受験の日本史しか、勉強してこなかった自分。
学校の歴史は、古代から江戸時代までは詳しく、丁寧に、教えてもらった気がする。
ところが、明治以後、特に太平洋戦争(大東亜戦争)となると、
きちんと教わった記憶がない。
けれども、最近の日本の動きは、かの「戦争前夜のようだ」、と、
「特定秘密法案」などで、
国会周辺に集まってデモする人たちが、心配している。
29日の参議院国会中継では、
「集団的自衛権」が議題になっていた。
ちょうどそのころ、
古市憲寿氏の『誰も戦争を教えてくれなかった』を、読み終わっていた。
そして、同時進行で、ジョン・ダウアー氏の『敗北を抱きしめて』を。
続けて、孫崎享氏の『戦後史の正体』を。
すると、切れ切れの知識が一本につながった。、
もやもやしていた頭の霧が、すうーっと晴れていくような、
「そうだったのか」と、いろいろな事柄の関係性がはっきりしてきた。
例えば、安倍首相の祖父、『昭和の妖怪』と言われた岸信介元首相のこと。
よく知りもしないで、そのまま『妖怪』だと思ってきた。
アメリカの言うなりに、安保条約を結んだ人、と思っていた。
しかし、そんな単純ではなかった。
(その逆かもしれないのだった。)
『戦後史の・・・』では、
アメリカの言うとおりに動かないので、
”下ろされた人”になっている。
『敗北を・・・』によると、その岸元首相は、
東京裁判の『A級戦犯』容疑者として、巣鴨刑務所に拘禁されていたとし、
”岸は、明敏かつ悪辣な官僚で、
傀儡国家満洲国で経済界の帝王として君臨し、
何千、何万という中国人を強制労働させ、
奴隷のようにこき使ったことなど、多くの責任を問われていた。”
とある。
しかし、朝鮮戦争が起きて、
アメリカにその経済的手腕を買われ、
釈放された。
いわば、アメリカに救われた人。
だが、首相になると、
『戦後史の・・・』によれば、安保条約と行政協定(→地位協定)の改定に全力で奮闘し、
「駐留米軍の最大限の撤退」を求めていた、のだという。
岸のこの動きは、アメリカの国益に合わなくなったので、
CIAお得意の手法(反政府デモ)のひとつによって、退陣させられた、という。
かの「安保闘争」だ。
歴代の自民党首相は、皆『新米派』かと思っていたら、
そうでもない人が、少なくなくいるのだった。
そしてその少なくない『自立派』は、
巧妙に仕組まれたアメリカの追い落とし作戦で、
政治の舞台から下ろされていった。
田中角栄元首相もその一人だった。
何がどうあれ、
日本は、戦争に負けたのだから、
日本は『日米安全条約』に縛られる。
どんな政権ができようと、
アメリカが本気になれば、日本の政権なんてつぶすことができる。
首相の首など、どうとでもすげ替えることができるは、本当らしい。
祖父の岸元首相は最後『自立派』になろうとした。
いま、集団的自衛権、積極的平和主義、辺野古への基地移転などを口にする、
孫の安倍首相は、ちゃきちゃきの『対米追随派』に見える。
それどころか、愛国心を育てようと道徳教育に熱心だ。
どうなのか?
お祖父さんのようにはなるまいと、
日本は、アメリカと一緒に「戦争をする国」になろうとしているのか。