佃島渡船」の碑。
江戸時代から大正時代にかけては、私的な渡船、
昭和に入ってからの、工場労働者による活況の時代には、
公営による渡し船が往来したようです。
昭和39年(1964)の佃大橋の架橋によって廃止。
すなわち東京オリンピックの年まで、
佃島は船でしか行けなかったんですね。







佃島のほぼ中心にある山本駄菓子店。
ルックスはそれほどレトロではありませんが、
いつも近隣の子供たちで賑わっています。
佃島にはコンビニがなく、チェーン系の居酒屋などもありません。
そんな環境が、新しい民家が並びながらも、
そこはかとなく懐かしい雰囲気を醸し出している原因かもしれません。







街歩きでは、このあと月島を一巡りして、
再び佃島へ戻り、佃島唯一の中華料理店「麗江(リージャン)」で懇親会。
佃島へ大勢で行くことも滅多にないので、
いい機会だと思いました。
とても美味しい中華料理に、参加者みなさんの会話も弾み、
佃島の街歩きは終了。

外に出ると夜も更けていて、
佃小橋から眺めるリバーシティには、
たくさんの灯が灯っていました。


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