黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #02 思案橋

2009-04-08 22:54:49 | 長崎さるく
昨日からアップしている、長崎ひとりさるく。
今日は、前回の記事の最後にアップした、
船大工町から右に曲がって、思案橋界隈です。

思案橋とは『軍艦島全景』にも書きましたが、
その北側一帯に広がっていた日本三大遊郭のひとつ、
丸山遊郭へ行こうか行くまいか思案した橋、
ということから名付けられた橋だそうです。



今では川は暗渠になり、
欄干のレプリカが、かつて橋があった事を物語るだけです。

思案橋界隈は歓楽街を形成しているので、
四方を飲食店が取り囲んでますが、
中でも気になるのは路面電車の思案橋駅から、
国道324号線沿いに東へ進んだ通り沿いです。
Mapion



この通り沿いの建物は、その殆どが木造3階建てで、
しかもその3階の造りが、
しっかりと1階分の高さをとって造られた3階建てでない事です。







商店街の組合の建物でしょうか。
1階は共同トイレなものの、
この建物なんかは完全に3階建てです。







Mapionをご覧になるとわかると思いますが、
324号線に沿って一本入った路地にも、
同様に、ニセ3階建ての建物がひしめきます。

さて、この建物の形。
多くの方が似た様な建物をご存知かと思いますが、
私が思い出すのは新宿ゴールデン街の建物群です。
赤線の時代、2階までを通常の営業スペースとし、
3階を隠し部屋と使用していた時代の造りです。

思案橋商店街のこれらの建物がどういう経緯を辿って、
現在に至っているかはわかりませんが、
もしかしたらこれらの建物も同様の目的で、
使われていた時代があったんではないでしょうか。
もしご存知の方がいらっしゃったら、
教えて頂ければと思います。



最後は、
商店街のはずれにあったカメラ屋さんの軒先で、
思案に耽る猫です。

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2 Comments

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Unknown (ラリラリ・ピノ)
2009-04-14 03:10:34
ここはかつて「ハモニカ横丁」と言われていたようです。もちろんハーモニカを想像すれば形状が分かるかと思います。
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▼ラリラリ・ピノ (廃墟徒然草)
2009-04-14 15:57:40
「ハモニカ横丁」のお話、ありがとうございます。
東京の吉祥寺にもハモニカ横丁という名前の極狭路地商店街がありますが、
こちらは結構幾筋も道があるので、それほどハモニカ感はありません。
それに比べると、思案橋のハモニカ横丁は道一筋なので、
まさにハモニカですね。
返信する

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