路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

猫月流

2008-02-16 | 『リー』

私は花が好きだ。

父も母も違う流派の華道を嗜み、

幼い頃、正月になると当たり前の様に(何故か父に)いけばなの基本を習った。

実家の玄関には365日、花がいけてある。勿論、父がいけるのだ。

記念日に花を贈る殿方よ、甘いぞ。365日花を欠かさずいける男も居る。

でもそれは家庭円満の秘訣であり、本人の安定剤の様なものかもしれない。



毎週水曜、草月流のいけばなを習っていた。

今日はどんな花材が届くのかと、毎週楽しみでもあった。

ほんの15分程の無心に花をいける時間、

決して正しい答えの出ない問い掛けであり、

全てが正しく見える、ひたすらに花の美しさを引き出す作業。

デッサンと良く似ている。

 真っ白な紙で100点。花そのままで100点。

手を加える事で、本物よりも空間や美しさを表現出来て、尚100点未満だ。

花を抱えた帰り道、シャッターの下りた薬屋の横を通ると

『リー』ちゃんが声を掛けて来た。

「そんなお花持って、どうしたの?」とでも言いたげな顔でこっちを見てる。

鞄と花を地面に下ろし、跪いて『リー』ちゃんに挨拶をした。

『リー』ちゃんは好奇心一杯で、花を覗き込んでいた。



ふと、思う。 猫が居て100点。

私というフィルターを透して、

出会えた事実と空気感を表現出来て、尚100点未満。




 ←色んな事を教えてくれる親友リーちゃんに、ポチっと応援お願いします。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 影 丸 | トップ | さくら・桜・さくら »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

『リー』」カテゴリの最新記事